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許しを請うのか、それとも求めるのか。

監督/主演 クリント・イーストウッド
脚本 ポール・ハギス
キャスト ヒラリー・スワンク/モーガン・フリーマン/

こと映画作家としてイーストウッドはまたやったと言うべきだろうか。
アカデミー助演男優賞と主演女優賞、作品賞、監督賞を受賞。
前年の「ミスティック・リバー」では主演、助演男優賞を獲得したが「LOTR王の帰還」が無ければ独占していたであろうと思えば連続して2年も良質な作品を送り出した彼の力量は凄い。

いまさらごちゃごちゃと書いてもまああれなんだけども
前に三池監督の「IZO」の感想を書いたときによるべなき者の達の物語と書いた。
この物語も実はそういうラインにのっとっており主要登場人物フランキー(クリント・イーストウッド)スクラップ(モーガン・フリーマン)、マギー(ヒラリー・スワンク)ともになにか欠落したモノを抱えている者達ばかりだ。

これ以上はネタが割れてしまうかもしれない。
まだ観てない人はその物語を心ゆくまで堪能して欲しいと思うがこの映画を観て思ったこと。
それは・・・・・・・・・・・・・・
この物語は「選択すること」の話である。

結果は常にそれを選択したことから発生する。
そしてそれを受け入れる事とその己の行動を律すること。
それがポイントだったと感じた。

その決断は時として非常に重い結果をもたらす事もある。
だがそれを選択したときそれを受け入れる。
そして行動する。
その時彼の作品「許されざる者」とダブってくる。
この作品は彼の監督としての名声を不動のものにした「許されざる者」と非常に似た構造を持っている。
ウェイン町山氏が以前「許されざる者」だったと書いていた意味が解った。
イーストウッドは恐ろしく深いところで人生をいつも見つめている。
それはどんな映画でも(たとえアクションでも)そういう雰囲気をたたえている。
それが濃縮されている映画だった。


本家ブログよりの転載加筆分です。

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