MOVIEtonbori堂

水深40メートル、バディと2人取り残され
使えるボンベはひとつだけ。残圧30片道一人分
お前達なら、どうする?

うみざる

監督/羽住英一郎
原作/佐藤秀峰 原案/小森陽一
脚本/福田靖
キャスト
仙崎大輔/伊藤英明 伊沢環菜/加藤あい 三島優二/海東 健
工藤  始/伊藤淳史 源  太郎/藤 竜也

原作は小学館のヤングサンデーで連載された海上保安庁の海上保安官の仙崎大輔の成長物語として人気を博した。NHKのBSでもドラマ化された。その「海猿」の潜水士編を脚色した映画となっている。特に原作を知らなくても楽しめるようになっているのは○だが原作ファンはちょっと複雑だろう。だって仙崎は伊藤英明のようなイケメンではない(笑)しかし映画はこの潜水士訓練を軸に母の看病で掴んだチャンスを棒にふりそうになりながらも都会より故郷に戻ってきたヒロインカンナと仙崎のラブストーリーを横軸に据えており、わかりやすく感情移入させようとしている。そうこの映画は「踊るチーム」による「トップガン」なのである!(監督の羽住氏は「踊る」の演出補で製作に名前を連ねているのは亀Pこと亀山千広氏。プロデューサーの臼井氏も「踊る」のプロデューサー。)広島県呉市にある海上保安大学校に全国から集められた14人の海上保安官。彼らは50日間の潜水技術課程研修に挑む。話は単純でダイブマスターの資格を持つ主人公仙崎とエリート海上保安官三島との衝突。バディ(作業時に組む相棒のこと)の工藤。彼は実力も他のメンバーより劣るが情熱だけは誰にも負けない。そして休暇中に出会うカンナと仙崎。しかしある出来事が暗い影を落す。まったくもって「トップガン」と同じ構成である。しかしこういう体育系ドラマは嫌いじゃない。おいら自身は体育系じゃないけれどこういうのりは理解できるしバディの重要性など解り切っているテーマをストレートにやるのも重要だろう。但しどこまで行っても今のドラマとあんまり変わらないのはダイナミズムというものはキャラクターによって醸し出されるから。この中で一番存在感のあったのは3人。教官源の藤竜也、あまり出てこないながらも渋い演技の国村準、工藤役の伊藤淳史くんである。しかしそれは演技力、存在感での話でキャラを立たせればどうとでもなるんだけれど結局演出がTVサイズなんだよなー。もったいない。あと最後に続編を予感させるやり方。これって「踊る」の手法じゃん。それも場合によりけりだと思うんだが。ともあれ辛口に書いたけれどこういうスタイルの青春映画ってのは貴重だしキャストのチームワークの良さは伝わってきたので良しとしよう。

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