立療養所多磨全生園の森
  「私たちが地上を去る時、センターと森が残るであろう。」 
 上に引用した一節は、東京都東村山市にある国立療養所多磨全生園の入所者が1979年に発行した『倶会一処――患者が綴る全生園の七十年』に掲載されている、当時の患者自治会会長松本馨氏による「発刊のことば」の一節である。ここで「センター」とは、設立が望まれているハンセン病を治療する国際センターを指す。「森」とは、3万本を越す木々が大きく育った広大な森を指す。「私たちが地上を去る時」と言う松本氏のことばには、療養所のこれまでの長く過酷な歴史とそこでの人びとの深い思いが込められている。
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一人一木運動で植えられた山茶花                納骨堂付近                        楓公園(2018年11月17日)

生誕百年 島比呂志展 書くことは生きること 国立ハンセン病資料館1階ギャラリー 〜2018.12.7

病める樹よ

永遠の中の
一年がなかったら
永遠は存在しないということを
樹よ
よく考えてみるがいい

どこからか吹いてきた悪病に
おまえの枝や葉が
変形し
醜悪になったからといって
絶望してはならない
なるほど
風が吹けば
おまえは
仲間以上の危険にさらされるであろう
雪が降れば
ひとしお寒さが浸みるであろう
けれども
全力を挙げて耐えるがいい
ありだけの生命の火を燃やすがいい
やがて
おまえの生涯が終り
板となり
柱となる日
苦しみに耐えて来た
一年一年が
いかに美しい年輪となり
木目となることであろうか

樹よ
悪病を歎くことなく
ありだけの力で生きるがいい
やがて摂理の銛にかかる日まで
血みどろに生きるがいい
樹よ樹よ樹よ樹よ
病める樹よ!

(『凝視 島比呂志詩集』2003年、火山地帯社、32-33頁