買い物自転車のボトムブラケットベアリング修理  2005/4/16製作
<もくじ>
クランク取り外し
ボトムブラケット(BB)の分解
破損したベアリングリテーナ
組立
BBベアリングのトラブル事例
ボールベアリングの種類
使用した工具
<参考にさせて頂いたページ>
サイクルショップ金太郎 > 「一般車のパーツとサイズと種類について
有限会社舟辺精工 > 自転車向けスチールボール
自転車自作研究会 > カップ&コーン式BB
RIGHT STUFF,Inc > 安物ママチャリのBB修理

うれっこサイクル > ギアクランク > 1/4インチリテーナー
IHC.MonotaRO > 自転車関連 > 部品 > その他 > ボール 3/16 1/4 ハンガーリテーナー

<Takaよろず研究所 自転車関連ページ一覧>
折り畳み自転車のボトムブラケット修理
旧式MTBのカップアンドコーンボトムブラケット整備
各種グリースと便利な使い方
自転車整備用工具
1989年に購入したナショナル自転車工業の買い物自転車です。

上り坂でペダルを強く踏み込むと、「ギシギシ」という軋(きし)み音がするようになりました。はじめはペダルの故障かと思い点検しましたが異常ありません。

そこで、チェーンを外してクランクを回してみると、なにやら「ゴリゴリ、ガタガタ」と嫌な感触がします。
2面幅14mmのソケット+スピンナハンドルを使い、クランクを固定しているボルトを外します。これは左右どちらも一般的な「正ネジ」でした。つまり、左回り(半時計回り)に回すと緩みます。

このようにソケットレンチを使うと力が入りやすく作業効率も優れます。しかしながら、シマノTL-FC10には14mmソケット機能がありますので、以下ではTL-FC10のみを使用してみます。
これはシマノ製の"CRANK EXTRACTOR TL-FC10"という製品で、実勢価格は1200円前後です。専用工具でありながら、比較的使用頻度の高い工具ですので、大手チェーン店ならば店頭在庫として置いている場合も多いようです。

自転車の各種専用工具につきましては、当サイト内の「自転車整備用工具」をご覧ください。
TL-FC10の一方は14mmソケットになっています。
このソケットをクランク固定ボルトに当てます。
2面がカットされている部分にモンキーレンチなどを掛けて回します。通常のボルトなので反時計回り(左回り)に回すとゆるみます。
ボルトが外れました。
クランクはボルトを外しただけでは外れません。それは僅かにテーパー角(クサビ状の角度)が付けられており、きつく嵌(はま)り込んでいるからです。

そこで、TL-FC10のもう一方の側を使用します。
クランクにTL-FC10をねじ込んでいきます。突き当たるまで手で回していきます。工具を使う必要はありません。
TL-FC10にある中心のネジ部分にモンキーレンチを掛け、ネジを締め込んでいきます。

すると、ネジに押し出されることで、勘合していたクランクが抜けます。

この作業は左右クランクとも同様です。
TL-FC10でクランクを外す様子をアニメーションにしてみました。

1、クランク固定ボルトを外す。
2、TL-FC10(赤)をクランクに装着する。
3、TL-FC10の押し出しボルト(黄)をねじ込む。
4、クランク軸(ボトムブラケットシャフト BB軸)が押し出される。

クランクを外すと、スプロケットがセレーションに嵌っていますので、手前に引き出すと外れます。スプロケットは楕円形です。また、スプロケットと中央部分(黒い部分)一体成型ではなく、樹脂製ダンパーを介して繋がっています。

2007/6/22補足
多くの買い物自転車では、「チェーンリング」(ギア板)と「クランク」は分解不可の一体型が多いようです。

今度は左ペダル側の「玉押し」を外していきましょう。ここは「逆ネジ」でした。時計回り(右回り)に回すと緩みます。※1
※1   2007/5/14補足
現在の一般的な買い物自転車には四角軸のBBシャフトが用いられることが多いようです。(四角テーパー、スクウェアテーパー)

しかし、この1989年式の買い物自転車にはやや特殊な形状のBBが使われています。サイクルショップ金太郎の「一般車のパーツとサイズと種類について」によると、「セレクター」(SELECTA)と呼ばれるタイプなのだそうです。
また、「OCSクランク」という呼び方もあるようです。
<現在の買い物自転車に多く見られるBB>
一般的なタイプのボトムブラケットについては、下記のページをご覧ください。

折り畳み自転車のボトムブラケット修理
現在販売されている買い物自転車(ママチャリ)で多く見られるタイプのBBをグリスアップをしています。

■「旧式MTBのボトムブラケット整備
90年代前半のマウンテンバイクで多く採用されていた「カップアンドコーン型BB」をグリスアップしています。

「コッタレス」型と「セレクタ」型の違いについては、サイクルショップ金太郎の「一般車のパーツとサイズと種類について」を参照させて頂きました。
22mmの標準型スパナ、22mmの薄型スパナを用意します。
奥側に薄型スパナ、手前のナットに通常型スパナを掛けて回します。

逆ネジですので右回り(時計回り)に回すとゆるみます。
「玉押し」を外し、ついに問題のベアリングに辿り着きました。

劣化したグリスが僅かに残っている程度で、ベアリングのリテーナーはバラバラになっていました。

なお、玉押しを外すときは下にバットを敷いておきます。これは外れたベアリング鋼球は転がり落ちやすく、紛失するのを防ぐためです。
バラバラになったリテーナーです。リテーナーとは「保持する」という意の"Retain"から来ています。バラバラになりがちなボールをひとまとめに保持してくれるので整備や組み込みが楽になります。

このような状態でペダルを踏み込んだときに「ギシギシ」という異音が発生していました。

ベアリング玉の直径をノギスで測ってみると、4.76mm(3/16インチ)でした。
修理を依頼するつもりでこの自転車を購入したお店に相談したところ、以下のようなアドバイスを頂きました。

・リテーナーは無くても問題ない。オーバーホールの時に外してしまうこともある。ただし、リテーナーが無くなった分だけ隙間が生じるので、入れる玉の数を増やして対応する。
・自転車のグリスアップは3年に1回必要だが、自転車のオーバーホールを依頼する人は少なく、なおかつ自分でやろうとする人は珍しい。
・(壊れたベアリングを観察して)この玉は焼けて変色しているので交換する必要がある。

私はポンコツ自転車を直そうとしている「儲けにならない客」ですが、それにも関わらずいろいろ親切に教えてくれました。ありがたいです。
3/16インチ ベアリング鋼球を安価に分けて頂けました。新品は澄んだ銀色なのに対して、焼けた玉は僅かに茶色く濁った色をしています。
グリスはFinishLine(アメリカ)製のテフロン入りグリスを使用しました。7〜8年前に900円で購入したものです。BB(ボトムブラケット)に使えると書いてあります。

グリースについての詳細は、当サイト内の「各種グリースと便利な使い方」をご覧ください。
玉の当たり具合の調整です。ガタがほとんどなく、かつスムーズに回る場所に合わせてみました。
取り付けと逆の手順でチェーンホイールを組んでいきます。なお、楕円ギアなのでクランクの位置が▲の印で指定されています。
クランクも14mmのソケットを使用して取り付けます。チェーンガードを装着して完成です。

踏み込んだときの「ギシギシ」という異音が解消されました。
BBベアリングのトラブル事例
BBトラブルの一例です。左はマウンテンバイクのカップアンドコーン型BBです。

ペダルを漕ぐ度に、「コクッ、コクッ」という感触が伝わってきます。そこで以下の点検をしました。
・クランクフィキシングボルト
・チェーン
・リアハブ
・カセットスプロケット
・チェーンリング
・ペダル

それでも解決しなかったのでBBを点検したところ、ベアリングとシャフトの損傷と分かりました。
2組のリテーナー付ベアリングのうち、右は澄んだ銀色をしていますが、左はやや変色しています。
ベアリング球を一つ一つ点検したところ、9つのうちの1つが損傷していました。
シャフトにもカジリが発生していました。
約2mmにわたって虫食い状態になっています。

そこで、カップアンドコーン式BBから現在主流のカートリッジ式BBに交換し、「コクッ」という感触が解消されました。
ボールベアリングの種類と入手方法について
2007/5/28補足 ボールベアリングの入手ルートについて
自転車で主に使用される鋼球のサイズは有限会社舟辺精工自転車向けスチールボールを参考にさせて頂きました。

自転車では、1/4インチ(6.35mm)と、3/16インチ(4.76mm)の2種類が多いようです。

■今回はお世話になっている自転車屋さんにて、必要分だけ数百円で分けてもらいました。自転車に用いられているベアリングには数種類のサイズがあるので、現物を持ち込むとスムーズに事が進むかもしれません。
2007/6/21補足
大都市の大型自転車店にて、ボールベアリングの球が販売されていました。シマノの部品扱いのものです。店頭にあったのはこの2サイズのみでした。
■3/16インチ 22個 242円
■1/4インチ 18個 242円

スポーツ車から買い物自転車まで、この2種類のサイズが多く用いられているようです。前輪車軸には3/16inch【4.76mm】、後輪車軸やクランクには1/4inch【6.35mm】を多く見かけます。あくまで傾向ですので、お求めの際には必ずサイズ確認をお願いします。
2010/5/24
一般車のボトムブラケットで用いられることが多い1/4インチ鋼球9個入リテーナー付ベアリングは、ひとつ100〜150円前後で販売されているようです。

左は都市部の大型店舗で購入した物です。

<参考にさせて頂いたサイト>
うれっこサイクル > ギアクランク > 1/4インチリテーナー

2012/5/16
IHC.MonotaRO(一般消費者向けモノタロウ)でも自転車用鋼球やリテーナーベアリングが購入できるようです。

IHC.MonotaRO > 自転車関連 > 部品 > その他 > ボール 3/16(144個) 1/4(144個) ハンガーリテーナー(20個)
今回使用した道具
今回使用した道具です。

■プラス2番ドライバ
■14mmのソケットレンチ
■薄型モンキーレンチ

■フィニッシュライン テフロングリース
■パーツクリーナー
・シマノ TL-FC10 クランク抜き工具
・マイナスドライバ(クランクのプラスチックカバー外し用)
・22mmスパナ
・22mm薄型スパナ
・モンキーレンチ
2005/4/22補足
ホームセンターの工具売り場で22mmの薄型スパナを210円で見つけました。藤原産業(SK11)扱いの「ジスクワイヤー用スパナ 21x22」という製品です。

これはディスクグラインダーという電動工具のアタッチメント着脱に使われる工具です。
■アルミバット
外した部品はアルミ製トレーに入れておくと、部品の紛失や汚れの付着というリスクがずいぶん減少します。これはアカオアルミ販売製の標準バット3号です。サイズは外寸法312x241x35、ちょうどA4サイズの紙が入る大きさです。

贈答用のお菓子に使われる金属製の箱でもOKだと思います。ただし、キッチンバットを特定のサイズで統一すると、重ねてコンパクトに保管できるメリットがあります。サイズを大小バラバラにしてしまうと収納時に嵩張(かさば)ってしまうのです。
■作業台

台の上に自転車を乗せて作業しています。

数字の上では僅か30cm上がっただけですが、作業効率はずいぶん違ってきます。屈(かが)む量が少なくなり腰が楽になります。また、作業箇所と「目」の距離が短くなるので、対象を観察しやすくなります。

また、部品を落としても泥が付かない、発見しやすい、紛失し難いというメリットも生じます。
<もくじ>
クランク取り外し
ボトムブラケット(BB)の分解
破損したベアリングリテーナ
組立
BBベアリングのトラブル事例
ボールベアリングの種類
使用した工具
部品の交換について
<参考にさせて頂いたページ>
サイクルショップ金太郎 > 「一般車のパーツとサイズと種類について
有限会社舟辺精工 > 自転車向けスチールボール
自転車自作研究会 > カップ&コーン式BB
RIGHT STUFF,Inc > 安物ママチャリのBB修理

うれっこサイクル > ギアクランク > 1/4インチリテーナー
IHC.MonotaRO > 自転車関連 > 部品 > その他 > ボール 3/16 1/4 ハンガーリテーナー

<Takaよろず研究所 自転車関連ページ一覧>
折り畳み自転車のボトムブラケット修理
旧式MTBのカップアンドコーンボトムブラケット整備
各種グリースと便利な使い方
自転車整備用工具

Takaよろず研究所
http://www.geocities.jp/taka_laboratory/
2005/4/16製作 2007/6/22補足 2008/4/4修正 2009/4/4補足追加 2009/7/16改訂 2010/2/15補足 2011/6/9修正 2012/5/16補足
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