乱世に現れた美しき剣士
逃れ得ぬさだめ
それは少女に刺客という道を選ばせた
監督 北村龍平 プロデューサー 山本又一郎 原作 小山ゆう
撮影 古谷巧 音楽プロデュース 岩代太郎 美術 林田裕至
アクションディレクター 諸鍛冶裕太
キャスト あずみ／上戸 彩 ひゅうが／小橋賢児 うきは／成宮寛喜 あまぎ／金子貴俊
ながら／石垣佑磨 なち／小栗旬 じい（小幡月斎）／原田芳雄
飛猿／松本実 長戸／榊英雄
佐敷一心／遠藤憲一 佐敷二斎／清水一哉 佐敷三蔵／坂口拓
最上美女丸／オダギリジョー やえ／岡本綾 井上勘兵衛／北村一輝
浅野長政／伊武雅刀 南海坊天海／佐藤慶 加藤清正／竹中直人
実を言うと「魔界転生」を見に行ったのもせっかく同時期に２本もの時代劇が公開されるんなら是非見たいと思ってこの「あずみ」公開に合わせて「魔界転生」を見に行き間を空けず「あずみ」を見に行ったわけだが結局はそれではずれを引いてしまった気がした。そんな私の中では「あずみ」のほうに軍配（笑）もっとも両作品も時代劇としては殺陣を全面に押し出したもの。「たそがれ清兵衛」や「壬生義士伝」とはまた違うあくまでもチャンバラを中心にもってきた言うなれば現代に甦った、「旗本退屈男」＋「用心棒」風味隠し味には「マッドマックス」と日活アクションでどやっ！（笑）みたいなものか。今回「あずみ」に軍配を上げたのはやはりアクションの見せ方が凄かったから。あと楽屋オチネタになりかねない松本実、坂口拓、榊英雄他ＴＥＡＭVERSUS組の使われ方が思い切りが良かった事が好印象、おなじちょいでもあそこまでがんがん使えばもーいでしょ(笑)ただ他のメンバーも使いすぎかなちょっともったいない次回作にとっておくっのもありなのに(笑)ちなみにりょうと魚谷佳苗もちょい役（と言ってもけっこう重要）で出ていました。（この2人も北村作品に出演歴あり）で肝心のストーリーの方はそんなに詳しくないけれどかなりはしょっているでしょう多分。たとえばじい（月斎）の死もだいぶ後の話だったと思うし、とにかく駆け足なのに時間が長い。最近の流行かもしれないけどあと20分詰めて2時間にすればかなり評価があがったはず。描写だって悪くないのだが無理がところどころに見える。例えばOP訓練シーンから夕飯そして互いに殺しあう最後の試練まで流れが良いのにその後の立ち寄った村での略奪を傍観するシーンは長戸と会うシーンと入れ替えた方が良かった。じいが介入を止める、必然性が出たと思う。VERSUSで観たようなアクションも結構入っていると感じたのは多分カット割りが似ているから。それときめポーズとそれにいたる流れ、テンポが監督独自のリズムだからと思う。それで面白くいないかというとコレがまた良いのでそれはOK。しかしくどいようだがもう少し途中のテンポを上げて切りたくないだろうがフィルムを切るべき。まぁ甘いようだがここの部分はまだまだ発展途上と言うことで（笑）だって龍平ちゃん３３歳だもん私より若いやん（爆）最後の特機を使った撮影も普通の監督ではそういうのをCGでするのをあくまでそうやって撮ることにこだわる姿勢もまた良しだしね、アクションの構図や流れを演出する力は本物だと思うのでこれからも期待大である。次の「ＡＬＩＶＥ」も早く見たい。ちなみにプロデューサーの山本氏はあの名作（？）「太陽を盗んだ男」をプロデュースした人。あずみ２もありえるかも？？ただ脚本は次は別の人に任せるべきだと思う。ネタが絶対マンネリ化するから沢山の脚本家ともっとブレーンストーミングしていい本を作り挑んで欲しい。ちょっと期待しすぎか(^^;キャストの方はまず上戸彩、子供です・・・・。というか「きっさまぁ〜」が気が抜けるというけど誰ならいいんや！という感じですね。それ以外ではかなり頑張りを見せてたと思うが・・？ＢＯＹ’Ｓはかなり熱い演技をしていたが主人公じゃないので見せ場の作り方がまだ若い(笑)ただこういう濃い現場で鍛えられれば結構評価あがるはず。現に成宮、小栗はそのあと堤組のTBSドラマ、石垣はフジの妻夫木くんの映画のその後ドラマでレギュラー頑張っている。青田買いだったと思うけど形は作ったんじゃないでしょうかね？あと北村一輝の良さとか原田さんの演技は安心できるし竹中直人の爆走ぶりは面白かった。が特筆したいのはワンポイントのりょう。彼女のシーンは凄く印象に残って良かった。あと伊武さんの長政。セリフといい雰囲気といいこれもまたワンポイントながら深い印象を残した。オダジョーはねーちょっと成長途中かな。ただあの演技はかなりきていた。これからも精進して欲しいと思う。
5/11南街シネマ