MOVIEtonbori堂

孤独だから誰かといたい
一人だから・・・・・
そんな者達が集まる そこがホテルビーナス

ホテルビーナス

監督/タカハタ秀太
脚本/麻生哲朗

CAST
チョナン/草なぎ剛 ワイフ/中谷美紀
ガイ/パク・ジョンウ サイ/コ・ドヒ
ソーダ/チョ・ジンウ ボウイ/イ・ジュンギ
初老の男/伊武雅刀 花屋の店長/松尾貴史
ドクター/香川照之 ビーナス/市川正親

SMAP草なぎくんの主演第2作で彼の念願であった全編韓国語(ハングル)の映画。TV番組「チョナン・カン」(草なぎ剛のハングル読み)からスピンオフした映画でその番組を演出しているバラエティー畑のタカハタ秀太の初監督作品でもある。おちついた感じでモノクロームで語られる優しい映画なのだがこれといったフックがないのがちょっと寂しい。しかし全体のムードや出演者たちはいい。チョナンをはじめホテルビーナスにいる客、ソーダ、ボウイ、ワイフ&ドクター。そしてなにかから逃げているガイとガイが連れている少女サイ。サイの存在とそれぞれの宿泊客とオーナーであるビーナスがかかえている問題というか心の傷とそれぞれがどう向き合うかが大筋であるが異国感覚をだすためにロシア最北の土地ウラジオストクにて撮影された。これがなんとも言えない空気感を漂わしている。映画初監督にしてはいい雰囲気をだしてはいると思うがそれぞれの主人公に大きく思い入れすることが出来ないのはそれぞれのエピソードがこじんまりと纏まっているからでもう少し登場人物を整理するか、主眼をチョナンとビーナス、ガイとサイ、ワイフとドクターでも良かったのでは?この場合ソーダとボウイはあくまでも脇として扱うという感じになる。それでも彼らを輝かせることは充分に出来るはずだがどうにもそれぞれに分散した気がするのが残念。あとハングルで全編を撮ると言う試みは面白いと思う。こういった試みを否定的にとる人もいるかもしれないが挑戦というものはそういうものだ。ただ全員日本人キャストで日本語、もしくは韓国人キャストでハングルだったらと思う人もいるだろうが。市村正親が演じるオカマのビーナスはこの映画の中でも異彩を放っており主演のチョナンを喰ういきおいで他のキャラとくらべても立ちぶりが際立っていた。これが映画初出演とのことだがこれからもどんどん出て欲しい人である。

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