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SECOND MISSION〜Final Fantasy VIII・IF〜

〜ルナサイドベース・5〜




「エル、ホントごめんな〜〜〜。おまえのためにとった休暇、全部パーにしちまってさ」
ラグナは基地外活動の準備をしながら、そばで見学しているエルオーネに言った。
 あれから2日。キャンセルできる仕事はすべてキャンセルし、必要なものもとっととかたづけ、残すはアデルの封印チェックのみ。滞在予定を1週間以上短縮して、その夜のうちには地上に帰還することになっていた。
「何言ってるのよ。やっぱりこのくらいでなくちゃ。私、ラグナおじさんがあのままスコールに会いたくないなんて言い出したりしたら、首になわつけてひっぱっていこうかとも考えてたのよ」
「なわつけないで済んだんですか?なんだ、お手伝いしたかったな」
スタッフがつっこむ。
「おい・・・・・・。おまえら、オレを誰だと思ってんだよ?目上の者に対する畏敬の念ってヤツの持ち合わせはねえのか?」
「ありますよ。こんなにも尊敬の念で満ちあふれているのが見えないんですか、大統領閣下?」
彼はしらじらしく答えた。
「ね、私もスコールたちに会わせてくれるでしょ?あの子はもちろん、他のSeeDもみんな私の弟や妹みたいなものだもの。楽しみにしててもいいわよね?」
「もっちろん!どのくらい時間がとれるかはわかんねえけど、少しくらいはなんとかなるだろ」そしてラグナはふいにニヤリとした。「あいつ、いちおうオレのこと知ってるとは言ってもそれは昔のことだけで、今オレがなにやってるかまでは知らねえんだろ?もしかしたら名乗りでらんないかもな〜〜と思って地上の連中にはオレのこと黙ってろって言っといたけど、これはこれでよかったな。せっかくだからイキナリ出てって驚かしてやる」
「何考えてるんですか、あなたは。息子さんに嫌われても知りませんよ」
「ほんとにそうよ。スコールはおじさんと違って、冗談の通じないまじめ一辺倒の子なんだから」
エルオーネはあきれて言った。
「んなこと言ったって、オレはこーゆーヤツだもんな。あいつとはこれから長いつきあいになるんだ。最初だけとりつくろったとこであとがもたねえだけだぜ?」
「それもそうね」彼女はくすりと笑った。「あんなところやそんなところを見られたあとでは、いまさらよね」
「−−−−って、あいつにナニ見せたんだよ。オレにとっちゃ20年近く前の話だから、いつ『妖精さん』が来たんだか、あんまし覚えてねえんだ」
「知〜〜らない」
彼女はその中でも特に情けなかった時の光景を思い出して、ついふきだした。
「・・・・・・・・・・フン」
細かいことまで無理としても、だいたいはラグナだって覚えていた。
「とにかく、だな。もしおまえの方が先にスコールに会うことがあっても、ぜ〜ったい黙ってろよ。いいな?」
「うん・・・・・・・・・」エルオーネは突然思い詰めたように言った。「・・・・・・・・・ねえ。ママ先生には、会えるのかな・・・・・・・・・・」
「イデアに、か」ラグナの顔からも笑みが消えた。「そいつはたぶん無理だ。今でこそ『ガルバディアの魔女』の凶悪さは消えてるようだが、だからと言って、将来も−−−特におまえに対しての、危険がなくなったわけじゃない。イデア本人もそのことをわかってるから、自分の魔力を封印して欲しいって言ってきたんだと思う。スコールたちを連れてきたのも、自分がまたなにかやらかしそうになったら、力づくでそれを止めてもらうためだそうだ」
エルオーネは青ざめた。しかし、こんな大事なことをごまかしてみたところで彼女のためにはならないからと、ラグナは続けた。
「イデアの魔力封印レベルの決定は、オダインたち専門家にまかせる。それは、バングルとかの封印アクセサリ程度で済むかも知れないが、アデルにほどこしたような生命活動停止寸前の、最高レベルのものになるかも知れない。と言うか、その可能性が高い。そして、どんな結論が出ても、オレはそれを承認する。それがオレの、エスタ市民に対する責任だから。−−−−それは、わかるな?」
「うん・・・・・・・わかってる」
ラグナはかすかにほほえむと、続けた。
「だけど、最悪でも殺すことだけはない。あれがイデアの本当の姿じゃないんだろ?ああなったことに何か理由があるというんなら、その原因をとりのぞけば封印を解くことができる。生きてさえいれば、いつかは会える。少しでも早くそうなるようにするよ。それだけは約束するからさ」
「うん」
エルオーネはにこっとしてうなづいた。
「おし、いい顔だ」
ラグナはそう言うと、宇宙服のヘルメットをかぶった。スタッフが装着の具合を確かめる。
「どうだ?似合うか?」
「ええ、とっても。それだけ顔がはっきりわからなきゃ、誰だってかっこよく見えるわよ」
「エル、おまえさあ・・・・・・・。ウソでもなんでもいいから、おせじのひとつも言ったらどうだ?」
「だって、本当のことだもの。おじさんにうそついてもしかたないでしょ?」彼女はけろっとして言った。「でも、いいな。私も基地の外に出てみたい」
「そいつはいくらおまえの頼みでも聞いてやれねえな。基地外活動は危険なんだ。オレだって、訓練はきっちりやってるんだぜ。ま、どうしてもって言うんならまずは訓練を受けさせてやらんこともないけど、しんどいぞ〜〜〜」
「う〜〜ん・・・・・・・。そんなに難しいことなの?」
「とーぜんだろ。自分の命が自分自身の判断ひとつにかかってくるんだからな。−−−−それが本気か軽い気持ちで言っただけかはともかく。なんかやりたいって思うのはいいことだよな。毎日家虫してんのもタイクツだろ?これからのことも考えなきゃならないしな。なんか本当にやりたいこと、勉強したいことがあるなら遠慮なく言えよ。それがモノになるかどうかはおまえ次第だけど、最初の一歩を踏み出す手伝いくらいはしてやるからさ」
「うん・・・・・・。考えておく」
「準備OKです。いつでも行けます」
すべてのチェックを終え、スタッフが言った。
「あいよ」ラグナは答えた。「んじゃ、ちょっくら行ってくるな、エル。この仕事が終わったら帰るから、まだここでやっときたいことが残ってるんなら今のうちにやっとけよ。次はいつ連れてきてやれるかわかんねえからさ」
 ラグナはそう言うと、同行者ふたりと共にエアロックへ、そして空気も重力もない宇宙空間へと泳ぎ出していった。



×××



 エルオーネはちょうどアデルが見える方向の窓辺に立ち、少しずつ小さくなっていくラグナの姿を目で追った。
 そして、さっきの彼の問いかけのことを考えた。
 私のやりたい、こと。
 ウィンヒルに帰って、レインのようにお店を持つか、花の加工品でも作るかして、静かに暮らせたら・・・・・・・。
 将来というものを考えられる年齢になった頃からばくぜんと抱いていた願い。
 だが、いつまで続けなければならないのかわからなかった船での生活の中でその光景は未来への夢になることはなく、まるで過去の思い出のように彼女の心の奥底にぽつねんと置き忘れられていた。しかし、彼女が隠れるようにして暮らさなければならなかった理由−−−イデアが言っていた魔女の脅威がはっきりと見える形になったことでかえって、これからあるかも知れないこと、叶えられるかも知れない夢としてとらえることができるようになった。
 でも、とエルオーネは思う。
 私がウィンヒルに帰ることになったとしたら、その時ラグナはどうするんだろう?
 ラグナは、レインのいないウィンヒルに帰りたいと思ってるんだろうか。たとえ帰りたいと思っていても、村の人たちが受け入れてくれるんだろうか。あの頃でさえ、ただよそ者だというだけで、彼はほとんどの村人に嫌われていた。今ではなおのこと・・・・・・・。
 それにひきかえ、エスタではみんなに慕われ、彼もとても楽しそうにしている。ここにいる方が、彼にとっていいことかも知れない。
 ラグナがウィンヒルに帰らないのならば、私だけ帰っても意味がない。だったら私も、エスタでやりたいことを見つけなきゃね・・・・・・・・・・。
 彼女の物思いを邪魔するように、あわただしい足音が近づいてきた。ピエットだ。
「あ、エルオーネさん、大統領は?!」
「え?今、あそこにいますけど」
彼女は窓の外をさした。
「あ〜〜、しまった!もう外へ?!」
「あの・・・・・・・・・・。どうかしたんですか?」
「え、と、それが、ですね。地上からポッドが到着しましてね。交代要員が来るのは予定では3日後なんですが気象条件によっては多少前後することがあるものでそのつもりで搭乗員の覚醒を始めてあと少し−−−−いや、途中の話はどうでもいい、つまり、乗っていたのは、大統領の息子さんなんですよ!!」
「スコール?!スコールが来たんですか??」
「そうなんですよ。それで、急いでお知らせしようと・・・・・・・・・。しかたない、すぐ伝令を出して戻っていただきます!」
「あの、それはちょっと待ってください」エルオーネはふと思いついて言った。「ほっといても2時間かそこらで帰ってくるんだから、急いで呼び戻すこともないんじゃないかしら?」
「え、しかし・・・・・・・・・」
「会った時にびっくりするのはスコールだけなんて不公平だわ。ラグナおじさんもまさかあの子がここまで来るとは思ってないだろうから、いきなり会わせて驚かせましょうよ」
「はあ・・・・・・・・・・」
「だからピエットさんも、大統領の正体はスコールにはないしょにしておいてください。ね?」
「・・・・・・わかりました。じゃ、そのようにします」
ピエットはすっかり気が抜けた様子で、仕事場に戻っていった。

×

 宇宙空間には気持ちのいい孤独がある。聞こえてくるのは、自分の呼吸の音だけ。考えごとをするのに、これ以上いい場所はない。
 ラグナが今思うのは、エルオーネのこれからのこと。
 隠れている場所がSeeD船からエスタに変わっただけ、こんな状態がいつまで続くかはわからないが、永遠にこのままということはない。そんなことには決してさせない。そして、いつか日常を取り戻した時、エルがすんなりとその中に入っていけるように、今のうちから考えてやらないと。
 長い間あの子には縁のなかった、普通の暮らし。
 自分の身を守るためだったとはいえ、自由のなかった生活の中で、未来に夢を見ることを忘れてきてしまったんじゃないかと感じることが時々ある。まだそんなにいろいろと話をしたわけではないから、確信とまでは言えないが。
 ただ−−−故郷の村に帰りたいとは思っているらしい。
 そうだな。それもいいよな。ウィンヒルに帰して、店でも持たせてやれたらいいだろうな。もともとウィンヒル生まれのあの子ならば、村の人たちもきっと温かく迎え入れてくれるだろう。そして平凡な、平凡だからこそ幸せな暮らしを取り戻して。オレはたぶん無理だろうが、あの子だけでもまたウィンヒルで暮らせれば・・・・・・・・・・・。
 ふと淋しい想いが胸をよぎったにもかかわらず、ラグナの顔には笑みが浮かんだ。
 こんなふうに、これからのことで悩めるってのもひとつの幸せ、か。今までは過去を清算するためだけに生きてきたようなものだから。
 エルオーネにはまだまだしてやれることがたくさんある。スコールのことでも、父親らしい悩みのひとつやふたつ、持てるかな?
 レインに『会いに』行くまでは不安でしかなかったことすら、今では楽しみに変わっていた。
 アデル・セメタリーに近づき、アデルの表情までわかるようになったところでラグナの思いは今この瞬間に引き戻された。
 彼はゆっくりと、アデルのそばへと漂っていった。
 10年前エスタを飛び出して行ったあとも年に2、3度は必ず帰り、そのたびにここまでやってきた。万が一アデルの封印が解けることがあれば彼女の怒りはエスタや世界にはもちろん、まっさきにラグナに向けられるだろう。
 彼には封印法の理論はまるっきりわからない。そして、アデルの復活を望まないのは誰も同じだ。だから担当者にまかせておけば大丈夫だとはわかっていても、時々は自分の目で確かめないと落ち着けなかった。
 そしてこの時も間違いなくアデルの時間は止まっていた。彼女は17年前のあの瞬間に浮かべた驚愕と激怒の表情のまま、ラグナを見返した。
 −−−−そんなツラすんなよな。オレは、あんたが憎くてこんなことをしたんじゃあない。ただ、オレにとって大事なものを守ろうとしただけだ。そして、守れたものもたくさんあったが・・・・・・・・失ったものも少なくはないんだ。
 スタッフが宇宙服の腕ポケットからチェックシートを出した。それに従ってセメタリー本体の監視パネルに表示される数値をチェックする。それが許容範囲内におさまっているということはアデルが外界から完全に遮断されていることと同時に、彼女が生きていることをも指し示す。
 これまでずっと先延ばしにしてきた疑問がまた頭をもたげる。アデルをいつまでもこのままにしておいていいものだろうか−−−−−?
 この答はいまだ見つからないまま、今はただ異常がないことを確認するしかなかった。
 チェックが半分ほど済んだところで、セメタリーの破損の有無を調べていたもうひとりがラグナの肩を叩いた。そして、基地の方をさした。
 彼はその方向に振り向いた。基地から規則正しい光が発せられていた。緊急帰還信号だ。他の任務で外に出ていた数人のスタッフが基地に戻り始めているのも見える。
 何があった・・・・・・・?ラグナは身振りで他のふたりに問いかけたが、彼らも知るはずがなかった。彼らは急いで基地に戻るよう促した。ラグナはうなづくと、どこまでチェックを済ませたかだけを頭に入れ、基地の方に向かった。
 その途中、ラグナはなんとなくアデルの方に目を向けた。月がセメタリーを包み込むように漆黒の宇宙に浮かんでいた。
 その表面は、どす黒く変色していた。



×××



 ルナサイドベースの中ではサイレンがけたたましく鳴り響いていた。ラグナは宇宙服を脱ぐ暇も惜しんでオペレーションルームに駆け込んだ。
 室内は騒然としていた。必死の形相でキーボードを叩いている者、大声で叫んでいる者、そして、床に倒れて傷の手当を受けている者も何人かいた。
「おいっ!どうしたんだ?何があったんだ?!」
「大統領?!」チーフスタッフが振り返った。「アデルの封印が、封印・レベル1が解除されてしまったんです!!」
「な・・・・・・・・!?」
「見慣れない少女が夢遊病のように入ってきて、ここの封印のスイッチを・・・・・・・・・!」
「ばかやろう!なんで止めなかった?!」
「止めようとはしたんです!しかし、得体の知れない力ではじき飛ばされて、その女の体に触れることすら・・・・・・・・・・・」
その言葉に、けが人がいる理由をラグナは悟った。
「その女はどうした?封印システムの再起動は?!」
「スイッチが破壊されていてすぐには修復不可能です!その女はスイッチを破壊するとここから出て−−−−−」
もしかして・・・・・さっきのがそうか??
 レベル2のスイッチはセメタリー本体にある。アデルの封印を完全に解除するためにはそこまで行かなければならない。そして、基地に戻る時、エアロックのところで彼は誰かとすれ違っていた。
「−−−−−−−くそっ!」
ラグナは部屋から飛び出して行こうとした。それをスタッフが悲鳴にも似た声で止めた。
「だめです!今から外に出るのは危険です!月の涙が−−−−−−!!」
 モニターには月の表面が大写しにされていた。そこでは、どす黒いかたまりが今にもはじけんばかりに渦を巻いている。
「どういうことだよ!こうなるのはまだ30年は先の話じゃなかったのか?!」
「ほんの20分ほどでこの状態になったんです。まったく前兆がないなんてことは過去の記録にはありません。何か想定外の事態が起こったとしか−−−−−−」
「軌道計算結果、出ました!」ひとりの女性スタッフが叫んだ。「落下予想地点、ティアーズポイント!」
解析データが瞬時に画像に変換され、モニターに映し出された。
「おい・・・・・・こいつは、アデル・セメタリーをぶっ飛ばしていくんじゃねえか?」
「はい、確実に月の涙に巻き込まれます。ルナサイドベースも、直撃はないでしょうが、余波のために相当の被害が予想されます!」
そんなことは科学には素人のラグナにも容易に想像できた。
「総員緊急避難!急げ!!」
「了解!」
 基地中のスピーカーから避難勧告が流れる。それと同時にラグナはオペレーションルームから飛び出した。
「大統領、どちらへ?!」
「決まってるだろが!」
 スタッフたちはあわてふためきながらもどこか整然と避難を始めていた。それをかいくぐってラグナは居住スペースへと走った。しかし宇宙服がじゃまで思うように動けない。
「あちらにも脱出ポッドはあります。お嬢さんのことなら大丈夫−−−−−」
「んなこと、自分の目で確かめなきゃ信じられん!」
突然、窓の外が奇妙な光で満たされた。彼は思わず足を止め、そちらに目をやった。
 月の表面にできた巨大な動く山、その頂上がはじけるように破れた。そこからモンスターが吹きだし、宇宙空間を切り裂いた。
 月の、涙・・・・・・・・・!
 時をおかず、衝撃がルナサイドベースを襲った。基地の外壁に衝突したモンスターの血肉が窓の表面に飛び散った。
「時間がありません、あなたも早く−−−−−!」
「ばかやろう、なんにしてもこのオレがまっさきに逃げるわけにゃいかねえだろが!おまえらこそ、さっさと逃げろ!!」
「こんな時にそんなこと−−−−−」
第二波の衝撃に基地全体が激しく揺れた。ラグナの体が一瞬宙に浮いた。そして次の瞬間、彼は通路の壁に叩きつけられた。
「だ、大丈夫ですか?!」
「だい・・・・・・・・・・」
大丈夫だ、そう言おうとした時、肩に激痛が走り、それ以上声が出せなかった。額が切れて、血が流れだしたのも感じた。彼はなんとか立ち上がったが、めまいで足元がふらついた。額の血がヘルメットのせいでぬぐうこともできず目に入り、視界がぼやけた。
「だめです!これ以上無理しないで!早く!!」
かすむ目に、宇宙服を着た誰かがエアロックの方から出て来たのが見えた。
「おいっ、そこの!!」ラグナは叫んだ。「エルオーネを・・・・・・・・・・エルオーネを、頼む!!」
その誰かはしっかりとうなづくと、居住スペースへと走り去った。
「さ、急いで!!」
SPはラグナをひきずるようにして避難を始めた。抵抗しようにも気分が悪く、体の自由がきかなかった。彼はどうにもできないまま脱出ポッドに押し込まれた。
 定員いっぱいに乗り込むとポッドは自動的に地上に向けて射出された。
 エルオーネ・・・・・・・・・・エルオーネ!!
 振動音が狭いポッド内にこだまする。
 ちくしょーーーーーーーーー!!!
 大気圏突入。
 その衝撃に耐えきれず、ラグナは気を失った。




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