Home NovelTop Back


ザックスの冒険〜黄金のチョコボ伝説〜

DUNGEON11・再びジュノン




 ザックスとセフィロスとクラウドは、宝の地図の前で頭をつきあわせて考え込んでいた。
「・・・・・・・・・・・・これ、他に何か書いてあるか?」
「どう見ても、クリスタルが鍵だということと、その所在地しか書いてないぞ」
「でも、集めるだけでいいってもんでもなかったみたいですね・・・・・・・・・・・・・・」
 クリスタルは確かに4つ集まった。しかし、何も起こらない。いろんな形に並べてみたり、火打ち石のマネをしてみたり、召還マテリアのように使ってみたりしたが、それで伝説のチョコボがぼんっ、と現れるものではないようである。
「どうやら、紛失したもう一枚の地図にその先のヒントが書かれていたらしいな」
「だけど、ないもんはないんだろ。で、どうすりゃいいんだ?」
「足りない情報を補完するしかないだろう」
「でも、どこに行けばいいんでしょう。やっぱりミッドガルですかね」
「いやいや、チョコボのことを調べるのなら、もっといいところがあるぞ。チョコボと言えば−−−−−」



×××



 チョコボと言えば−−−−−ゴールドソーサー・チョコボスクエア。
「・・・・・・・・・・・・おまえの単純な頭で考えるのは、やはりこの程度か」
「あっっ、バカにしたな!そうは言うけどな、ここには全世界からチョコボレーサーやマニアがやってくるんだ。自然、チョコボについての情報も集まってくる。まずはエストに訊いてみよう。正解までは出なくても、ヒントくらいは絶対もらえるぜ!」
 チョコボスクエアは今日もギャンブラーたちの熱気であふれていた。それにあてられてザックスはまたふわふわとどこかに行きそうになるかと思いきや、意外にも真剣にエストを探している。黄金のチョコボの姿がもう目の前に見えているのだ。普通のチョコボに気をとられている場合ではないのだろう。
「あ、いたいた!お〜〜〜い、エスト!!」
「あら、ザックス、今日は何?また遊びに来たんじゃなさそうだけど」
「じつはそうなんだ。チョコボの伝説のことを訊きたくてさ。あのさ、『チョコボのクリスタル』って聞いたことないか?」
「クリスタル?なあに、それ。チョコボ召還マテリアのことじゃなくて?」
「そのことじゃない。じゃあ、海を走れるチョコボってのは?」
「知らないわ。変わった地形のところでも走れる珍しいチョコボもここには一通りそろってるけど、さすがに海ってのはねえ」
「それじゃ、羽根が黄金色に光るチョコボは?」
などなど、いろいろとキーワードを並べてエストに訊いてみたが、彼女はそのどれにも反応しない。エストがまるっきり知らないとなると、ここで訊いてみてもムダかなあ・・・・・・・・・・・と思いながら、最後にもうひとつだけ訊いてみた。
「・・・・・・・・・・・じゃあさ、チョコボの伝説とかにすっごく詳しい人なんて知らないかなあ」
「う〜〜ん、それなら聞いたことがあるわ。『チョコボせんにん』っていう、チョコボのことなら生態でも言い伝えでもなんでも知ってる人がこの世界のどこかにいるんだって」
「なんだって?『チョコボせんにん』!?で、その人ってどこにいるんだ??」
「そこまではねえ。だいたい、私は会ったことがないんだから、本当にいるのかどうかもわからないし」
「その話、誰から聞いた?どこにいるヤツなんだ?」
「もうずいぶん前のことよ。流しのチョコボレーサーから聞いたの。ここの専属レーサーでも囚人あがりでもないから、今どこにいるかなんてわからないわ」
「そうか・・・・・・・・・・。わかったよ、ありがとう」
「たまには遊びに来てよ。最近勝負強い客がいない、ってみんなつまらながってるからね」
 いちおうレーサーやスタッフたちにも訊いてみたが、やはりエスト以上の知識人はゴールドソーサーにはいないようだった。
 この世界のどこかに黄金のチョコボのことを知っている人がいるらしい・・・・・・・・・。少々気の遠くなる話だったが、とりあえずタイニーブロンコであちこち探してみることにした。



×××



「お〜〜い、クラウド、なんか見えるか〜〜〜〜?」
「なんかって言っても・・・・・・・・・あ、あんなとこに洞窟が!−−−−と思ったんですけど、あれも神羅の地図に載ってますね・・・・・・・・。寝てばかりいるおじさんが住んでるところらしいです」
「そこも謎でもなんでもない場所か・・・・・・・・。こんなに探しても見つからないってのは、やっぱり噂は噂にすぎないのかなあ・・・・・・・・・・・・・」
「ミッドガル市長に本社の資料の検索をさせてみたが、本社も『チョコボせんにん』の存在は確認していないようだ。まあ、あの男がそんなにまじめに調べたとは思えないから、一度戻って自分たちで再検索すれば何か出てくるかも知れんが・・・・・・・・・可能性は薄いな」
「じゃ、どうするんだよ??」
「そんなことはおまえが考えることじゃないのか?主人公なんだろう??」
「すぐそうやっていぢめる・・・・・・・・・・・。は〜〜〜、主役ってつらい」
「今ごろわかったんですかあ?本編での俺の苦労が理解できたんなら、もういぢめないでくださいね」
「そういうおまえは、俺のおかげで主人公をやってたんだろうが」
「はあ?そうでしたかあ??」
「そうやって都合の悪いことはすぐに忘れる・・・・・・・・・・・・」
「ふたりとも、そんな話はそのくらいでやめておけ。泥沼だぞ。それよりザックス、ゴールドソーサーのチョコボスクエア以外にもまだ、チョコボのことに詳しい人間がいそうなところがあるんじゃないか?」
「あそこ以外?・・・・・・・・・・・・どっかあったかなあ」
「今、真下に見えるんだがな」
 タイニーブロンコは今、グラスランドエリアの上空を飛んでいた。そして草原の中にぽつねん、とあるのは−−−−チョコボ牧場だ。
「え、あ、でも−−−−あそこにそんな重要な情報があるはずがないだろう」
「なぜそう簡単に断言する?他に心当たりがないんだ。訊くだけ訊いてみればいいだろう。こうやってあてもなく飛び回っていても燃料の無駄遣い、星にも優しくないっていうものだ」
「(・・・・・・・・・・・・・・本編では壱番星に優しくなかったヤツがナニを言うか)」
「何か言ったか?」
「いーえ、別に」
「ともかく、隊長の言うとおりですよ、先輩。降りて訊きに行きましょうよ。それとも、あそこには行きたくない理由でもあるんですか?」
「その理由、というのはおまえもわかっているだろう、クラウド。わざとらしく遠回しに言わなくてもいいぞ」
「え?俺も知ってることですか?−−−−ああ、あれですか。先輩、別に気にしなくていいじゃないですか。子供相手にケンカを売ったのはあれが初めてじゃないんだし〜〜〜」
「だからなんだってんだよ!あんなクソなまいきなガキが、神羅カンパニーでもつかんでいない情報を持っているはずがないだろう!!」



×××



 結局ふたりに押し切られて、ザックスはタイニーブロンコをチョコボ牧場のそばに着陸させた。そして情報収集はふたりにまかせてしまおうとしたが、そういうことはやはり主人公の役目だからと、セフィロスにひきずられるようにして牧場に連れていかれてしまった。
 小屋では今日も、グリングリンとクリンがふたりで元気に働いていた。
「あれ、おじさん、また来たの。今日はなんの用?今度こそ『チョコボよせ』のマテリアを買う気になった?この間はチョコボなしで湿地を渡ろうとして大変な目にあったんだってね」
「み・・・・・・・・・耳ざといガキ」
 このままグリングリンと話をしていたらまたケンカになってセフィロスにマヌケよばわりされそうな気がして、ザックスはついつい回れ右をした。それをセフィロスはひきずり戻した。
 ザックスはしかたなく、グリングリンに言った。
「−−−−そんなんじゃねーよ。ちょっと話を聞きにきたんだ。おまえ、『チョコボせんにん』っての知らないか?」
「『チョコボせんにん』?−−−−聞いたことないなあ。だけど・・・・・・・・・・・・・・」
「な、そうだろ?−−−−ということでやっぱり無駄足だったぜ。じゃ、他のところに探しに行こう」
とザックスは、そそくさと帰ろうとした。
「もう、そそっかしいなあ、おじさん。人の話はちゃんと聞いたら?ぼくは世話のしかたしかよく知らないけど、それ以外は妹の方が詳しいんだよ、って言おうとしたのに」
グリングリンの方がよっぽど大人である。すぐムキになるザックスを適当にあしらってしまう上に、いじわるしないで自分の知ってることはきちんと全部話そうとしてくれるのだから。
 妹の方か・・・・・・・・・・。そっちのが話しやすいな。ザックスはなんとなくほっとした。
 クリンちゃんは奥の方でチョコボにエサをやっていた。なかなかかわいい、将来有望な女の子である。
「なあに、おにいちゃん?わたしに聞きたいことって」
おにいちゃん・・・・・・・・・・・その言葉にザックスはじ〜〜んと感動した。素直な子供って、かわいい。
「うん、あのさ、チョコボのことならなんでも知ってる『チョコボせんにん』ってのがどこかにいるらしいんだけど、おじょうちゃんは知らないかな?」
ザックスはしゃがみこんでクリンちゃんの目線に合わせて訊いてみた。
「『チョコボせんにん』?うん、聞いたことがあるよ。どこかの高い山の奥の、飛行機でないと行けないようなところに住んでるんだって」
「山奥?どこの山なのかは知らない?」
「ごめんね。どこかまでは知らないの」
「そっか・・・・・・・・・。じゃあ、しょうがないね」
「おにいちゃん、チョコボせんにんを探してるの?もし会えたらせんにんのお話をわたしにも聞かせてね」
「いいよ。約束する」
ザックスはクリンちゃんの頭をなでながらそう言った。
 残念ながらここでも、正確な場所まではわからなかった。しかし、タイニーブロンコに戻った時のザックスは、それなりにゴキゲンだった。正確な場所までは無理だったが、探索範囲を山岳地帯にしぼればいいとわかっただけでも収穫だ。
 それに。
「ザックス、おまえ、ウータイでお子ちゃまには興味ないって言ってなかったか?それにしては、いくら女だからってそれこそ年端もいかない子供相手にずいぶんうれしそうだったな」
「そういう問題じゃないだろ。俺が嫌いなのはナマイキなガキなの。あんな素直でいい子に話を聞けば済むとわかってたら、さっさと来たんだけどなあ」
「本当にそれだけか?」
「しつこいな、それだけだってば。あと10年も育ってれば考えるけど。−−−−それより、クラウド、地図を出せよ」
 世界地図を広げて、チョコボせんにんがいるらしい場所の候補をあげてみた。そしてよくよく考えてみると・・・・・・・・。
 山の方は全然調べていなかったことに気づいた。タイニーブロンコはあまり高いところは飛べないため、山手は避けていたのだ。
「・・・・・・・・・・つまり、タイニーブロンコでは用が足りないってことか・・・・・・・・・・・・・・・?」
「となると、もっと性能のいい飛行機に乗り換えなきゃだめですね」
「しかし、そんなものは神羅空軍のゲルニカくらいしかないぞ」
「じゃ、それを借りに行こうか」
「ザックス、おまえ、ずいぶん簡単に言うな。あれは私用で使えるようなものじゃないぞ」
「大丈夫だって。こっちには天下の英雄様がついてるんだ。カオでなんとかなるだろ。ね、お願いしますよ、セフィロスたいちょ〜〜〜〜」
ザックスは不気味なくらい下手に出て、セフィロスに頼み込んだ。



×××



 そして、ふたたびジュノン。
「よくよく考えたら、最初にここに来た時にゲルニカを貸してもらえばよかったんだよなあ。そうすりゃあとあとあんな苦労やそんな苦労をしなくて済んだのに」
「今頃何を言っている。まあ、あの時に思い至っていても、たぶん無理だっただろう。話の初期段階では移動に苦労するってのはRPGのお約束だ」
「そういうもんか。・・・・・・・・・つまらん」
本編ではあまりにも出番の少なかったザックスは、そういう根本的なことがよくわかっていないようである。
 しかし、ゲルニカがないと話が進まないところまで来ているのだから、たぶん問題なく借りられるだろう。そう思っていたら、確かにそうだった。普通ならちょっとやそっとおだてたくらいでは動かないセフィロスがさっさとジュノン支社に出向いてくれたし、そしてジュノン支社の方も、ゲルニカ貸し出し願いをあっさりと受理した。
「う〜〜〜ん、ここまで簡単だと気が抜けるよなあ・・・・・・・・・・・。ここで大いにモメてジュノン軍とバトルになるとか、盗み出さなきゃならなくて苦労するとかすればおもしろかったのに」
「簡単なら簡単で文句の多いヤツだ。返却期限は特に決められなかったが、あまり長々と借りているわけにもいかない。さっさと行くぞ」



×××



 整備に少し時間がいるからということで、街でしばらく体を休めたあとに3人は空港の格納庫に向かった。
 格納庫の中はなぜか真っ暗だった。格納庫の番号を間違えたかなあ・・・・・・・といったん外に出ようとしたザックスは、床にころがっていた何かにけつまづいた。なんだろう、とよく見てみるとそれは、気を失っている神羅軍兵士だった。それひとりではない。格納庫のあちこちに兵士たちが倒れていた。
「な・・・・・・・・・・なにがあったんだ!?」
「ご希望の大問題が発生したのかも知れんぞ、ザックス。気をつけろ」
「お待ちしておりましたよ、みなさん」突如、女の声が響いた。暗闇の中に目をこらしてみると、ゲルニカの前にハイレグ水着姿の美女が立っていた。「私はポーランサリタ。ある御方にあなた方のお相手をするよう命を受けて参った者です」
「う・・・・・っわ〜〜〜〜、すっげー美人!!」
暗いから実物よりよく見えているだろうことをさっ引いて考えても、ナイスバディの極上美人である。ザックスは警戒心のかけらもなく、いそいそと彼女に近づいた。
「俺たちの相手をしろって?誰だか知らないけどあんたの主人って、すっごく気のきくヤツなんだなあ。んじゃさっそくデートとしゃれこもうか。こんな色気のないトコじゃなんだから、コスタ・デル・ソルに行かないか?あの南国の太陽の下なら、あんたの美しさがすっごく映えるだろうなあ。あ、あっちのふたりはほっといていいからな」
話が妙な方向に行ってしまい、ポーランサリタはずっこけた。
「そ・・・・・・・・そういう意味ではありません!!あなたがたの行動があの御方にとってめざわりだから排除しろと言われて来たんです!!」
「へ?めざわりって??」
「わかっていないのならそれでもいいのです。とにかく、ここから先には進ませません!」
 その言葉と共に、異様な雰囲気が格納庫の中に満ちた。そして、そこかしこに無数のマスタートンベリが現れた。
「も、もしかしてあんた・・・・・・・・・モンスターなのか?」
「・・・・・・・・・・今頃わかったのですか?」
「俺はいっこうにかまわないぜ。モンスターでもなんでも美人ならみんな好き」
「情況が全然わかってないようですね・・・・・・・・・。でも、そんなことはどうでもいい。行きます!」
 彼女がその色白の腕をかかげると、マスタートンベリたちがいっせいに彼らの方に動き始めた。いくら動きがトロいといっても、ものすごい数だ。ほうちょうがどこから狙ってくるかわからない。相手の動きをすばやく察知し、セフィロスは次々にトンベリたちを切り捨てていった。
「こいつらはオレがくい止める。おまえはその女を狙え!クラウド、おまえはザックスを援護しろ!」
「え〜〜、俺、きれいな女性と戦いたくなんかないんだけどなあ。そっちと代わってくれよ、セフィロス」
「ボス敵の相手は主役の義務だ!さっさと片づけろ!さもないと黄金のチョコボはまぼろしに終わるぞ!」
「う〜〜〜ん、それもいやだけどお・・・・・・・・・・・・・・・」
「いいからとっとと戦ってください!回復は俺にまかせて!!」
クラウドがポーションの空きビンを投げつけた。
「それも迷惑ですね。あなたは無視しても問題ないように思いましたが、やはり眠っていてもらいましょうか」
ポーランサリタはクラウドを誘惑した。女性に免疫のないクラウドはその色気にめろめろになったかと思うと自分からトンベリの群れの中に飛び込んでいき、ほうちょう攻撃を受けて戦闘不能になってしまった。
「あの〜〜〜〜、やっぱりやる気?」
クラウドがやられたというのに、ザックスはまだしぶっている。
「当然です。本気でかかってこないと死にますよ!!」
モンスターは次々に強力な攻撃をしかけてきた。とりあえずケアルでなんとかこらえたが、いつまでもそうしているわけにもいかない。クラウドを起こしたところでどうせ攻撃役はできないだろうし、セフィロスはマスタートンベリの相手で手一杯だ。
「これだけの美人になら殺されてもいい−−−−なんてのは言葉のあやで、ほんとーにそんなことになったらマヌケだよな・・・・・・・・・・・・・」
 やっぱり俺がやるしかないのか・・・・・・・・・と遅ればせながらバスターソードをかまえたその時。
 不思議なオーラがザックスを包んだ。
「な・・・・・・・・・なんだ!?」
リミットブレイクした時に感覚が似ているが、それとはどこか違う。力がみなぎり、HPの最大値までが一時的に増えたようだ。その上バーサクモードに入り、パワーアップ!まるでヴィンセントのリミットブレイク状態である。
「−−−−あのバカ、やっとやる気になったのか」
しかし、HPの限界をかえりみず戦っているザックスに不安を感じ、セフィロスはトンベリの攻撃のすきをみてクラウドにアレイズをかけた。クラウドは、人が変わったように美人相手に戦っているザックスの姿に自分の役目を思い出し、必死にザックスの回復をし、援護する。
 やがてポーランサリタは力を失い、膝をついた。
「くっ・・・・・・・・・・・。やはりあなどれない人のようですね、あなたは。いいでしょう。あの御方のところにおいでなさい。それだけの力がある人ならば、あの御方もよろこんで相手をしてくださるでしょうから」
そう言い捨てて、モンスターは姿を消した。マスタートンベリたちと共に。
「−−−−なんとか勝てたようだな、ザックス」
「せんぱいってやっぱりすごいです〜〜〜。さすがはソルジャー!−−−−って、先輩、どうしたんですか?」
「俺・・・・・・・・・」ザックスは呆然と立ち尽くしていた。「俺、どうしちゃったんだよ〜〜〜〜〜!あんな美人相手に本気で戦うなんて〜〜〜〜〜〜!!!」
「まだそんなことを言ってるのか、おまえは〜〜〜!」セフィロスはまた、どこからか持って来たはりせんでかなり強烈にザックスをどついた。「美人だろうがブスだろうが敵は敵だ!いつまでもバカなことを言っているようなら、オレたちはこれで帰るぞ!!」
「わ、悪かったよ、セフィロス。反省してるから俺を見捨てないでくれよ。−−−−でも、本当になんか変だったんだよなあ・・・・・・・・・・・」
 あの力はすでにザックスの体から消えてしまっていた。あの感覚・・・・・・・・リミットブレイクしたわけではない、魔法を使った時とも違う・・・・・・・・・・。いったい、何が起こったんだ・・・・・・・・・・?
 なにげにポケットにつっこんだザックスの手に、4つのクリスタルが当たった。取り出してみると、暗い中で今までとは違う不思議な光を放っている。
 まさか、クリスタルの力・・・・・・・・・・?
 ザックスは以前、チョコボスクエアでレースに出た時のことを思いだした。−−−−そう言えば、あの時も、水のクリスタルがこんな光を放っていた。あれも、そうだったのか・・・・・・・・・・・?
 俺は自分の興味本位で黄金のチョコボを探しているだけだ。それなのになぜ、クリスタルがこんなことをする・・・・・・・・・?
 クリスタルたちも、俺に黄金のチョコボを探して欲しいのか?だけど、なぜ?
「・・・・・・・・・・・・・わからん!俺、考えるの苦手なんだよ〜〜〜〜!!」




×××××




(ぴっぴっぴ・・・・・・・・ぷるるる)
「もしもし・・・・・・・・・・・・・・・・エアリス?」
『ザックス?どしたの?今日はいちだんと元気がないけど』
「うん、ちょっと熱っぽくてさ・・・・・・・・・・・・・・」
『だいじょぶ?無理してるんじゃないの?』
「心配するな、エアリス。ただの知恵熱だ」
『あれ?セフィロスさん??』
「い、今のはなんか混線しただけだろ!?心配するようなことはなんにもないよ。とにかくセーブしといてくれよ。今はジュノンエアポートにいるからさ」
                    −−−−−−−−−−セーブ完了。




Home NovelTop Next