MOVIEtonbori堂

ゴジラ生誕50周年でファイナルだとか・・・・
でも世間の皆様はゴジラといえば『ヤンキースの松井秀喜』
なんだとか(^^;(ネットサーフで見かけたのにそーゆう文がありました)
実際私もモニターの前でそうだよなとうなずきましたとさ(爆)
もっと今回はそのファイナルを飾る?北村龍平監督について
とにかくメジャー長編「あずみ」がコケ&酷評だったのも
記憶に新しいかもしれないけれど少なくとも
「VERSUS」の時は大型新人とか皆持ち上げてたよなー

と、その前にアカデミー賞は波乱も無くサプライズもなく下馬評どおりに決まったけれど「ロード・オブ・ザ・リング王の帰還」11冠は「ベン・ハー」「タイタニック」に並ぶ快挙だそうで。で監督のピータージャクソン氏彼がこの映画を撮る前はスプラッターホラー映画を撮っていたのは有名な話。そんでもって前から映画化したいと思っていたトールキンの「指輪物語」の映画化権を買い取り映画にしたのだがそれまで名だたる監督たちがあきらめたという世界でもよく知られた古典中の古典ファンタジーをそれまでホラー映画の監督しかしていない男がここまでにぶちかましたのは快挙と言っていいだろう。しかし皆に問う、彼のロード・オブ・ザ・リングの前の作品を言えますか?私は言えませんでした(^^;映画好きでもこんなもんである。多分相当な映画ファンかマニア、雑誌でも「映画秘宝」とかを読んでいる者じゃないと知らないんじゃないか?(実際にはぐぐれば解ることだけど)そんなジャクソンだけどこんだけの映画をきっちり作る才能をちゃんと青田買いしていたハリウッドのスタジオには恐れ入る。が、彼らはけっこうスカも買っているかもしれない。タイでNo.1興行収入をあげたカオスが監督した「バリスティック」はB級アクション映画だがC級として扱われた。ウォシャウスキー兄弟は「マトリックス」の前「バウンド」というサスペンス映画で高評を得て「マトリックス」でブレイク。しかし「レボリューションズ」でくそみそにこれまた酷評。じゃなんでジャクソンは11冠を得たか?答えは簡単。「指輪物語」を忠実かつ自分のビジョンで撮りあげたから。実はビジョンも大事だがこの忠実ってのがキーになっている。今まで沢山のものが挫折したのは忠実に撮れないとさじをなげたからで多分他のものが潤色を加えたり改変すればこうにはならなかった。だからこそ彼は撮りきることが出来たのだ。とかなり横道にそれたが北村龍平監督「VERSUS」はインディーズでの手法で作られた熱気あふれる映画だ。もちろん粗はそこかしこに見受けられる。演技陣も脇はともかく主役がほんとうに素人。しかしラストに近づくにつれいい表情をするのもインディーズの法則にのっとっている。アイデアも面白いしなにより2時間(!)の長丁場を一気に駆け抜けるのも常識はずれだ。力量うんぬんよりも彼自身のポテンシャルが炸裂したかっこうである。彼が注目されるきっかけになった映画「ダウン・トゥ・ヘル」はインディーズ・フィルムフェスティバルで第1回GPを獲得したのだがその時となんら変わっていない。ある意味驚異的でもある。実際「VERSUS」はそれだけのエネルギーを持っていた。そしてメジャー映画「あずみ」への登板となるわけだがココで主演上戸彩の演技と彼女の仲間の刺客達の演技、演出、上映時間などなどが酷評され(実際2時間18分って言う上映時間は映画館側にとっては長い2時間以内の映画が一番喜ばれる。何故なら回転率があがるから)続く「ALIVE」「スカイハイ」も酷評された。しかし彼は一貫として戦う映画を撮り続けそして今また「ゴジラ」の最後の戦いを撮る。私自身は北村龍平という才能は異才だと思っているし「あずみ」「ALIVE」を見た後でもそれは変わっていない。実際「ALIVE」は一昨年の完成で公開に間が開かなければ一定の評価は得られたはずだと思う。最もネロスの扱いは難しいトコだけど私は最後のアクションをつけるためのスパイスとして面白かったと思うしVERSUSからの流れで考えるとすんなり入ってくる。実はココが曲者でこれが単館ロードショウで順次公開されて翌年「あずみ」なら絶対評価も変わったはずだが実際には「あずみ」「ALIVE」「荒神」「スカイハイ」と立て続けに公開されたため一般的には同じ事を繰り返している人にしか写らなかった。しかし大体他の映画監督だって極論すれば同じ作風で作りこんで観客に作品を問うているのだからこれはこれで正解ともいえるがいくらなんでも4本はもうけっこうになるのが普通の観客の心情だろう。そのぐらいで彼の情熱や反骨精神が崩れるとは思わないがいくら「俺が世界一」と思っていてもそれを観客が認めなければダメなんである。今年公開の「イノセンス」押井守監督は今までカルトでマイナーなイメージがある人だが今回はジブリの鈴木Pを迎えた。実は私これには意外だった。鈴木敏夫氏と押井監督の繋がりは古く、鈴木Pがアニメージュという徳間の雑誌編集に携わっていた頃からの仲。しかしこれまで彼がプロデュースした押井作品は「天使のたまご」一本のみ。しかし今回はジブリの立役者で宮崎監督をメジャーに押しあげた彼が再び組んだことにより宣伝戦略とかも今までと違う。多分(これは想像だが)前作「攻殻機動隊」よりも興行収入は上がるだろう。北村監督のいう回収って言葉が糞だってのはよく解るが回収できない作品を作り続けても結局はチミノようになって過去の人となるのは勿体無い。良いプロデューサーと脚本家(土台になる話、シノプシス作家。別に細部の演出を含めて脚色は北村監督がしてもいいが絶対に土台はうまい人、有名無名を問わず)がいれば彼は面白い作品を撮れる監督だと思う。しかし今のままではゴジラファイナルに関して期待は持てない。だがそれを裏切って欲しいと思う最初のパッションと反骨精神で。いい意味でほんとうに裏切って欲しいが次が私にとっての正念場である。北村龍平という個性をどう見るのかということについて。

MOVIEtonbori堂玄関に戻る