『ドリアンの恐怖』
15/Feb/2004
先日、初めてドリアンを食べることになりました。
果物の王様と呼ばれる、あのドリアンです。最近ではスーパーの青果売り場にもチラホラと見かける、 中世ヨーロッパの武器みたいな、トゲトゲで覆われた、ゴツイあれです。
うわさでは、大変独特な、しかも強烈な香りも楽しめるという・・・。

私が手に入れたものは、既にそのトゲトゲを剥かれ、ミカンで言うところの一房か二房になったものが ビニールパックで密封されているものでした。
ほほう、最近はこんなものもあるのか。便利な世の中になったものよのう。

時は夕刻。既に夕食も終わり、晩酌の残りを頂きながら、いよいよ ドリアンとの対面です。

ビニールパックを、ゆっくりと破る・・・。
ぬうっ!こ・・れは!
うわさ通りの、イヤ、聞きしに勝る南国の香り。これが王様の香りなのか。
ううむ、まさに王者!!
・・・・・・って言うか、出し忘れて次の週まで取っておいた生ゴミかも。
イヤイヤ、そんなはずはなかろう。これは果物だ。食えるんだ!

ぶるぶる震える手でスプーンを掴み、ドリアンってヤツを一口分切り取り、口へ運ぶ・・・。
何か、嗅覚が麻痺してきたかも。あー、何かプロパンガスみたいなニオイがするねぇ。目の前が黄色く 見えるようだ。

パクッ。

おっ。何だ、美味いじゃん!
こりゃービックリだ。とっても甘くてクリーミーです。うーん、美味い。甘露甘露。
慣れてくると、どうって事ないねぇ。ちょっとクサ・・・いえ、独特な香りのするクリームですね。 鼻に抜くとクラッと来ますが、なあに、十分美味しくいただけますよ。
・・・・翌日人に会わないならね。

久々にドキドキした。
だが、真の恐怖はその後にやってきたのだった。

すっかり平らげてしまった後、何気なく目を落としたドリアンを包んでいたパッケージ・・・。
そこに書かれている注意書きに、私の目は釘付けになりました。
そこには、こう記されていました。
『お酒と一緒に食べないでください』

え?お酒と一緒に食べちゃダメなの?飲みながら食っちゃったじゃん!
パッケージを調べるも、書いてあるのはこの一言だけ。飲みながら食べると、一体どうなるんでしょう? 誰か教えてください。私はこれからどんな事になるワケ?

私はネットの海で文献をあさりました。
すると、そこで見た文献の多くには、信じられないことが書かれているではありませんか!
『ドリアンをアルコールと同時に摂取すると、死ぬ。』

死ぬらしいとか、死んでいるようだ、などという伝聞から始まって、はっきり「死ぬ」って言い切っているものも 多数。
おいおい、これ本当なのかよ!
更に調べていくと、ドリアンの中の成分がアルコールと結びつき、異常な高血圧になるのだという文献を発見。 これがホントだとすると、死因は脳溢血になるのか・・・。
それにしても、そんな危ない果物なら、もっとデカく書いといてくれよな!

最後に食ったものがドリアンかー。まあ、王様の手に掛かって死ねるなら本望か。いや、アルコールが そそのかさなければ、王様だって乱心することはなかったハズだよな。
てことは、やっぱ酒で死ぬんだ。
チキショー、こんな事になるならあんな事もこんな事も・・・

ん?こっちには違うことが書かれてるぞ。
『ドリアンとアルコールを同時に摂取すると腸内で異常に発酵するため、危険。』
血圧じゃないんだ。これが本当だとすると、凄い腹痛がやってきそうだ。でも、このくらいなら死なないかも しれないな。
この文献では、地元(ドリアンの栽培地)で、これが元で死んだヤツがいると書かれている。 たまたま腸炎か何かで死んだそいつが、死ぬ前に酒飲みながらドリアン食ってたのかもしれないな。

諸説入り乱れているが、どうもドリアンは酒と一緒にやっちゃイカンらしい。
それはよく分かった。でも、どうすりゃいいやら。

死をも覚悟したドリアン事件でしたが、翌日私は目覚めることができました。
生き延びたよ。ラッキー!

きっと、死んだ人は飲みすぎで高血圧になったか、腐ったドリアン食べてあたったか、食い過ぎたかの いずれかだったのでしょう。
そうじゃなかったら、今頃死んでる。

皆さんも気をつけましょう。
新しいものを買ったら、説明書はちゃんと読んでおきましょうね!
そうしないと、死んじゃうことだってあるかもよ。


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