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SECOND MISSION〜Final Fantasy VIII・IF〜

〜デリングシティ・4〜




 太陽が西の地平に落ち、代わりに月が晴れた空に輝き始めた。
 パレード見物の人の数は、さらに増えていった。予定コースの沿道はほぼ人で埋め尽くされた。
 表通りから少し入った路地裏で、ラグナたちはそんな人の波を眺めていた。
 ティンバーからの電波放送が不測の事態で中断したあと、魔女の演説は結局放送されることはなかった。その後どんなメディアでも、イデアの姿は公開されなかった。ガルバディア政府は、魔女の存在を明らかにしただけで十分と判断したらしい。そしてその沈黙は、国外の人々の不安と困惑をかえって強めていた。
 それに反してガルバディア国内では、魔女への期待が高まっていた。今度の魔女は敵ではない。味方だ。魔女とともにガルバディアはさらなる発展をとげるのだ。そんな政府の宣伝が功を奏してか、若者を中心に、魔女を支持する空気が広まっていた。
「魔女・イデア、ね・・・・・・」ラグナはカーウェイからもらったイデアの写真に目を落とした。「それにしても美人だよな〜〜〜。アデルとは大違いだぜ」
「・・・・・・・・・・・・」
「そんなことはともかく」キロスは話を大事な点に引き戻した。「この作戦、成功すると思うか?」
「さあな」ラグナは肩をすくめた。「イデアってのがどの程度の魔女なのかもわかってないんだから、んなことなんとも言えねーよ。それに、ここであーだこーだ想像したってしゃーねーだろ?もっと早くにこのことがわかってりゃオダインじいさんに相談するとかなんとかできたかもしんねえけど、今となっちゃあ、オレたちになんかできるのはコトが終わってからだ。成功にしろ失敗にしろ、な。今日のところはカーウェイとヤツが雇ったSeeDにまかせてオレたちは、明日から何をやるかを決めるために見るべきものを見ておくだけだ」
「非常に投げやりな意見だが、間違ってはいないな・・・・・・・・確かに」
「だろー?そーゆーことで、せっかくの特ダネをもらう機会だ、がんばって決定的瞬間をばっちりカメラにおさめよーぜ」
「そうだな」
 ラグナはイデアの写真を胸ポケットにしまいかけた。が、ふと思いついてその写真をキロスたちの方に向けた。
「なあ・・・・・・・・・。おまえら、この顔に見覚えねえか?前、どっかで会ったことがあるような気がしてしょうがねえんだ」
キロスとウォードはあらためて、写真をじっくりと見た。
「・・・・・・・・いや」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・そっか。それじゃ、会ってるのはオレだけか・・・・・・・・。フツーの人間の中でフツーに暮らしてる魔女も何人か知ってるけど、こんな女いたかなあ・・・・・・・・。会ったあとで魔女になったのかな?それとも、気のせいか?」
ラグナはイデアの写真をしげしげと見つめた。そしてしばらく考え込んだ末、頭をがりがりかきながら叫んだ。
「あ〜〜〜、やっぱし思い出せねえ!気のせいじゃなくって、絶対どこかで会ってるんだけどよ!−−−−−まったくもう、トシはとりたくないねえ」
「君の中途半端な記憶力は年のせいではないと思うな・・・・・私は」
「・・・・・・・・・」
「フン、どーせそうですよーだ」ラグナは写真をしまった。「まあいいや。思い出したところでなんか変わるってわけじゃねえし。んじゃ、オレはとりあえずプレス席に行くぜ。セレモニーが終わったらすぐ凱旋門に移動するけど、もしかんじんなトコに間に合わなかったらそん時はよろしくな」
「了解。あとは私たちにまかせて安心して道に迷ってくれ、ラグナくん」
「・・・・・・・・・・・・・信用ないのね、オレ」
 そして3人はそれぞれ人混みの中へと散った。



×××



 大統領官邸付近はすごい人だかりだった。つっこんでつっこめないほどではなかったが、もしこれ以上人が増えたらパレードの先回りをして凱旋門に行くのが難しくなる。ラグナは官邸前広場のプレス席まで行くのをあきらめた。正規の申請では許可されなかったためジュードに頼んで裏から手配してもらいなんとか手に入れた記者証が無駄になるが、しかたがない。セレモニーの取材なんか、どうせ他の連中がやってくれることだ。
 彼は道から少し入った公園の立木によじのぼった。回りにはすでに先客が何人かいた。
 座り心地のよさそうな枝を選んで腰を落ち着け、官邸の方に目を向ける。幸いそこからはバルコニーが視界に入った。双眼鏡を覗いてみれば、細かい表情は無理にしてもある程度の状況は見てとれそうだった。
 あとは、肝心の演説の音声だ。官邸周辺には何カ所かにスピーカーが設置されていて、ラグナが腰を落ち着けたところから少し離れた場所にも一台あった。どこかで設営に失敗していないかぎり、リアルタイムで演説を聞くことはできる。
「めんどーだねえ、まったく。電波障害さえなけりゃ、ラジオか携帯テレビで用が足りるってのにさ」
自分がその原因を作った犯人のひとりだということは棚に上げて、ラグナはつぶやいた。
 やがて官邸の時計が19:00の文字を表示した。
 それとほぼ同時に、ビンザー・デリングがバルコニーに立った。
 そしておもむろに語り始めた。
『親愛なるガルバディア国民諸君!』デリングの声がスピーカーから沿道に流れた。『我らがガルバディアの魔女・イデアをここに紹介しよう。彼女こそ、ガルバディアの栄光とさらなる発展を約束するものである!』
そして簡単にイデアを讃える言葉を述べると、マイクを彼女に譲った。
 魔女・イデアがゆっくりと、バルコニーに姿を現した。
 美しく着飾った彼女は、魔女という言葉のイメージそのものだった。妖艶で、危うい影の入り乱れる光を放つ美女。
 官邸近くの群衆から歓声があがった。その声は波のように回りへ広がっていった。
 その声に応えるように、イデアは口を開いた。
 しかし、スピーカーから聞こえてくるのは見物人の声ばかりだった。
「お〜〜い、ちったあ静かにしろよ。聞こえねーじゃんかよ〜〜〜」
ラグナがぶつぶつもんくをつぶやいたその時、突然はっきりと、低めの女の声があたりに流れた。
『その幻想の中の恐ろしい魔女がガルバディアの味方になると知り、おまえたちは安堵の吐息か?』
 な・・・・・・・・どういうこった??
 彼女の口から出てきたのは、想像していたような甘く味つけされた言葉とはまったく違った。それはデリング大統領にも予想外のことだったらしく、ふたりがバルコニーでもめる姿がかいま見えた。しかし大統領はすぐにイデアにはねのけられて視界から消えた。
 イデアはさらに、みずからを恐怖の存在だと語り、群衆を侮蔑する言葉を吐いた。媚びることなく、とりつくろうことなく、ただひたすら呪わしげな言葉を連ね続けた。だというのに彼女の声は、不思議と魅惑的に耳に響いた。
 イデアは語り続けた。その声は何ものにもさえぎられず、高らかに市街地に響きわたった。それとともに、人々の興奮も高まっていった。
『魔女は幻想とともに永遠に!魔女のしもべたるガルバディアも永遠に!』
そして魔女・イデアは演説を終えた。
 興奮が官邸を包んだ。その波はとどまるところを知らなかった。歓喜・熱狂−−−−それが人から人へと限りなく伝わっていった。人々はイデアを求めていた。たった今、自分たちを屈辱的な立場におとしめたはずのイデアを。
 やがて歓声の中に、かすかに音楽が混じった。パレードの始まりだった。
 ラグナは我に返った。しばらくの間、自分がどこで何をしているのか思い出せなかった。彼は自分の頬を思い切りはたいた。
「ちくしょう、まだ頭がぼーっとしやがる・・・・・・・・・。なんだよ、ありゃ??」
 ラグナは木から飛び降りた。そして人々が目を向けているのとは反対方向−−−−凱旋門の方へと人混みをかきわけ走り出した。



×××



 先にラグナを見つけたのはウォードだった。彼はキロスの肩をつつき、ラグナの方を指さした。
「ラグナくん、こっちだ」
石垣の上からキロスは手を振った。ラグナも上にあがり、キロスの隣に座った。
「迷わずに来れたようだな。まあ、一本道で迷うはずもないか。で、演説はどうだった?ここではまったく聞こえなかったが」
「キロス、ウォード・・・・・・・・・オレ、おかしかねーか?」
「は?君がどこかおかしいのはいつものことだが」
「こんな時にまで冗談はやめてくれよ!どこもヘンじゃねーよな?いつもどおりだよな、オレ??」
「・・・・・・・・・」
「すまない。しかし・・・・・・どこも変ではないとは言い難いな。どうした?何があった?」
「わかんねえ・・・・・・・・。だけど、こんな怖い思いをしたのは久しぶりだぜ・・・・・」ラグナは青ざめた顔でつぶやいた。「イデアは・・・・・・・・あの魔女は、なんであんなに堂々と恐ろしいセリフを吐いた?ガルバディアにとりいって、いったい何をやろうってんだ?だいたい・・・・・・・・集まった連中は、どうしてあんな演説に熱狂できるんだ??それとも・・・・・・・・・・・・」
それとも、これがあの魔女の力なのか?無意味な音の羅列でもなく、うわっつらの意味でもなく、言葉の裏に秘められた魔力。
 ウォードがラグナの肩を軽く叩いた。その大きな手の感触は、彼の高ぶった心を静めてくれた。
「ああ・・・・・・すまねえ。もう大丈夫だ、ウォード」
「それで、ほんとうに何があったんだ、ラグナくん?さっきの君は、あまりにもらしくなかったぞ」
ラグナはだまりこくった。爪をかみ、さんざん考え込んだのち、のろのろと口を開いた。
「・・・・・・・・コトが終わったらゆっくり考えて、それから話す。成功すりゃあ、あれがなんだろうがどうでもいいことだが、もし、失敗したら・・・・・・・・・・・」
ラグナは凱旋門に目をやった。そこにはすでにSeeDの一部隊が待機しているはずだった。
「・・・・・・・・・・・・あんまし考えたくねえな」



×××



 パレードの音楽が凱旋門に近づいてきた。
 ラグナは時計を見た。8時15分前。予定通りだった。
 魔女暗殺−−−−作戦実行の時刻がせまる。
 イデアの力がたとえどんなものでも、勝ち目はある。
 人垣の向こうにパレードカーが見えてきた。8時7分前。
 月の光と灯明がイデアの端正な顔を妖しく照らす。その顔には、まったく表情がなかった。まるでぬけがらのように。
「おい・・・・・・ラグナくん、あれ・・・・・・・・・!」
キロスはラグナの肩をつついた。そして、イデアの隣に立つ白いコート姿の少年に彼の注意を向けた。
「あれって・・・・・・・・ティンバーでデリングを襲ったヤツか?!」
「そう・・・・・・だな」
少年はパレードカーの上から、誇らしげに沿道の人々の歓声に応えていた。
「なんだってよりによってあそこにいるんだ?とっくに処刑されたって話だったぞ?!」
「・・・・・・・・・・・」
 パレードカーはラグナたちの目の前をゆっくりと通り過ぎた。8時3分前。
 魔女とは言っても、元々は人間だ。本来ならば持つはずのない力を受け継いだだけの。
 先導のダンサーたちが凱旋門をくぐり抜けていく。
 油断や混乱につけこめば、十分勝てる。アデルの時がそうだったように。
 8時。
 イデアの乗ったパレードカーがゆるゆると凱旋門の下に入った。
 ラグナはカメラをかまえることも忘れ、その様子を見つめていた。
 車が完全に門の下に入り込んだ瞬間、両側の鉄格子が一気に下ろされた。
 パレードカーの動きが止まった。イデアは立ち上がった。能面のようだった顔にとまどいの色が浮かんだ。
 今だ!撃て!早く!!ラグナは心の中で叫んだ。
 しかし、それ以上のことは何も起こらなかった。
 イデアは何かを感じ取ったかのように、けわしいまなざしを大統領官邸の方に向けた。
 だめだ、失敗だ!今から撃ったんじゃ・・・・・・・・!
 彼女は細い腕をつい、と上げた。そしてその手のそばで何かがはねかえされ、小さな火花だけを残したのが見えた。
「失敗した・・・・・・・・・のか?」
「ああ・・・・・・・・・・」ラグナは呆然とつぶやいた。「こいつは・・・・・・・・・・とんでもないことになるぜ」
 その時、官邸の方で悲鳴があがった。
 逃げまどう人々の群の間から一台の車が飛び出してきた。それは凱旋門につっこんでいくと、鉄格子のすぐ手前で急停車した。そしてそこから、ひとりの少年が降り立った。
 SeeD・・・・・・・・・か?
 少年はパレードカーに飛び乗ると、魔女をかばうようにたちはだかった白いコートの少年をあっさりと組み伏せた。そして、魔女・イデアにガンブレードをつきつけた。
「やめろ!マトモにぶつかっていって勝てる相手じゃねえ!!」
ラグナは叫んだ。そして石垣から飛び降り、駆け出した。
「おい、ラグナくん、どこへ・・・・・・・・・!?ウォード、あいつを止めろ!!」
ウォードはラグナを追い、彼をうしろからはがいじめにした。
「離せ、離せよ、ウォード!!あのバカ、止めねえと・・・・・・・・!!」
「バカは君の方だ!君が行ったからってどうなると言うんだ!?」
「んなこと知るか!!いいから離せってーの!!」
 その間にもSeeDの少年は魔女に立ち向かっていっていた。鍛えぬかれた身のこなしで魔女にガンブレードをあびせかける。
 しかしイデアは何の苦もなくその攻撃をかわした。そして憎々しげな目で少年を見つめた。
「・・・・・・・・・・・・・SeeD」
イデアはつぶやいた。
 彼女は右手を高くかかげた。その指先に霧が集まりだした。その靄は渦を巻き、凝縮し、巨大な氷の剣にと形を変えた。
 そしてそれは、少年めがけて目にも止まらぬ速さで飛んだ。
「やめろーーーーーーー!!」
ラグナが叫んだ瞬間、冷たい刃が狙いたがわず少年の胸を貫いた。彼の手からガンブレードが落ち、少年の体はパレードカーの下へとくずれ落ちていった。
「・・・・・・・・・だから、言わんこっちゃねえ・・・・・・・・・」
ラグナは肩を落とした。
「もういいだろう、ラグナくん?私たちも早くここを離れた方がいい。さあ」
 しかし、もう遅かった。声をかけられ振り向くと、何人かのガルバディア兵が3人をとりかこんでいた。
「おまえたちに訊きたいことがある。軍本部まで同行してもらおう」
「へ?なんですかあ?オレたちはしがない見物人で」
「だったら今の騒ぎはなんだ?イデア様襲撃のことについて、何か知っているのではないか?」
「んなこと言われても・・・・・・・・な〜んも知りませんよ。ただ、見物してたらとんでもないことが始まったんでちょいとばかしもりあがっちゃっただけのことで」
「どちらにしてもついてきてもらおう。本当に何も知らないのならば、拒否する理由はなかろう?」
「ん〜〜〜、それもそうっすね〜〜〜〜〜。それじゃしゃーねーから」
ラグナは頭をかく手を止めると、どなった。
「逃げろ!!!」
そしてラグナ、キロス、ウォードの3人はてんでばらばらの方向に脱兎のごとく走り出した。



×××



 どこをどう逃げ回ったのか、気がついた時にはラグナは、ビルが建ち並ぶ一角にいた。息を切らしながら路地裏に入り込み、山積みになっていた箱の陰に身を隠した。
「ひゃ〜〜〜、マズったなあ・・・・・・・・・。あんなとこであんなに目立つことするなんてよ。やっぱしどうかしてたのかな、オレ?」
 これでガルバディアは魔女の国になってしまった。かつてのエスタのように。
 いや、エスタ以上に悪いことになったのかも知れない。魔女の演説を直接聞いた連中は、その魔力で心を取り込まれてしまったらしい。そいつらが伝道師となって魔女を讃える風潮がガルバディア全土に広がるのは間違いないだろう。オレにしたって・・・・・・・・・。
 そういや、なんでオレはまだマトモにものを考えられるんだ?昔アデルとやりあったことがあるからか?今はもうガルバディアの人間じゃないからか?今ものほほんとデリングシティで暮らしていたら、今頃はオレ自身もイデアのしもべになっちまってたのか?
 こっそり顔を出して、あたりの様子をうかがう。彼を捜しているらしい兵士が表通りを走っていくのがちらりと見えた。
「くっそ〜、しつこいな。いいかげんあきらめてくんねえかな」
ラグナはしかたなしに腰をおろしなおした。
 あのガンブレード使いのガキ・・・・・・・それと、あいつとチームを組んでたSeeDの連中、どうなっちまったのかな?暗殺がもののみごとに失敗して、カーウェイはこれからどうするのかな?狙撃に失敗したら突撃までさせるなんて、オレは聞いてなかったぞ。知ってりゃ・・・・・・・・止めたのにな。
 考えること、知りたいことは山ほどあった。事態は悪い方向に動き出してしまったが、それでもまだやるべきこと、できることはあるだろう。
 だけどそれはすべて・・・・・・デリングシティから無事に逃げ出してからのことだ。
 ラグナはもう一度まわりを見回した。静かだった。そろそろと表通りの角まで行ってみる。そしてそっと顔をのぞかせたとたん、もう一本先の路地裏から出てきたばかりの兵士と目と目が合ってしまった。
「いたぞ!あそこだ!!」
「やべっ!!」
ラグナはあわてて、もと来た方向に走り出した。
 うしろの方で兵士たちがお決まりの文句をどなっているのが聞こえる。威嚇射撃の音がビルの間にこだまする。そんなことにはかまわず逃げるラグナの耳元を、甲高い音が走り抜けた。次の瞬間、目の前のゴミ箱がふっとび、中身をまき散らしながらころがった。
 ラグナは足を止めた。首筋を冷や汗がつたった。
「あ〜〜、わかったよ!降参!!」彼は両手をあげ、振り向いた。「もう逃げも隠れもしねーよ。おとなしくすっから無益な殺生はやめようぜ。な?」
兵士たちはラグナを後ろ手にしばりあげた。そして、乱暴に軍用車の方にひきずっていった。
 −−−−ヘタすりゃヤバいことになるのは覚悟してたけど、まさかこんな早くにこういうことになるとは思わなかったなあ・・・・・・・。キロス、ウォード・・・・・・あいつらはどうしてるかな?あいつらだけでも逃げ切っててくれりゃいいけどよ・・・・・・・・・。
 ラグナは天をあおいだ。美しい月が魔女の国・ガルバディアを祝福するかのように冷たく輝いていた。




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