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晴れ渡る日本海を望み…06:12 AM、終点の村上駅に到着した。「ムーンライト」の乗客はほとんどが新潟で降りてしまい、終点のこの駅まで来る乗客は少なかった。まだ、夜が明け切っておらず、少し寒い。ここで5分後に発車する隣に停まっていた列車に乗り換える。2両編成のディーゼル車は、まだ、暖房をつけていなかった。足元が冷える。そんな中、833D普通列車酒田行きは、6:17 AM、定刻どおりに発車した。 やがて夜が明け、日の光が日本海を照らし始めた。ここからしばらくは進行方向左手に日本海を望む、景色のいい所を走って行く。その向こうには佐渡の島影が見える。 新潟県の県境を過ぎた辺りから、にわかに車内が騒がしくなってきた。考えてみれば世間は平日で、日本全国今ごろは通勤通学のお時間である。それまでボックス席を占領していた私は、周りを高校生やおっさんに囲まれて窮屈になった。しかも、向かいに座ったおっさんは、自分のことを地元の高校生と見間違え、山形弁で話し掛けてきた。確かにブレザー着てたし、一瞬は見間違うかも知れないが…。 とにかく、こういうときは寝るのが鉄則。私は束の間の熟睡体制に入った。 ふっと目を覚ませばそこは鶴岡駅に到着する所だった。ほとんどの学生がここで降りていった。向かいの不愉快なおっさんも、そそくさと降りていった。 それから数十分で、酒田駅に到着した。しばらく次に乗る列車に乗るまで時間があるので、隣にあったベーカリーとコンビニで軽い朝御飯を買い込んで、待合室に入り、そこでしばらく過ごすことにした。 まだ先は長い。天気は快晴であった。北海道もこれくらい晴れていてほしい。なぜか天気が気になっていた。 酒田〜青森09:48、酒田駅を定刻どおり発車した列車は新型の701系と言われるもので、ワンマン運転のロングシート車である。長い旅を続ける私みたいな人間は、こういう列車をとても嫌う。疲れるし、ゆっくり車窓を楽しめない。さらに、ワンマンの1両だと混む確率が高くなる。それはいままでの経験で実証済みだった。 とにかく、ずっと座りっぱなしで疲れてしまう。ウォークマンの音に耳を傾け、秋田までは退屈をしのいでいた。 秋田で、快速「しらかみ」という名の列車に乗り換えるが、結局は前に乗った列車と同様の列車である。結局、青森まで、この701系にお世話になることになる。 恥ずかしかったのが、その車内で、自分ひとり駅弁を広げたときである。ロングシートの席がほぼ埋まっていて、その乗客の見守る中、黙々と駅弁を食べる自分が何かとても悪いことをしているようで…。 元々、ここで昼食と決めていたので、計画どおりといえばそれまでなのだが、ここで何も食べないと、青森まで飲まず食わずで過ごすことになるという脅迫観念に駆られたというのが正直な心情だ。実際は、途中の大館駅でかなり時間の余裕があって、小休止できたのだが。そう、大館駅では、普段買いもしない男性誌を買ってしまった。とにかくその場の退屈しのぎだった。 そうして15:27、青森駅に到着した。もう、日は傾き始めている。函館に着くころにはもう真っ暗になっているはずだ。 今日は函館の夜景は見えるだろうか。あの修学旅行の時のような絶景が見れるだろうか。今はただただ早く北海道の土を踏みたい。その思いがつのるばかりなのだ。
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