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ジャッキーが帰ってきた!これぞ香港クォリティ!

*新*香港国際警察

監督 ベニー・チャン
主演 ジャッキー・チェン
共演 ニコラス・ツェー/チャーリー・ヤン/ダニエル・ウー/デイブ・ウォン
    シャーリーン・チョイ/ユー・ロングァン/ココ・チャン/アンディ・オン/テレンス・イン

ジャッキー久々の香港での大作。 その名も*「新警察故事」NEWPOLICESTORY* 冒頭はジャッキーの映画らしさというものがちょっと薄れている?と思ったのもつかの間、アクションはしっかりジャッキー映画!でも最近の風潮を取り入れているところがおいらには違和感が少しあったけどお約束のシーンはしっかりジャッキー映画。これが21世紀の香港映画に自分のテイストの融合をさせたら?というジャッキーの挑戦なのかも。基本的には「警察故事」をさらにシリアスに(リアルじゃないよ)した印象を受 けた。 香港映画の今の流れを感じさせてくれる作品。 物語は凄腕エリートで特捜班を率いるチャン警部(ジャッキー・チェン)がゲーム感覚で銀行強盗を行う強盗団(このあたりハートブルーのサーファー強盗に通じるモノがある)のアジトに急襲をかけるが罠にはまり部下を次々に失っていく記者会見で「3時間で解決してみせる」と言ったチャンは部下の命を賭けたゲームを強盗団のボス、ジョー(ダニエル・ウー)に強要されるが結局部下は全員死亡してしまう。部下には婚約者ホーイーの弟もおりホーイーとの間にも越えられない壁をつくってしまうチャンは酒浸りの日々を送ることに。それから1年の年 月が流れチャンの前に「巡査1667」と名乗るシウホン(ニコラス・ツェー)が現れ彼を再び最前線へ立たせようとする。かつての同僚達の冷たい視線の中、ボロボロになったチャンは再び強盗団を追う。というあらすじ。 ともかく全編これジャッキー印に今の香港スタイルを取り入れた形であり新人プロデュースも積極的にやっているジャッキー、今の香港映画の流れもちゃんと掴んでいるよというところを見せる。具体的にはオープニングからチームがジョー率いる新世代犯罪チームに壊滅させられるまでのシークェンスにジャッキーが酒に溺れるところ。今までならこういうところにギャグを挟んでくるしこうまで冷酷なシーンを描かなかったがそのあたり今のお客にもちゃんと目配せしている。また『警察故事』といえばカーチェイス。これは「クローサー」や他のジャッキー作品でも思うんだけどあの香港という土地をうまく利用して迫力のあるシーンをいつも見せてくれる。 実際香港は狭いので道路封鎖をすればあっという間に追い詰められるのだがもう何処で走る、潰す、突進する。今回もそういうシーンを見せてくれるがその時に張り出しの壊し用のセットをきっちり作って思い切りよく潰していく。そしてジャッキーのスタントなしのアクション。 やっぱり50歳を越えてるなあと、アップシーンでは多少感じることがあってもその動きはまったくそんなことを感じさせないというか普通の人なら絶対にビビるようなアクションをこなしていることには感服せざるを得ない。前回までのマギー・チャンから変わりヒロインにはこの作品で復帰したチャーリー・ヤン。ジャッキー映画には珍しい(苦笑)大人の女性でそれもいいアクセントになっていると感じる。それと今回は前述した自身のプロデュース組の新人さん達が多数出ているわけだが「ジェネックス・コップ」組が3人(ニコラス、ダニエル、テレンス・イン)ジャッキーの映画人としての仕込みもばっちりというところか。 監督のベニー・チャン。パンフにはジョニー・トーの助監督ってあったけど・・・・・ もしかしてあの「大事件」のジョニー・トゥでつか??だからジャッキーが「3時間で事件を解決する!」というんでつか?? ともかくジャッキーの香港映画(ハリウッド脚色じゃない)を久しぶりに観れたのは非常に嬉しいことだった。

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