山行記録

【平成12年01月09日/蔵王連峰 ライザ〜馬の背】


【通過時間】

登り TooCotton  パト小屋   御田神小屋   北斗リフト上駅 
通過時刻 7:15 7:50 8:08 8:37
下り  北斗リフト上駅  御田神小屋 パト小屋 TooCotton
通過時刻 8:37 9:05〜9:45 9:50 10:20

【メンバー】 単独

【山行メモ】 

 平成12年始めての山行である。天気予報はあまり良くなく、今晩から明日にかけて大荒れの予報である。しかし、成人の日が第2月曜日に変わってから始めての年であり、3連休のスキー客でスキー場はこの冬一番の込み様であった。
 今回の山行の目的は、ぶなの枝の折れ具合を見に行くことである。

 朝7:00ごろのスキー場は、まだ静かである。コース整備の圧雪車が一台動いているだけである。TooCotton駐車場近くの路上に車を止める。気温はさほど低くなく、車から降りても寒さを感じない。足元は長靴、雨具は下だけをはいて出発する。圧雪車で整備されたゲレンデは、ワカンを履かずにつぼ足でもまったくぬからない。清水ゲレンデの登りで息が上がるがその後は快適に高度を上げる。パノラマゲレンデ脇のぶな林では、ぶなの枝が折れている。デジカメで折れたぶなの枝を数枚撮影する。

今シーズン、とくに年末に降った雪は大変に重い雪であった。気温が高いためだろう。お陰でスキー場には滑走十分な降雪となり、雪の心配がなく12月中旬にスキー場開きができた。しかし、12月下旬に樹氷が出来るという異常な状態でもある。つまり、今までには見られなかった湿雪が坊平に降ったのだ。温暖化現象の影響なのだろうか。もう一つスキー場に関して面白いことが起きた。蔵王スキー場横倉ゲレンデで全層なだれが発生した。これも、気温が下がらない状態で一気に雪が積もった証拠である。

ゲレンデ上部
パトロール小屋

 ゲレンデ上部のパトロール小屋を過ぎると登山道に入る。ここでワカンを履く。雪は硬くしまりまったく沈まず、夏道ペースで快適に歩いて行ける。視界は約20mといったところであり、次の指導標が見える程度である。間もなく御田神の非難小屋に着く。南側にある玄関は雪で埋もれており、立ち寄らずに先を進む。視界は依然良くなく、指導標が頼りである。指導標には北西にエビの尻尾が伸びており、それを取り除きながら進む。所々折れている個所があり、間隔が開いてしまっている。このような天候の日には注意が必要だ。早い時期に、竹竿の指導標を設置しなければいけない。

御田神避難小屋

 北斗観光夏リフト沿いに進む。ここまで登ってくるといつも風が強くなる。視界は以前10〜20m位である。この冬に新調したウールの手袋もここまでは快適であったが、この強風は網目を通り抜けてしまう。オーバーグローブが必要のようだ。北斗リフト上駅到着の頃、霧が風で飛ばされたのだろうかやっと視界が開けてきた。御田神の非難小屋や中丸山も見える。

 下りながらシャッターを切る。空が灰色の為あまり良い写真は期待出来そうにない。樹氷が出来ている。しかし、夏リフトより下の標高では樹氷の裏側にはまだ雪が付着していない。とど松の地肌が見え完全な樹氷とは言えない。12月に付着した雪も1月上旬の穏やかな気温で落ちてしまったようだ。御田神避難小屋までは視界にもめぐまれ、あたりを眺めながら下ることができた。やはり、山は天気一つで楽しさが変わってくるものだ。

樹氷

 御田神非難小屋到着後に玄関の除雪作業をする。南側の玄関は、除雪をしただけで問題なく開いた。しかし、もう一つの出入り口である東側のサッシ窓は、窓枠のレールが凍り付いていて開けることが出来ない。積雪が多くなると南側の玄関前には必ず雪が吹き溜まるので、この東側の窓からの出入りの方が楽になる。利用価値のある出入り口であるが、この状態では使えない。下山後に、パト隊長に報告をする必要がある。小屋の中のストーブは灯油切れの状態であった。ポリタンクやオイル缶には灯油が入っていたが、いつ運び上げられたものかはっきりしなかったのでストーブへは補給はしないできた。鏡さんに問い合わせればわかるかもしれない。

除雪後の玄関

 スキー場近くまで下ってくると、テレマークで登ってくる二人組と出会う。始めてこのコースに入るということで、指導標と小屋玄関の除雪のことを伝える。また、ゲレンデ上部では4人グループが登る準備をしていた。この時期にこれだけ雪が硬くしまっていると山に入っても楽である。

 車までは、ゲレンデの南側の樹林帯を下ることにする。ぶな林を歩くのはとても気持ちが良い。やはり、雪の重みで枝が折れている。折れている木は腕の太さのものが多いが、中にはそれ以上のものも折れている。しかし、ゲレンデ脇にこのように素晴らしいぶな林が残っているのである。大切にしたいものである。

折れた「ぶな」 ぶな ぶな

 車到着後にパト隊長のところに立ち寄る。雪の状態、入山者の状況、そして御田神避難小屋の灯油と窓枠凍結のことを報告する。また、製作中のワカンを見てもらう。太いほうの木を後ろ側に使うようにと教わる。ワカンに力のかかるのは、登行時よりも下降時にかかとに体重が乗るときである。そのため、後ろ側の木に強いものを使用するということである。


 

[2000山行記録]