Velbon Carmagne630E  2005/1/22製作
ベルボン株式会社製カメラ用三脚「カルマーニュ630E」です。3ウェイ雲台「PH-460B」と共に当研究所にやってきました。

通常の三脚は丸パイプ部分にアルミニウム合金が用いられていますが、このカルマーニュは炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastic)が用いられています。CFRPは高い強度を持ちつつ極めて軽量なのが特徴とされています。
ベルボンのカーボン三脚は3桁(けた)の数字で分類されています。いちばん左の桁は【サイズ・1段目の脚の太さ】を表しています。

真中の桁は【段数】を表しています。一般的な3段タイプと、収納性を重視した4段型に分かれます。

"630"は脚の太さが28mmの中型三脚、3段収納型と判断できます。

比較的中庸なサイズの"630"を基準点とすると分かりやすいかもしれません。
本体には"ANNIVERSARY 45th"という表記があります。ベルボン社史によると1955年が設立年になっているので、おそらく2000年前後に販売されたモデルのようです。

脚にはカーボン繊維の「目」が浮き出ています。
中古品なのであちこちに傷がついています。
センターポール下端には"MADE IN TAIWAN"の表記があります。
三脚と雲台の取り付け部です。1/4インチネジと3/8インチネジの両方の雲台に対応できるようになっています。
ポイントはセンターポール側を3/8インチメネジにしてある点です。1/4+3/8の異径オスネジの中央部分は、1/4部分を上下どちらにしたとしてもセンターポール側の3/8インチメネジと噛み合うことになります。
Carmagne630E付属雲台 PH-460B
付属のPH-460Bを見ていきましょう。PH-460B/250Bはカルマーニュシリーズとセットで売られるケースが多いようです。
2007/4/10補足

EOS-1Dと組み合わせると、左の画像のようなサイズ関係になります。

【前後】、【縦横】、【水平旋回】の3箇所の可動部は動きがスムーズで、軽い力で締め・緩めを操作できます。また、パン棒が短めなので、マクロ撮影(接写)をする場合に邪魔になりにくくなっています。

最後に、雲台が軽量に仕上がっている点です。本体のみならず、パン棒のシャフトまでが軽量なアルミ合金でできています。軽量なカーボン三脚と、このPH-460B雲台の組み合わせは重量バランス的に合っているようです。
前後を調節するパン棒は長さ15cmです。長すぎず、短すぎずちょうど良い感じです

グランドマスターブラック雲台は19cmなのでやや長めに感じますし、マクロ撮影ではパン棒に服の袖やストラップを引っ掛けないように注意が要ります。
縦横切替パン棒です。長さは12cmです。
左側へは90度+αまで傾きます。
右側へは15度付近でパン棒が脚に接触してしまいます。
下方へ向けてみます。これも90度+αまで「おじぎ」します。
仰角は60度付近でパン棒が脚に接触します。パン棒を脚と脚の間に落とした場合です。
カメラの固定方法は独特なものです。丸型ノブをネジが底付きするまで回し、その後レバーを矢印の方向へ45〜60度ほど動かすと傾斜カムによってネジが微妙に後退し(トルクが掛かる)固定されます。

2007/4/10補足
「独特」な機構ではありますが、スムーズに気持ちよく操作できるので気に入っています。カメラ取り付けネジはPH-163/173と同様にバネで押し上げられており、押すと引っ込むタイプです。
雲台(PH-460B)側も細ネジ(1/4インチ)と太ネジ(3/8インチ)の両方に対応しています。

大き目のマイナスドライバを使用する方法もありますが、アダプタの凹部分に一円玉を引っ掛けて回せば脱着できます。
脚の根元には開脚角度を定めるストッパーがあります。3段階あり、それぞれ30度、45度、80度付近でストップさせておけます。

脚を折りたたむ際に、脚と開度ストッパとの間に指を挟まないように注意しましょう。
脚を全開にして出来るだけ下げた状態です。地面から雲台取り付け部までの高さは約40cm、雲台を含めると50cm前後になります。
センターパイプの下側270mm を外す事が可能です。これで雲台取付面を地面から185mm、カメラ取付面を300mmまで下げる事が出来ます。

なお、センターパイプの材質はアルミ合金です。
手持ちのスリック製中型三脚「グランドマスター2」と比べてみましょう。

エレベーターを伸ばさず、脚を全伸させた状態です。両者とも、地面から雲台のカメラ取り付け面までの高さは140cm前後になります。140cmというと、身長173cmの私の場合「胸から鎖骨の間」になります。

これにカメラを装着すると、ファインダは雲台のカメラ取付面から+10cm程度になるので、挨拶の「会釈」をするくらい上体を傾けてファインダを覗く形になります。

アイレベルは人それぞれですので、直立状態でファインダを覗きたい方は+5〜10cmくらいエレベーターを伸ばすことになります。

全伸状態でようやくアイレベルが出る(身長170cm弱の場合)なので、傾斜地では高さが足りなくなる場合があるかもしれません。また、重くても良いので絶対にブレを防ぎたいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。その場合、グランドマスターシリーズでは物足りないかもしれません。スリックならば「プロフェッショナルII」、ベルボンならば「マーク7」等の大型三脚の方が向いているかもしれません。

「グランドマスター」や「カルマーニュ"630"」は「全長」と「縮長」、携帯性などが概ね80点に収まる最大公約数的なサイズのような気がしています。これも裏を返せば「帯に短し、たすきに長し」にお感じになる方もいらっしゃるかもしれません。
脚の太さを比較してみましょう。カルマーニュは1段目28mm、2段目25mm、22mmでした。グランドマスター2は1段目28mm、24mm、20mmでした。1段目は同じ太さですが、グランドマスター2の方が径の落ち方が大きいようです。

なお、グランドマスターは「共回り防止用溝入りパイプ」になっていますが、カルマーニュは共回りします。後継のネオカルマーニュシリーズ以降には共周り防止機構が採用されています。

「脚が共回りする三脚は不便だろうか」という疑問がありました。実際に使用してみたところ、確かに共周りしないのは便利ですが、共回りする三脚であっても「こういうものだ」と思ってしまえばそれ程気になりませんでした。
縮めた状態です。カルマーニュ630の方が若干コンパクトに収まるようです。

カルマーニュの脚にはウレタンゴムが装着されています。これまで必要性を感じていませんでしたが、実際に使ってみると助かる装備でした。持ち運びの際の感触が柔らかく、寒さの厳しい日も冷たさがずいぶん緩和されます。ドスンと置いた際のショックを吸収する役割もしてくれます。
重さを比較してみましょう。

◆脚比較
Carmagne630E脚   : 1440g
グランドマスターII脚 : 2450g
------------------------
                        差 1010g (58%)
◆雲台比較
Carmagne630E付属   PH-460B(マグネシウム合金製) :  585g
グランドマスターII付属 グランドマスターブラック雲台   : 1150g
------------------------------------------------------
                                                                    差    565g (50%)
大きさがほぼ同クラスのモデルですが、カルマーニュはCFRP+Mg合金採用によってグランドマスターIIの50〜60%の重量に収まっています。
ベルボンPH-163Gと組み合わせた例です。脚の台座と雲台底部の径が一致しています。中型一眼レフに一般的なレンズの組み合わせならばちょうど良さそうな組み合わせです。ただし、プロ向き一眼レフ+大口径レンズの組み合わせには1サイズ大きいPH-173G/PH-273G、もしくは2005/1/21に発表されたQHD-71あたりが適合するかもしれません。

なお、三脚と雲台を合わせて2kg前後しかありませんので、ストーンバッグなどの対策をせずに重量級レンズを用いると極めてトップヘビーになる事が予想されます。当方大型レンズを持ち合わせていないので詳細は分かりませんが、倒して大切な機材を壊さないようにご注意ください。
【Takaよろず研究所内の関連ページ】
ベルボン 自由雲台PH-163G
・ベルボン クイックシューQRA-635
参考にさせて頂いたページ
・中川達夫氏が運営なさっている
The Earth with the Wind内の星見のためのmono考察
貴重な情報ありがとうございます。

TAKAよろず研究所
http://www.geocities.jp/taka_laboratory/
2005/1/22製作 2007/4/10補足 2011/10/26修正
<トップページへ戻る>