買い物自転車の内装3段変速機OH 組立編  2005/4/24製作
分解・洗浄という下準備を経て、いよいよ組立に入りましょう。

【関連リンク】
分解編
内装3段変速機の分解・組立(2007/7版)
リアの内装式3段変速機の内部です。内壁にはラチェットの爪が引っ掛かる段差が刻まれています。
寿サイクルサイトのこちらのページによると、本来はメーカー指定のグリスを用いるそうです。しかしながら、好ましい事ではありませんがFinishLineのグリスで試験的に代用してみました。

後日のテスト結果では、若干粘度が高すぎたのか、量が多かったか、完成直後は変速操作をしてからクラッチがドグに噛み込むまでに0.5秒ほどのタイムラグが生じています。ただし、僅か20kmしか走っていませんが、症状が次第に改善され、ほぼ気にならないレベルに至っています。余分なグリスが脇へ押しやられて作動する際の抵抗が減っているのかもしれません。

ラチェットの動作は良好です。フルパワーを掛けても空回りはありませんし、「チチチチ・・・・」という動作音も静かになりました。
2007/7/14補足
2005年4月の作業後、ラチェット爪の動きが好ましくなく、変速時のタイムラグが気になっていました。そこでこの作業の1週間後に再分解し、グリスの量を減らしました。

以後2年弱に渡って調子よく作動していました。2007年7月の分解組立の様子は、「内装3段変速機の分解・組立」でご紹介しています。


歯車周りにもグリスを塗り込んで組み付けました。次第に形になってきましたね。
ブレーキドラム側のベアリングもグリスアップして組み込みます。

また、ブレーキシューが接する「ドラム内壁」はブレーキクリーナーなどで油分を取り除いておきます。
「玉押し」は左右別部品が用いられているので間違えないようにしましょう。違いは高さにあります。「玉押し」とベアリングの外輪の面が面一になります。
「玉押し」の組み込みには「15mmのハブスパナ」と「17mmのメガネ」を使用します。

「玉押し」をガタが無く、かつスムーズに回転する位置に調整し、ロックナットを締め込みます。締め込む方向は、左手で玉押しを押さえつつ、右手でロックナットを時計回り(右回り)に回して固定します。
ブレーキドラムをシャフトに通し、2面幅17mmの薄型ナットで固定します。これも正ネジです。
フレームに車輪を取り付けます。
この時にチェーンを通し忘れないようにしましょう。
フロント側のスプロケットからチェーンを内側へ落としておくと、後輪スプロケにチェーンを掛ける際に楽になります。
チェーンスライダー周辺です。ここははMTBなどのスポーツ車には無い仕組みなので、苦手に感じている方もいらっしゃるかもしれません。

逆に、オートバイに慣れ親しんだ方にとっては、基本的な仕組みが同じなので取り掛かりやすいでしょう。
ポイントは「チェーン引き」の位置と向きにあります。

「チェーン引き」はフレームの内側にきます。また、裏表でオフセットされているので、ネジ部がフレームの切り欠きと同一線上になる向きにします。
「チェーン引き」は一見同じように見えますが、実は別部品で左右の指定があります。

シャフトの通る穴が完全に丸い方がブレーキ側となり、平行部分があるほうがスプロケット側となります。これはシャフト側の加工を見れば、どちらか分かると思います。
フレームの外側にはまずスタンドが来ます。

これはスタンドの爪の部分がフレームに引っ掛かるようになっている仕組みから、この位置になります。
次に変速ユニットを装着します。
変速ユニットの次に泥除け用のステーを通します。

この後はワッシャを入れて15mmのナットを仮締めします。
センターの調整を行います。やり方はいろいろあると思いますが、私は「タイヤの中心線」と「フレームの中心線」を目印に、これらが同一線上になるように調整しています。

この「センター出し」と「チェーンの弛み調整」とは同時に行います。
センターを出したらチェーンがピンピンに張ってしまったり、チェーンを調整したらセンターが出なかったり、初めての場合は苦戦する可能性もあります。

どうしても上手にいかない場合は、「チェーン引き」から飛び出している雄ネジの長さを常に同じにするように意識すると、センターが出しやすいでしょう。締めるときは左右同じ量、緩めるときも左右同じ量という具合です。

チェーンを弛ませる量ですが、中央部を押さえて1.5センチ程凹む位にしています。
新しい買い物自転車が6,980円で購入できてしまう昨今ですが、古い自転車でも整備すればとても気持ちよく乗れるようになります。このページが何らかのお役に立てれば幸いです。

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分解編
内装3段変速機の分解・組立(2007/7版)
2005/8/15補足  軽快車のチェーン調整について
街中を歩いていると、前方から来た自転車が「ガッシャン、ガッシャン・・・」と音を立てながら通り過ぎていきました。これは「チェーン」と、チェーンを覆う「チェーンガード」が接触している音です。
では、どうして「チェーン」と「チェーンガード」が接触してしまうのでしょうか。

(私の場合)通常1cm弱程度の僅かな弛みを持たせる程度です。ところが、チェーンが過度に弛んでいる自転車の場合、ペダルを漕ぐ度にチェーンがブラブラと「踊って」しまい、チェーンガードなどを「ガッシャン、カッチャン」と叩いてしまうのです。
では、これを解消する為にはどうしたら良いのでしょうか。

フレーム後端には「チェーン引き」という調整部品が装着されています。このナットを締めこんでいくと車軸は後に引かれて行き、チェーンの弛ませ具合を調整できます。

ここで注意する必要があるのは、「チェーン引き」を調整するときは車軸を固定しているナットを緩めておくという点です。車軸固定ナット(アクスルナット)で固定された状態では「チェーン引き」を引いても車軸は動きません。気づかずに引き続けると「チェーン引き金具」を変形させてしまいます。
では、何故マウンテンバイク(MTB)などのスポーツ車にはチェーン引きが装着されていないのでしょうか。

これは変速の仕組みが異なるためです。軽快車(ママチャリ)の殆どはギア無し、もしくは内装式変速機を装着したものです。これらのチェーンの掛かる歯車は「前」1枚、「後」1枚で変化せず一定です。

ところが、マウンテンバイクは前に3段、後に7〜9段の歯車が装備されており、チェーンが引っ掛かる歯車は常に変化し続けます。
前歯車「大」、後歯車「大」の組み合わせの場合、長いチェーンが必要になります。逆に、前「小」、後「小」の組み合わせでは短いチェーンでなくてはならないことになります。

必要となるチェーンの長さの「差」を解消するために、「後」の変速機が一種のテンショナーの役割も果たしています。弛んでしまう筈のチェーンに張力(テンション)を与え、一定の張り具合を確保し続けるのです。

ちなみに、万が一チェーンが外れた場合は、リア変速機の矢印の部分を前に押し出してチェーンが弛ませてチェーンを歯車に引っ掛けます。
TAKAよろず研究所内の関連ページ
◆買い物自転車のクランクベアリング修理
◆買い物自転車のフロントハブベアリングOH
◆買い物自転車のリアハブOH 分解編
参考にさせて頂いたサイト
◆寿サイクル の内装式3段変速機の仕組み

TAKAよろず研究所
http://www.geocities.jp/taka_laboratory/
2005/4/24製作 2008/11/19修正
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