【題意】
夜空の星を仰ぎ見る。昭和40(1965)年の作。
【詩意】
夜半、高楼より空を仰ぎ見ると
星々の銀の瞬きは、瞳いっぱいに広がってなんと潔いものか
近頃は米ソが人工衛星の打ち上げを競っているというが
その衛星とはいったいどの辺りを飛んでいるのだろう
【語釈】
高楼=高殿、高台。初代宗家が何処で星を仰がれたか定かでない。
当時の自宅かもしれないが、詩意では高楼のままとした。
【参考】
宇宙飛行士ガガーリンが人類初の宇宙飛行で「地球は青かった」と語ったのが、1961年。
当時は本格的な宇宙開発が始まって間もない頃である。
冷戦真っ只中のアメリカ・ソビエト二大国が凌ぎを削る時代でもあった。
またその頃は今より星も多く見え、夜も静かであった。
様々な時代背景に思いを廻らし、詩を鑑賞するのも楽しい。
この4年後、アポロ11号が月に着陸。ついに人類は月面に一歩を記すことになる。
松口月城先生に「人類月を踏む」の詩がある。
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