古典名 | 作者(編者) | ジャンル | 成立年 (推定) |
おススメの 現代語訳 |
現代語訳作者 | 出版社 | |||
古事記 | 太安万侶 | 物語 | 712年 | 古事記 上・中・下巻 |
次田真幸 | 講談社 (講談社学術文庫) |
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田辺聖子の 古事記 |
田辺聖子 | 集英社 (集英社文庫) |
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天武天皇の舎人だった稗田阿礼に誦み習わせたものを元明天皇が太安万侶に命じ執筆させた。オオヤシマ(=日本国)誕生神話、天孫降臨神話、初代神武天皇から41代持統天皇までの伝説と実話が混在した物語。古事記は天皇家に対する国内の思想統一を目指すため作られたと考えられる。日本人よ、グリム童話を読むならば、日本の神話をとりあえず読め!と言わしめるおもしろい話が満載。 『田辺聖子の古事記』は古事記よりいくつかの物語を抜粋し、平易な言葉で書かれたオリジナリティが強い一冊。冊子が薄くて読み易いので入門書として適している。 |
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日本書紀 | 舎人親王、太安万侶等 | 国史 | 720年 | 全現代語訳 日本書紀 上・下巻 |
宇治谷孟 | 講談社 (講談社学術文庫) |
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周辺諸国へ日本の国威を示すために天武天皇の御代から編纂が始められた。古事記と重なる記述が多いが、日本書紀は現存するわが国最古の歴史書。史実は客観的に書かれているといわれる。天皇家の歴史イコール日本の歴史という考えは持っていないが、日本書紀を読むと日本各地に残る地名、伝説が脈々と今日まで繋がっている不思議に感動するよ。 | |||||||||
続日本紀 | 初編 | 石川名足 藤原嗣縄等 |
国史 | 794年 | 全現代語訳 続日本紀 上巻 |
宇治谷孟 | 講談社 (講談社学術文庫) |
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後編 | 菅野真道 藤原嗣縄等 |
国史 | 797年 | 全現代語訳 続日本紀 下巻 |
宇治谷孟 | 講談社 (講談社学術文庫) |
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42代文武天皇から50代桓武天皇までを記録した歴史書。8世紀奈良時代及び万葉集の時代背景を学ぶためには必読の書。 2001年の今上天皇発言(桓武天皇の生母は韓国・武寧王の子孫と続日本紀に書かれている発言)で注目を浴びた。 |
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万葉集 | 大伴家持等 | 歌集 | 8世紀 前半 |
万葉秀歌 上・下巻 |
斎藤茂吉 | 岩波書店 (岩波新書) |
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天皇、皇族から防人まで、約4,500首を選んだ大歌集。万葉集の解説書はたくさん出版されているが、私は高校時代に読んだ斎藤茂吉の『万葉秀歌』を好んで読む。それも、相聞歌(恋の歌が多い)の解説文がたいへん上品で美しい。春夏秋冬、花鳥風月を歌に託した古代人の心に触れることができるはず。 | |||||||||
竹取物語 | 作者不明 | 物語 | 10世紀 前半 |
ビギナーズ・クラシックス 竹取物語 |
角川書店編集 | 角川書店 (角川ソフィア文庫) |
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作者不明なのは、口誦文学として伝えられてきたものだから。子どもに読み聞かせるメルヘン・チックなかぐや姫の話と比べ、貴族風刺甚だしく、ある意味残酷で興味深く読める。かぐや姫が時の帝に残した「不治の薬」を燃やした一番天に近い山が富士山の名前の由来になったというくだりは有名。 | |||||||||
宇津保物語 | 作者不明 | 物語 | 10世紀 後半 |
宇津保物語 俊蔭 全訳注 |
上坂信男 神作光一 |
講談社 (講談社学術文庫) |
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前半は「ありえない」話が満載の琴伝承説話。貴族だけでなく、庶民の恋愛も含む日本初の長編物語で、源氏物語にも大きな影響を与えたといわれる。 | |||||||||
落窪物語 | 作者不明 | 物語 | 10世紀 前半 |
落窪物語 上・下巻 |
室城秀之 | 角川書店 (角川ソフィア文庫) |
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継子いじめ物語として有名な本著は当時の貴族社会の歪(ひずみ)をおもしろく描いている。 母を失った女君は父の実家に引き取られ、そこで継母にこき使われ、落ち窪んだ部屋に住まわされた。女君には「落窪の君」と名付けられた。 |
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源氏物語 | 紫式部 | 物語 | 1008年 | 全訳 源氏物語 上・中・下巻 |
与謝野晶子 | 角川書店 (角川文庫) |
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潤一郎訳源氏物語 全9巻 |
谷崎潤一郎 | 中央公論社 (中公新書) |
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円地文子の 源氏物語 全3巻 |
円地文子 | 集英社 (集英社文庫) |
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女人源氏物語 全5巻 |
瀬戸内寂聴 | 集英社 (集英社文庫) |
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新源氏物語 上・中・下巻 |
田辺聖子 | 新潮社 (新潮文庫) |
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霧深き宇治の恋 上・下巻 |
田辺聖子 | 新潮社 (新潮文庫) |
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蜻蛉日記 | 藤原道綱の母 | 日記 | 975年 | ビギナーズ・クラシックス 蜻蛉日記 |
角川書店編集 | 角川書店 (角川ソフィア文庫) |
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小説かげろうの日記 道綱の母・寧子の恋 |
三枝和子 | 福武書店(現・ベネッセ) (福武文庫) |
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才媛と名高い作者が、夫の浮気に悩み、息子の出世に一身を捧げるようになる半生を客観的に捉えている。まさに蜻蛉(かげろう)のように儚い身の上を切々と綴った女性日記文学の先駆け。嘆きの傑作歌「嘆きつつひとり寝る夜の明くる間はいかに久しきものとかは知る」当時は通い婚で一夫多妻もOKだった。昔から男の都合のいいように世の中はできていたんだなー。 | |||||||||
とりかえばや物語 | 作者不明 | 物語 | 1181年 | とりかえばや物語 | 中村真一郎 | 筑摩書房 (ちくま文庫) |
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男君を女君として、女君を男君として取り替えて育てたことにより、成長した両名に起こるハチャメチャコメディー。現代語訳は平安の雅を失わない流麗な言葉を選んでおり、おもしろいのに文学的。「伝奇物語」とされるが、平安貴族のユーモアのセンスを感じさせる一冊。 | |||||||||
これからの読書予定 | |||||||||
更級日記 | 菅原孝標 の女(むすめ) |
日記 | 11世紀 後半 |
更級日記 上・下巻 |
関根恵子 | 講談社 (講談社学術文庫) |
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浜松中納言物語 | 作者不明 伝・ 菅原孝標の女 |
物語 | 11世紀 後半 |
適当な現代語訳が無い | |||||
栄花物語 | 伝・赤染衛門と 周防内侍 |
物語 | 11世紀 | 適当な現代語訳が無い | |||||
日本霊異記 | 景戒(薬師寺僧) | 物語 | 9世紀 前半 |
ビギナーズ・クラシックス 日本霊異記 |
角川書店編集 | 角川書店 (角川ソフィア文庫) |