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悪魔の使者か?それとも人類の救世主か?
異形のモンスターハンター登場!

ヘルボーイ

プロデューサー/ローレンス・ゴードン/マイク・リチャードソン/ロイド・レヴィン
監督/脚本/ギレルモ・デル・トロ
原作/マイク・ミニョーラ

キャスト
ヘルボーイ/ロン・パールマン
トレヴァー・「ブルーム」・ブルッテンホルム教授/ジョン・ハート
リズ・シャーマン/セルマ・ブレア ジョン・マイヤーズ/ルパート・エヴァンス
エイブ/ダグ・ジョーンズ

敗戦色濃厚なナチスドイツがオカルト秘密結社「トゥーレ協会」とロシアの怪僧ラスプーチンによって異界の強大な力を召還し戦局の挽回を図ろうとしていた。それを察知した連合軍は超常現象の専門家ブルーム教授と部隊を儀式の行われる現場に派遣。儀式を寸前で阻止しラスプーチンは異界に飛ばされた。だが異界との扉が長く開きすぎたためになにかがこちらに呼び出された可能性を考えた教授は部隊にあたりの探索をさせた。そして体色が真っ赤で石の右手を持つ赤子を発見する。それが「ヘルボーイ」だった。
とここまでがタイトルロール。
60年後彼「ヘルボーイ」は教授が率いる超常現象調査局のエージェントとして魔物と戦うハンターとなっていた。そして異界から甦ったラスプーチンとその部下ナチスの女将校イルザとトゥーレ協会の会長にしてナチスの冷酷な暗殺者クロエネンが彼の持つその出生の秘密と陰謀をもって立ちはだかる。
うんこれは極めて真っ当な娯楽作品。よく出来ていると思う。ヘルボーイってよく考えれば魔物の属性を持つ者なのに愛嬌があってしかも子供のような物言いをする憎めないヤツ。普通なら異形のものとしての悲哀が強調されるのにあくまで前向きで悩みもするが暗くないってのがいい。キャラクターが立っている。ロン・パールマン、まさにはまり役だ。彼無しでは考えられないと監督のギレルモ・デル・トロが言ったのもうなずける。今までの彼の演じている役とはあまりかぶらないが納得できる演技だったしなにより彼の分身というか特殊メイクがいるのか?って感じで自然な雰囲気だ(笑)。そしてブルーム教授役のジョン・ハートもいい仕事をしており父としての思いがよく出ている。某サイトでは「さすがエレファントマン」とまで評されていたが彼はこういう脇で渋さを発揮するタイプ。あとヘルボーイが淡い想いをよせるリズをセルマ・ブレアが演じるがこのファイヤースターター(発火能力者)のリズの方がよほど悩み多きな普通ならヘルボーイがこういう悩みを抱えるだろーって役回りをしているからこそヘルボーイがさらに際立っているのかもしれない。なんとも言えずあのちょっと眠たげで物憂げな表情がリズにぴったりだ。原作ではそれほどの役回りを与えられていないとのことだがここでもキャラをうまく造形し立てたデル・トロ監督セルマだからこそだろ!と突っ込んでおきたい(笑)各人のキャラの役回りがうまく配置されており2時間超の時間を感じさせなかった。ただちょっと溜めの淡白さがあったのが残念なところ。もうちょっとクライマックスにもっていくまでドーンと溜めがあってもよかったかな?とは思うが充分満足できる映画だった。
※Webtonbori堂ブログに掲載したものを一部改訂再掲載しています

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