MOVIEtonbori堂

前回結局「イノセンス」とは全然関係ナイ声優コネタ集でしたね(笑)
今回は「イノセンス」と前作「GOSHTinTHESHELL攻殻機動隊」の
原作者士郎正宗氏のメジャーデビューコミック「アップルシード」
についてちらほら書いてみようかと

士郎氏を知ったのは相当前で大学時代によく行っていた書店(今はもうない)の漫画売り場(この売り場が相当広くて大阪では日本橋がアキバ化するまえここでお世話になった人はそうとういるはず)に平積みしていた漫画を眺め続け(実は立ち読み防止のビニールパックに入っていたのでかなり買うのを躊躇していた。何故なら買ったけど面白くなかったらちょっとブルーだから)ある日意を決して購入。そこで初めて士郎ワールドにはまってしまい2の発売を首を長くして待つようになった。彼の画風はキャラはアニメ顔のお眼目パッチリでグラマラスボディな女性と独特なメカ。そして大友風(当時はこう呼ばれていた)な緻密な書き込みをされた背景が印象的で話のネタもSF&ミリタリー&ポリティカルフィクションが詰まっていて趣味が見事に合致していてこれはヒットだと密かにおもっていた。しかしその時はまだこの漫画がこうまで世間の注目になると露とも思っていなかった。何故なら出版元が大阪の青心社というところだったから。クトゥルー神話やイラバード物語でマニアには良く知られた出版社だが正直メジャーな会社ではなかったからだが漫画が好きな者達にはその名前と内容が徐々に浸透しやがて白泉社(花とゆめで有名な少女漫画を得意とする出版社)が新少年漫画誌を発行。そこにドミニオンが連載されさらに名前が広く知られるように。しかしここまではまだ漫画ファン、おたくだけに認知されていたのだが、このころからアニメ化の希望が高まっていった。そして講談社のヤングマガジンにて読みきりの特捜シリーズが掲載され「攻殻機動隊」つながりその後押井守監督により映画化となるのだが実はその前に士郎氏自身が監督したOVAがある。「ブラックマジックM−66」自身の同人時代の単行本(これも青心社より新装版で出ている)の中の一編「ブービートラップ」をベースにしたオリジナル短編にしたてたもの。(絵コンテ集も同じく出版された)このM−66なる人型機動兵器には士郎氏も思い入れがあるようでかなり力が入っている作品である。傑作かと問われればそうではないかもしれないがアイデア、ギミック、描写などは今観ても唸らされる点がある。そして待望の「アップルシード」OVA化だが実はこれちょっと私にはキツイ作品だった。微妙に変えられたストーリーよりなにより背景がつらいのだ。今ならCGですごいものが描けるのだろうがTVアニメのような背景は正直なえたのを覚えている。だからこそ映画「攻殻機動隊」も正直どうかな?と思っていたが士郎氏の世界背景と押井ワールドの融合を目の当たりにしこれは凄いものが出来たナと感じた。但し士郎氏の世界観とは微妙に違うしこのへんは好き嫌いの分かれるところだろう。同じ理屈で今回の「イノセンス」同様に感じる人は多いのでは?何故なら押井ワールド全開状態なのでかなりお客を選ぶ作品かもしれない。これについては後日作品評にて書きたいが。そして「APPLESEED」である。「バブルガムクライシス」という近未来美少女(この言い回しもなんか時代を感じるなぁ)メカアクションを制作した柿沼氏と実写「ピンポン」をCGで大胆に再現した曽利氏のコラボ。ストーリーは原作をこれまた変えているようだが世界観と設定は生かしているようだ。その予告編の背景を見る限り前回のアニメ化では出来なかった事をしていそうなので密かに期待している。しかし今士郎氏はストーリー漫画の活動が休止状態なのは残念である。これからのメディアはPCのほうになるとも小耳にはさんだこともあるが中断中の「APPLESEED」の続編を読みたいものだ。

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