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ザックスの冒険〜黄金のチョコボ伝説〜

DUNGEON12・チョコボせんにんの家




 無事にゲルニカを手に入れ、ザックスたちはさっそく山岳地帯の探索にかかった。タイニーブロンコでは飛べないほど高い山はそれほどない。ここまでわかればチョコボせんにんは見つかったも同然のような気がしている3人だった。
「まさかおまえがゲルニカまで操縦できるとは思わなかったぞ。だからつい、パイロットの手配までしてしまった」
セフィロスがあきれた口調で、本当は感心しながらそう言った。
「そりゃまあ、軍用の大型機だから俺もちょっとは心配だったけどさ。冷静に考えてみればタイニーブロンコと大差ないじゃん。基礎がきちんとしていればなんとかなるもんだよなあ。操縦法をみっちり仕込んでおいてもらってよかったぜ。シドのおっさん、ありがとう」
「・・・・・・・・・・おまえが基礎がどうのなんて言うと、基礎が笑うぞ」
 そんなバカなことばかり言っているせいかどうなのか、なかなかそれらしいものは見つからなかった。街も家も洞窟も、なんにもなし。それでもこれが最後の鍵だからとあきらめずに探していると。
「あっ、先輩!!あそこに何かあります!!!」
北の大陸を横断している時、クラウドが突然叫んだ。
 クラウドが指した方を見ると、山にかこまれ外界から断絶した盆地の中に、一軒の家がぽつんと建っていた。神羅の地図で確かめてみたが、そこには何も書いてない。
「もしかして、あれか・・・・・・・・・?よし、着陸してみよう」
「せ、せんぱい、お願いですから『華麗なるテクニック』はやめてくださいねっ」
「心配しなくてもやらねーよ。こいつはタイニーブロンコみたいに身軽じゃないんだ。どうせ心中するなら美人としたい」
「心中って・・・・・・・・そんな不吉なことを言うのもやめてください〜〜〜〜〜!!」
 不吉なことも言うけれど、やるべきこともちゃんとやる。ザックスはせまい空き地にきちんと目標を定め、これまたすんなりとゲルニカを着陸させた。



×××



 雪であたりは一面真っ白。あまりの寒さに、ザックスは急いでその家に飛び込んだ。
 中はだんろの火で暖かだった。間違いなく人が住んでいるようだが、先に目についたのは緑の羽根のチョコボだった。
「山チョコボか。こんな山奥に住んでるんだったら必要なんだろうけど・・・・・・・・これまたずいぶんきれいなチョコボだなあ。ここまでみごとにエメラルド色の羽根を持っているヤツなんて見たことないぜ」
「せんぱいせんぱいっっ!あっちの方でおじいさんがうたた寝してます!」
 階段を登ったところで、どこか人間離れしたじいさんがふわふわと寝ていた。しばらくそばに立っていたが、目を覚ます気配はなかった。
「お〜〜〜〜い、じーさん、ちょっと起きてくれよ。訊きたいことがあるんだよ」
ザックスはしびれをきらしてじいさんを揺り起こした。
「おお、お客さんかの。こんな山奥に珍しいのお」
そりゃ珍しいだろうさ・・・・・・・・・。神羅カンパニーでも存在を把握していない家に住んでるんだから。
「ところでじいさん・・・・・・・・・。あんた、名前は?」
「わしか?わしはの・・・・・・・・・・・・・」じいさんは突然考え込んでしまった。「なんと言ったかのお。思いだせんのお・・・・・・・・・・」
自分の名前もわからないなんて・・・・・・・・・・・。ただのボケ老人か?
 そしてまた突然、じいさんは顔をあげて言った。
「そうじゃ!わしの名はチョコボせんにんじゃ!」
「『チョコボせんにん』・・・・・・・・?あんたがそうか?そうなんだな!」
「そうそう、わしはチョコボせんにんと呼ばれておったんじゃ」
「やった!やっと見つけたぞ!!−−−−じーさん、俺たち、あんたを探してたんだよ。な、あんたなら黄金のチョコボのこと、なんか知ってるだろ?」
「黄金のチョコボ・・・・・・・・?なんじゃったかのお・・・・・・・・・・・・・・・」
「あ〜〜、もう、じれったいな!海でも山でも川でも走れるすっごい脚を持ったチョコボのことだよっ!」
「おお、そうじゃ!黄金のチョコボはチョコボワールドに住んでおるのじゃ!」
「チョコボワールド、だな?で、そこに行くにはどうすればいいんだ??」
「チョコボワールドへの行き方・・・・・・・?どうじゃったかのお・・・・・・・・思い出せんのお・・・・・・・・・・・・・・」
「おいおい・・・・・・またかよ・・・・・・・・・・・・・・」
「おお、そうじゃ!チョコボワールドに行くには、4つのクリスタルがいるのじゃ!」
「それはもうわかってるんだよ!クリスタルなら集めてきた。これのことだろ?」
そう言ってザックスは、クリスタルをチョコボせんにんに見せた。
「おお、そうじゃ!これがチョコボワールドへの鍵、4つのクリスタルじゃ!」
「で、これをどこでどう使えばいいんだ?俺たち、それを訊きたくてあんたを探してたんだよ」
「クリスタルの使い方・・・・・・・?なんじゃったかのお・・・・・・・・・。思いだせんのお・・・・・・・・・・・・・・・」
「じーさん・・・・・・頼むよ・・・・・・・・・・・・」
 それ以上はいくらせっついても、チョコボせんにんは何も思い出してくれなかった。
「先輩、今日のところはこれで帰りましょうよ。お年寄り相手にそんなにあせってもしょうがないでしょう。あんまり疲れさせたら、かえって何にも思い出してくれなくなりますよ」
「ん・・・・・・・・・まあ・・・・・・・・・・・・・・・・そうだな」
じつはザックスも、いらいらするのに疲れてきていたのだった。
「じゃあじーさん、俺たちまた明日来るから、それまでになんか思い出しておいてくれよ」
「おおそうか。明日も来るかの。−−−−ところでおまえさんたち、何か買っていかんかの?」
「はあ??」



×××



 とりあえずチョコボせんにんの家からひきあげ、今夜の宿を探すことにした。
 そしてザックスは、腹が減って宿に着くまでがまんできなかったのか、さっきせんにんに無理矢理売りつけられた野菜を操縦桿を握りながらかじり始めた。
「先輩、そんなもの生で食べておいしいですか?」
「まずくはないぜ。うまくもないけど。−−−−−しっかしあのじーさん、こんなことだけはちゃっかり覚えてやがって。いやに高かったよなあ、この野菜。少しでも買っておいてやらんとそれこそ大事なことを思い出してくれなくなりそうだったから、しかたなく買ったけどさ」
「だからと言って、自分で食うことはなかろう。おまえ、そのうち金色の羽根でも生えてくるかも知れんぞ」
「どういう意味だよ、セフィロス」
「チョコボのエサなぞ平気で食うやつの気が知れん、と言ってるんだ」
「チョ・・・・・・・・・チョコボのエサ!?」
ザックスは野菜を吹き出した。
「そう言っていたぞ、あのじいさん」
「だ・・・・・・・・だったら食う前に止めてくれよ!!」
「また人の話を聞いていなかったのか。それでよく、こんなところまで話を進めてこれたな」



×××



 ザックスはその夜宿をとる村のはずれにゲルニカを停めた。そこは−−−−−−。
「ニブルヘイム・・・・・・・・・・・・」クラウドは村の入り口で立ちつくした。「今日はここに泊まるんですか?」
「そ。もうちょいいい宿に泊まりたいとこだけど、せんにんのじーさんにしぼりとられたせいでギルが心もとないからな」
「だけど、それなら、もっと安いところがいくらでも・・・・・・・・・・・」
「あんまりボロいところはヤダし、うまい酒くらいないとな。ほれ、見てみろよ、このガイドブック!」ザックスは神羅カンパニー観光課発行のガイドブッグを広げた。「俺、うまいって評判の酒はだいたい飲んだことあるけど、ここの地酒はまだ未体験だったことに気づいたんだよな〜〜〜〜〜」
「だったら、サイフの中身じゃなくて酒で決めたと最初から言え。まあ、オレも酒はうまい方がいいが」
「わ、わかりましたよ。・・・・・・・・・・・・ここでいいです」
セフィロスまでがいちおう賛成に回ってしまったようなので、クラウドはとうとうあきらめた。 



×××



 宿に聞いてみると、3人部屋がひとつだけ空いていた。
「よかった。ベッドがひとつ足りないってことはないですね」
「そっか?俺は今、ベッドがひとつ足りないって困ってるぞ」
「先輩、たったそれっぽっちの数を数え間違えないでください。ちゃんと3つあるでしょう」
「うん、確かに3つあるな。あれが俺の、それはセフィロスの。それからこれは−−−−」ザックスは何の脈絡もなくモーグリのバカでかいぬいぐるみを取り出すと、3つ目のベッドの上にどん、と置いた。「このモーグリのベッド」
「どこから出したんですか、そんなもの!だいたい、ぬいぐるみにベッドなんかいらないでしょう!!」
「クラウド、おまえ、モーグリちゃんになんて冷たいことを言うんだ。こいつだって長旅で疲れてるんだぞ。な?−−−−うんうん、そうか。こいつもたまにはちゃんとしたベッドでゆっくりと足をのばして寝たいって言ってるぞ。そーゆーことで、クラウド、おまえのベッドはナシ」
「先輩・・・・・・・・・。先輩こそ冷たいです。いくら本編では俺のせいでひどい目にあったからって・・・・・・・・・・・・・・。−−−−せんぱいのバカ〜〜〜〜〜!!!!」
クラウドはそう叫ぶと宿から飛び出して行ってしまった。
「ザックス・・・・・・・・おまえ、いったい何をやってるんだ?何が気に入らなかったのかは知らんが、理由も言わないでこんなマネをするとは、いくらなんでもひどいとオレも思うぞ」
「まあまあ。これでいいんだよ。−−−−セフィロス、ちょっとこっちに来いよ」
ザックスはそう言って窓の方に手招きした。
「あそこ、見えるか?」
外はすっかり暗くなっていた。人けのなくなった村の広場の給水塔で、クラウドがひとりぽつんと座っていた。
「それから、あそこ。そう、給水塔の向こうの左端の家。あかりがついてるってことは、ちゃんと人がいるな。よーく見ろよ。クラウドもあっちの方を見てるから」
 しばらく見ていると、クラウドは思い切ったように給水塔から飛び下りた。そしてあたりの様子をしつこいくらいうかがった後、ザックスが指した家の方に急いで走って行き、ドアをノックした。やがて中からひとりの女性が出てきた。彼女はクラウドを抱きしめ、家の中に招き入れた。
「−−−−どうしたんだ?」
「あそこ、あいつの実家なんだよ。出てきたのはあいつのかーちゃんだろう」ザックスはほっとして言った。「前にここに来た時、あいつの様子、なんか変だったろ?あの後で本社に問い合わせてみたら、あいつの故郷はここだってな。それでわかったよ。あいつ、家に帰りたかったんだ。だけどあん時は、俺たち先を急いでたんで言い出せなかっただけかなとも思ったけど、そんな単純なものじゃなかったみたいだな。何を意地になってるのか知らないけど今日も自分から帰ると言い出さなかったから、無理矢理でもなんでも帰るようにしむけたんだ」
セフィロスはふっと笑みを漏らした。
「−−−−おまえ、意外と気くばりの人だったんだな、ザックス」
「そ、そんなんじゃねーよ!」ザックスは真っ赤になって言った。「ここの酒がうまいのはほんとーだぜ。あせってもしょうがないんだったらゆっくり酒でも楽しみたいとこなのに、あんな下戸野郎がいたらジャマじゃんか!他んとこじゃマズいけどここなら宿から追い出してもあいつが寝るとこはちゃんとあるから心置きなくいぢわるできると思って−−−−」
「わかったわかった。そういうことにしておいてやる」
 たっぷりの酒と少々のつまみ。そしてゆったりとした時間。こんなにのんびり過ごすのはずいぶん久しぶりのような気がした。
「なあ、セフィロス・・・・・・・・・。俺のわがままにすっかりつきあわせてしまって悪かったな」
ザックスはセフィロスのグラスに酒をつぎながら言った。
「今さらすまなかったも何もないだろう。本当にいい迷惑だったぞ。−−−−でもまあ、悪いことばかりではなかった。この旅ももうすぐ終わりかと思うと、少し残念な気もするな」
セフィロスも酒をつぎ返した。
「そうだな。だけどさ。・・・・・・・・・・・・・俺、自分の好奇心を満たすためだけに故郷を飛び出して、神羅軍に入って、伝説のチョコボを探している−−−−−そう思っていたんだけど、この旅の結果は俺ひとりの満足だけでは終わらないような気がしてきたんだ」
「どういうことだ?」
「ジュノンで俺たちを襲った美人モンスター、俺たちの行動を目障りに思っているヤツから遣わされてきたとかなんとか言ってただろ?それに・・・・・・・・・」ザックスは4つのクリスタルをテーブルの上に並べた。「こいつらも、俺たちに黄金のチョコボを探してもらいたがってる。なんでだろう?黄金のチョコボが伝説になったことに、なんか関係があるんだろうか?」
セフィロスはグラスを傾けた。
「そんなことで考え込むなんておまえらしくないな、ザックス。その理由は、チョコボワールドとやらにたどりついた時にわかることだ。おまえの個人的な好奇心から始まった我々の旅がそのチョコボたちの迷惑になっているのならばともかく、むしろ歓迎されているらしいのなら、このまま先に進めばいいだけだ。それとも、怖くなったのか?」
「別に怖かねーよ。怖くはないけど・・・・・・・・なんかとまどってはいるんだよなあ」
 ザックスは何か考え込みながらちびちびと酒をなめていた。そして、ぽつりとつぶやいた。
「・・・・・・クラウドのヤツ、今ごろ何やってんのかな・・・・・・・・・・・・・・」
「おまえも家に帰りたくなったか?」
「そんなことは・・・・・・・いや、そうなのかも知んないな」
「故郷ってのは、いいものなのか?オレは物心ついた時にはすでに神羅カンパニーの研究所にいた。親の顔も知らない。だから、よくわからないのだが」
「どうなんだろ。それは人それぞれだと思うけど・・・・・・・・・。俺は生まれ育った村が嫌いだった。ろくな仕事もない、遊ぶところもない、眠っているような片田舎で・・・・・・・・・・・。だから飛び出して来ちまったんだけどさ。でも、こうやって離れてみると、やっぱしいいところだったのかもと思っちゃうんだから不思議だよなあ」
「この旅が終わったら、おまえも一度故郷に帰るか?休暇願い、いつでも受理してやるぞ」
「そうだな・・・・・・・・」ザックスはしばらく、グラスの中の氷を見つめていた。「・・・・・・・・・・やっぱり、いいよ。とーちゃんかーちゃんをだまして出てきちまった手前、ウソをウソのまんまにしといたらなんか帰りづらいよ。−−−−セフィロス隊長、ミッドガルに帰ったら俺、まじめに働くよ。そんでとーちゃんたちに自慢できるような手柄をたてたら休暇願いを出すから、そん時は、よろしく、お願いします」
「本当にそれでいいのか?そんなことを言っていたらおまえ、一生帰れないかも知れないぞ」
「ひっでーな!この旅の間に俺の有能さはさんざん見たはずだろう??」
「そうだったか?オレには、おまえのバカさ加減のせいでひどい目にあった記憶しかないぞ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・おい」
 セフィロスと何度も酒を酌み交わし、たわいのない話をしながらザックスは、やっぱり村を出てきてよかったなあ、と思っていた。
 いろんな人間に会えた。いろんなものを見られた。そして、故郷のよさというものを知ることができた。
 それに・・・・・・・・・・伝説のチョコボ。
 ザックスは4つのクリスタルをかわるがわるつまみあげ、しげしげと眺めた。
 こいつらも、俺が黄金のチョコボを探し出すのを待っている。
 それってなんか・・・・・・・・・・・・・『選ばれた戦士』ってヤツみたいで、かっこいいじゃん。
「ザックス、何をにやにやしている。見ていて気持ち悪いぞ。もう酔ったのか?」
「なんだよ、このくらいの酒で酔うわけがないだろう。ちょっと考えごとをしてただけだよ」
「なにをだ?」
「教えねーよ。言ったらまたバカにするに決まってるもんな」
 チョコボワールドとかいうところで何が待っているのか知らないけど、もう一悶着ありそうなのはおもしろい。
 なんにしても、明日だ。



×××



 そして次の日。
 ザックスはふたたびチョコボせんにんの家へとゲルニカを飛ばした。
 クラウドは操縦席の後ろの方の窓ぎわで、不機嫌そうに外を眺めていた。昨日はいくらなんでもやりすぎたかなあ−−−−ザックスが声をかけられないままそう思っていると。
「あの・・・・・先輩・・・・・・・・・」クラウドの方から話しかけてきた。「ゆうべは・・・・・・・・すいませんでした」
「なんだ?おまえにあやまられなければならないようなことがなんかあったっけか?」
ザックスはほっとしながらも、そんなことはおくびにも出さずに言った。
「えっと、その・・・・・・・・・・・・。−−−−今日こそはあのおじいさん、チョコボワールドへの行き方を思い出してくれるといいですねっ」
「そうだよなー、この先はもうあのじーさんだけが頼りだもんなー」
ザックスとクラウドはそれっきり、昨日何もなかったかのように関係ない話しかしなかった。
 ふたりとも素直じゃないな・・・・・・・・・・。セフィロスは苦笑いしながらふたりの話を聞いていた。



×××



 チョコボせんにんは今日もふわふわといねむりしていた。
「お〜〜〜い、じーさん、起きてくれよ。今日も来たぜ。なんか思い出したか??」
せんにんはぼや〜〜っとしたまま顔をあげた。
「おお、お客さんかの。こんな山奥に珍しいのお」
「珍しいって・・・・・・・・昨日も来ただろ?」
「おお、そうかそうか。昨日も来たのか。で、おまえさんたち、誰じゃったかのお」
「だからさ・・・・・・・チョコボワールドへの行き方を教えてもらいに来たんだってば」
「チョコボワールドへの行き方・・・・・・・・・?どうじゃったかのお・・・・・・思い出せんのお・・・・・・・・・・・」
「おい・・・・・・・・・昨日と同じかよ・・・・・・・・・・・・」
「おお、そうじゃ!チョコボワールドに行くには、4つのクリスタルがいるのじゃ!」
「だから、そこまではわかってるんだってば!それをどこでどう使えばいいのか思い出してくれよ!!」
「クリスタルの使い方・・・・・・・・・?なんじゃったかのお・・・・・・・・・・。思いだせんのお・・・・・・・・・・・」
「お〜〜〜〜い・・・・・・・・・・・・・・。ふりだしに戻る、かあ?」
「おお、そうじゃ!チョコボワールドへの入り口は、ゴンガガの森にあるのじゃ!!」
「そうか、ゴンガガか。−−−−−−−−ゴ・・・・・・・・・・・ゴンガガあ!?」
チョコボせんにんの口から出たまさかの地名に、ザックスはかたまってしまった。
「そうじゃ!ゴンガガの森の中にあるほこらの祭壇に、4つのクリスタルを置くのじゃ!」
「ああ、あそこの・・・・・・・・・じゃなくって、そこの森の中にほこらがあって、その中の祭壇にこのクリスタルを置くんだな?」
「そうじゃ!そうするとチョコボワールドへの道が開けるのじゃ!」
「わ、わかったよ。それだけ聞けりゃ十分だよ。−−−−じーさん、じゃましたな」
ザックスはすっかりうろたえながらきびすを返した。
「おお、そうか。もう帰るのか。−−−−ところでおまえさんたち、何か買っていかんかの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・またか」
 何か買わせるためにわざと情報を忘れてるんじゃないか?そう疑ってしまうザックスだった。



×××



「ゴンガガか・・・・・・・・・・・・・・」
考えもしなかった展開に、ザックスはすっかり困っていた。話の出だしを思い出してみれば確かにそういうこともありうる気もしたが、だからと言って、そこに考えが及ぶというものではない。
「どうしたんですか、先輩〜〜?行き先がやっとわかったんですから、さっさと行きましょうよ」
「場所がわからないのか?おまえが大好きなゴールドソーサーの近くだぞ。以前、バギーで近くを通ってはいるから、そのあたりまで行けばわかるだろう」
「うん・・・・・・まあ・・・・・・・・・な」
 やっぱり行かないってわけにはいかないんだろうなあ・・・・・・・・・・・・・・。
 ザックスは覚悟を決めて、ゲルニカのエンジンを始動した。




×××××




(ぴっぴっぴ・・・・・・・・ぷるるる)
「もしもし・・・・・・・・・・エアリス?」
『あ、ザックス?今、どこ?』
「アイシクルエリア。黄金のチョコボがいるところがわかったから、今から行くよ」
『そうなの!? やったじゃない!!−−−−それにしては、元気ないね。どしたの?』
「いや、なんでも・・・・・・・・・。とにかく、セーブしといてくれないか」
『うん、わかった。疲れてるんなら、あんまり無理しないでちゃんと休んでね』
                    −−−−−−−−−−セーブ完了。




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