REBIRTH・4章(3)
小高い、視界の開けた丘の上に登り、クリュセは西の空を眺めた。夕日がはるか地平線に沈もうとしていた。 護送機は彼を下ろした後、傾き始めた太陽の方へ飛んでいった。 西には、シティがある。 西へ。 太陽が光だけを空に取り残し地平に姿を隠した時、クリュセは突然山を下り始めた。西日に向かって、まっすぐに。 枝が頬を打つ。脚に蔓がからまる。とげが皮膚を裂く。彼は何も感じていなかった。 森の中は、急速に薄暗くなっていった。 光のある方に。少しでも明るい方に。彼は虫がともしびにひかれるように、弱くなっていく木漏れ日を追った。 陽の光は、さらに弱まっていった。そして、ふっつりと消えた。 自分の手すら見えなくなって、クリュセは我に返った。 彼は空を見上げた。星も月も見えない。濃淡のある影が風に揺らいでいるだけだった。 彼はその場に座り込んだ。 ここはどこなのか。オレは誰なのか。 これからどこに行こうとしているのか。 闇がひたひたと彼を侵し始めていた。 闇から逃れるように、彼は自分の奥深くへと沈み込んでいった。 |
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首が折れそうなほどに、誰かが彼を揺さぶった。クリュセは呼び戻された。最初に感じたのは、噛みきっていった唇の痛みだった。 何度も呼びかけられる彼の名。クリュセはそれに答えなければならない気がして、仕方なく返事をした。その声はすっかりつぶれ、かすれた音をたてただけだった。 目の前の白いものが、サークの顔に変わった。彼はくっつかんばかりにクリュセの目を覗き込んでいた。そして回りにはいくつもの松明と、それを持つ村の男たちがいた。 「生キテタ・・・・・・・・・。息ヲシテイルノニ、オマエノ心ハ、ドコニモナカッタ。体ダケ残シテ、ドコカニ行ッテシマッタノカト、思ッタ」 クリュセは問いかけようとした。ここはどこだ?オレは誰だ?おまえたちはどうしてここにいる? どれも、声にならなかった。 サークは救いを求めるように、仲間たちを見回した。彼らは皆、サークと同じものを感じていた。 それは、ぼろぼろの心を扱いかねる困惑。ほんの少し力を入れそこねただけで、砕け散ってしまいそうな。 サークはクリュセの手をしっかりと握った。身動きひとつせずに、ただてのひらを流れる血のわずかな感触にだけ神経を集中した。 どのくらいたってからか、サークは言った。 「くりゅせ。ナゼ、死ノウナドト考エル?」 オレが自殺する?クリュセはあまりのばかばかしさに笑いだしそうになった。だがサークの思い詰めた表情に、その笑いは表に出ないうちに止まった。 「オマエノ心、スゴク不思議。ドウシテ自分ノ考エテイルコトガワカラナイ?知ッテモ、ドウシテソレガ本当ダトワカラナイ?」 クリュセはサークの手をふりほどいた。もうかまわないで欲しかった。それでもサークはもう一度クリュセの手をとった。クリュセはその手を拒絶できなかった。 サークはクリュセをかつぎあげた。松明を持った男たちが先導して村に向かった。 |
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油皿の小さな火が、洞窟の中に影を踊らせていた。時折、ジリ、とかすかな音をたてる。 クリュセはもう何時間も、黙りこくって火を見つめていた。自分自身の中には存在しないあかりをそこに求めて。 あとさきを考えずに山を下りようとした。あの衝動。 シティがなつかしいとは思わない。だがここにもいられない。ならば、オレはどこに行けばいい? これが死の衝動だというのか? もしそうならば。 炎がまた音をたてて揺れた。 足音が聞こえた。それは洞窟のすぐそばにまで来ていた。 「くりゅせ。マダ起キテイルナ」 クリュセは無言のまま拒否した。誰にも会いたくなかった。 サークはそれを十分すぎるほど察した。しかしあえて中に入った。 クリュセは膝をかかえたまま、サークを上目づかいににらんだ。何一つ受け入れまいとするかたくなな態度に、サークはひるんだ。 クリュセは腕の中に顔をうずめた。サークは油皿をはさんで、クリュセの向かい側に座った。クリュセの心にひきずられるな、と自分に言い聞かせながら。 「少シハ、落チ着イタカ」 落ち着いてなどいないことはわかっていた。だがサークには、それ以外何を言えばいいのかわからなかった。 「くりゅせ。オマエガ自分ノ村ニ帰リタイノナラ、明日ニデモ送ッテイッテヤル。旅ガデキルクライニハケガモヨクナッタ。タダ、オマエノ村ハオレタチガ行ッテハイケナイ所ニアル、ラシイ。ダカラ、近クマデシカツイテイッテヤレナイト思ウガ・・・・・・・・・・」 クリュセは答えなかった。 「くりゅせ。ハッキリ言ウ。オマエ、ドウシタイ」 「ほおっておいて、欲しい」 クリュセはぼそりと言った。 「くりゅせ、デモ−−−−」 「オレを食いたいというのなら、食えばいい。オレはもう、何も考えない」 何も考えない。そう言った時、クリュセは心が急に萎えていくのを感じた。 シティにいた時は、自分の思考能力だけが頼りだった。その能力ゆえに他のすべてを奪われ、残ったのはそれだけだった。 しかしここでは、それすら何の役にもたたない。 シティに帰りたい。ちらりとそう思うこともある。しかし帰ったところで母はもういない。ローワー殺しのレッテルをはられた身では、ローワー区に足を踏み入れることもはばかられる。エリートの暮らしは針のむしろ。 いくら考えても、抜け道は見つからなかった。 −−−−くりゅせ、オマエ、ナゼ死ノウナドト考エル? サークの問いが蘇った。クリュセはその答えを見つけた。 死は万能の解決方法だからだ。 どんな死に方でもいい。サークたちにばらばらに切り刻まれ、食われてもいい。それなら少しは誰かの役にたって死ねる訳だ。そう思ったら、あれほど怖かった死に方も、甘く素晴らしい考えに思えてきた。 急にサークは耳をそばだてた。そしてあわてて出口に立った。しばらく外で声がしていたと思うと、彼は別の男と連れ立って戻ってきた。 クリュセはぼんやりと頭をあげた。 それは青年期を過ぎたばかりの年の男だった。他の男たちよりずっと線が細く、きゃしゃな体つきをしていた。年若いことが一目でわかる外見ながら、同時に老成した印象も持ちあわせていた。その長い髪は、見たことがないほど鮮やかな紫に染められた紐で丁寧に結われていた。 男は火をはさんでクリュセの前に座った。サークはおちつかなげに男とクリュセを交互に見ていたが、男にうながされて隣に腰を下ろした。 「私ハ、フォス。コノ村ノ男長」 男は名乗った。 「・・・・・・・・・オレに、何か用か」 クリュセはなげやりに言った。 「オマエガ誰カ。オマエハソレヲ知ラヌ。私ニモワカラヌ。答ヲオマエト共ニ見ツケル。私ハソレヲ知ル。オマエモ自ラヲ知ル」 「オレは、オレだ」 「ソレハ答デハナイ。オマエハ表ノ心ト裏ノ心ガマルデ違ウ。オマエノ村デハ、皆ソウナノカ?」 クリュセは一瞬言葉に詰まった。そして、言った。 「そうだ」 長はクリュセをじっと見つめた。クリュセは男をにらみ返した。 「くりゅせ。初メニ言ッテオク。我ラハオマエノ仲間ヲ時ニハ、食ッテキタ」 クリュセは身をこわばらせた。 「何年カニ一度我ラノ住ムトコロニ迷イコム、珍シイエモノ。禁断ノ地ノ方カラヤッテクルモノ。私モカツテ一度ダケ、食ッタコトガアル。ズイブン昔ノコト。オマエハソレト同ジ生キ物。シカシ、違ウ生キ物。ソレヲ確カメタイ」 「・・・・・・・・味見して、か?できるだけ楽にやって欲しいな・・・・・・・・・・・・・」 クリュセは覚悟を決めた。 フォスは首を振った。 「くりゅせ。オマエノ仲間ト我ラハ、コレマデ言葉ヲ交ワスコトハナカッタ。オマエノ仲間ハ、心ヲ交ワス術ヲ持タナカッタ。我ラノ姿ハコレホドニ似テハイテモ、オマエノ仲間ハ我ラニトッテ、他ノエモノト同ジダッタ。シカシオマエハコウシテ我ラト話ヲスル」 「オレがあっさりと殺されていたら?そんなことわからずじまいになったはずだ」 「ソウカモ知レヌ。ダガ、オマエハ生キタ。ソシテ、オマエハオマエノ意志デモッテサークヲ救ッタ。ソレユエ、オマエハ今ココニイル。私ハソノ心ヲ信ジル。私ハオマエニ問ウ。オマエノ望ミ。オマエガ求メルモノ」 「そんなことを、オレに訊くな!」クリュセは叫んだ。「望んでも、何一つ叶うことはなかった。オレが望むもの?そんなものくそくらえだ!オレに選択の余地がいったいどれだけあると言うんだ?オレはいったい何を決めればいいんだ?!」 「くりゅせ。オマエガ欲スルモノヲ心カラ望メ。ササヤカナ、シカシ手ノ届カヌトコロニアルモノ。オマエハ求メル。オマエガコレマデ生キタトコロデハ得ラレナカッタモノ。オマエガ大地ト共ニ生キルニフサワシイ者ナラバ、望ミガ叶ウコトモアロウ」 「長!」サークはとびあがった。「ツマリ、くりゅせニ、ココニ住メ、ト?禁断ノ地カラ来タ者ニ?」 「フサワシイ者ナラバ、ト言ッタ。くりゅせガ大地ノ言葉ヲ聞ク耳ヲ持ツ者デアリ、マタ、くりゅせノ望ミガ大地ノ平安ユエニ叶エラレルモノデアルコト。私ハ、ソレヲ望ム」 「デモ、長・・・・・・・・・!くりゅせハオレタチト全然違ウ暮ラシヲシテキタ。ソノヨウナ者ガ・・・・・・・・・!」 フォスはサークをたしなめた。 「サーク、オマエハくりゅせヲ食オウトシテ、ソレヲ得ナカッタ。くりゅせハ自分ヲ食オウトシタ者ヲ助ケタ。コレハヒトツノシルシ。ソウデハナイカ?」 最後の言葉は、自分に向けられたようにクリュセは思った。 フォスはゆっくりとクリュセに向き直り、両手を差し出した。 「長ハ、語リ部。我ラノ先祖ガ多クノ命デモッテ大地カラ得タ言葉ヲ伝エル者。受ケ入レヨ、くりゅせ。ソレハ、オマエガ帰ルベキトコロ」 クリュセは両手を握りしめた。請われるままに手を出せば、取り返しのつかないことになりそうな気がした。 「くりゅせ。手ヲ」つきはなすようにサークが言った。「少ナクトモ、答ハ与エラレル」 サークの言葉に動かされ、クリュセはおそるおそる手を伸ばした。 ただエサを与えられるだけの暮らし。いつまで生きられるか、それだけを考える、びくびくした毎日。それになんらかの区切りがつけられるのなら、その結果がどうなってもいいじゃないか。彼は自分にそう言い聞かせた。 フォスはクリュセの冷えきった両手を握った。優しく、いとおしむように。 ごわごわした、しかし暖かい手。その感触に、クリュセは気持ちがだんだん落ち着いてきた。 ないだ心に、いきなり大きなうねりがなだれこんできた。感電のような衝撃。クリュセは声にならない悲鳴を上げた。目が回った。上に吹き飛ばされているのか、下に突き落とされているのかわからない。もの凄い力の渦に体がずたずたになりそうだった。 |
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何の前置きもなく、渦はぴたりとやんだ。 クリュセはうっすらと目を開けた。 彼は羽のように宙に浮いていた。下には、緑の大地が広がっていた。青くうねる草原。山々。うっそうと生い茂る森。見たことのある光景だった。どこでだったか、まったく思い出せなかった。ただよっているうちに、彼はその中にひとりの人間を見つけた。どこに向かっているのか分からず、ただ歩き続ける者。それは彼自身だった。クリュセは下に広がる光景が何なのかやっと理解した。 今の大地の姿。 大地のそこここに、動物たちの姿が浮かび上がった。のんびりと草を食む草食獣。それを狩る肉食獣。逃げきれずに食われる者。獲物を取り逃がし、空腹を抱えたままむなしくさまよう者。きびしい現実。そしてそれに負けない力強さ。そのすべてを包み込む、何かを彼は感じた。たとえて言うならば、大きな手。 目まいはおさまってきた。足が地につかない不安感を忘れかけた時、クリュセはいきなり地面に叩きつけられた。 再び目を開けた時には、草原はどこかに消え失せていた。 風景は岩がごろごろする不毛の地に変わっていた。クリュセは石をひとつひろいあげてみた。自然の石だと思っていたもの、それは彼には石よりもずっとなじみぶかい、コンクリートの破片だった。 そこは廃墟と化した街だった。打ち捨てられた建物がどこまでも続いていた。完全な廃墟ではなく、薄暗い街のところどころに明かりがともっていた。 クリュセは人を探して歩き始めた。肉体は存在感を失い、自分のものではなくなってしまったようだった。心が遊離しそうになりながら、彼はそろそろと前に進んでいった。 ビルの陰で、誰かが動いた。急いで追おうとしたが、体がついていかなかった。彼はかなり遅れて、角を曲がった。 新たな光景が、そこに広がっていた。メガロポリス。整然と輝く街並み。巨大なガラス張りのビル群が彼を見下ろした。威圧感に、息が苦しくなってくるようだった。 その息苦しさが本物だと気づくのに、たいして時間はかからなかった。気のせいくらいに思っていた異臭が、たまらないほどに強くなった。クリュセは咳きこんだ。のどがただれ、痛んだ。 ビル群はすすけて光を失い、空は薄墨を混ぜたように濁っていった。 足元でかさこそ音がした。下を見ると、きっちりと舗装され、固められた街路のあちこちを大量の紙やビニールのくずが舞っていた。彼は足元にまとわりつくゴミをけとばしながら先に進んだ。痛みで目が見えなくなりかかっていた。 ゴミの無機質な音が、人の足音に変わった。クリュセはしみる目をしばたたかせた。 彼を大勢の人間が取り囲んでいた。その誰もが青ざめ、やせこけていた。死体が動いている、クリュセにはそう見えた。彼はあとずさり、別の人間にぶちあたった。その人間は彼の肩をつかんだ。クリュセはとっさにその手をひっぱたいた。回りの誰もが、救いを求めるように彼においすがった。やせおとろえた何本もの腕が次から次へと彼にすがりつき、まとわりついた。彼は狂ったようにその手を払いおとした。しかしアリのように手足にはいのぼってくる人間たちを振り切ることはかなわなかった。 やめてくれ!クリュセは叫びたかった。だが彼は片手を宙にただよわせるのが精一杯だった。死に絶えようとしている人間たちは彼の体から自由を奪った。そして彼をまきぞえにして、大地に崩れ落ちていった。 抵抗することなど不可能な、巨大な力が人間たちの上に存在した。それを生み出しているのは人間たちであり、それに耐えきれず押しつぶされて消えていこうとしているのも、同じ人間たちだった。 クリュセは理解した。 目の前に広がるのは、一万年前の地球。 そして、彼らは、サークたちは、子孫なのだ。文明が長い眠りにつくことを選んだ時、地上に取り残されてしまった人々の。 |
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どのくらいしてからか、引きはがされた意識は解放され、クリュセの中に戻った。彼はフォスの手を痛いほどに握りしめていた。彼ははじけるように手をひっこめた。 あの光景を、クリュセは忘れてしまいたかった。だが夢か幻覚だと済ませてしまうには、あまりにも生々しかった。異臭ややせさらばえた手の感触が身体中に残っていた。 「くりゅせ。コレハ、大地ノ記憶。我ラノ先祖ニナイガシロニサレタ、大地ノ悲シミ。遠イ遠イ昔、我ラハ心ヲ失イ、タダ欲望ノタメダケニ生キタ。大地ハソレヲ忘レナイ」 「オレには・・・・・・・・・・」 「我ラモ、忘レテハナラナイ。大地ノ偉大サヲ。我ラガ大地ノ心ニ適ウ限リ、大地ハ限リナク優シイ」 「オレには、わからない」 「くりゅせ。心カラ望メ。大地ノ平安ヲ。ソレガオノレノタメデモイイ。大地ノ平安ガアッテコソ叶ウコトノタメナラバ」フォスは小刻みに震えるクリュセの腕に触れた。「オマエハキットワカル。オマエハ、ワタシガ伝エウルコトヲスベテ受ケ取ッタ。シバラク心静カニ考エレバヨイ。ソレデモモトイタトコロヲ選ブノナラバ、大地ノ声ガ聞コエヌノナラバ、二度ト引キ留メハシナイ。オマエト我ラハ、交ワルコトガ許サレナカッタ。タダソレダケノコト」 「オレには、・・・・・・・・・わからない!」 クリュセはこぶしを火皿に叩きつけた。油が飛び散り、真っ暗になった。 「出ていけ、もうほっといてくれ!オレに・・・・・・・・・かまうな!」 一瞬にして与えられた大量の時間。その中でクリュセはもがいていた。 どんな基準も、どんな価値も、何一つ形あるものは存在しない。混沌。それが彼の心を飲み込んだ。 そして内も外も、彼の全身を切り刻んだ。 意識が混濁し、再び鮮明になる。その繰り返しのなかで、ずたずたになった心に何かが形づくられていくの彼は感じた。だがその動きはあまりにも遅く、はっきりとした形ができあがる前に命が尽きてしまいそうだった。その恐怖にのたうち、あえぎながらも、彼はそれを拒絶できなかった。そしてただ飲み込まれ、自分自身が失われることも許せなかった。 |
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気がついた時には、あたりは明るくなっていた。日の光が洞窟の奥の方までほんのりと照らしていた。 体中すりきずだらけ、砂まみれだった。口の中もじゃりじゃりして気持ちが悪かった。クリュセはつばを吐き捨てると、ぼーっとしたまま外にはい出た。 サークが眠りこけていた。声をかけると、彼はびくっとして目を覚ました。 サークはしげしげとクリュセを見つめた。心の中までまさぐるような視線。しかしそれをクリュセは不快に思わなかった。サークのばくぜんとした不安、それを彼は受け止め、自分の中でつつみこみ、消し去った。 緊張しきったサークの頬がゆるんだ。彼は押さえた笑いを、ふともらした。そしてそっと手をのばし、クリュセの頬にこびりついていた砂をはらった。 サークはすっくと立ち上がり、言った。 「長ノトコロヘ行ク。ツイテコイ」 クリュセはサークと一緒に村へと降りていった。それが一番自然なことに思えた。 |