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歴史小説、とりわけ古代史の分野での著名な作家先生を紹介します!
チョイスはスージーの好みです・・・。(敬称略でスミマセン)
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黒岩重吾 永井路子 折口信夫 田辺聖子
黒岩重吾 (くろいわ じゅうご)
1924年(大正13年)2月25日大阪府生まれ。同志社大学法学部卒業。
『背徳のメス』で第44回直木賞受賞。『天の川の太陽』で第14回吉川英治文学賞受賞。
『弓削道鏡』他古代史文学活動に対して第40回菊池寛賞受賞。1991年紫綬褒章受賞など。

大学在学中、学徒出陣で旧満州に出征。全身麻痺の大病で3年間の入院経験も有り。
証券会社勤務時に株大暴落を経験し、全財産を失い、大阪あいりん地区でどん底の生活をしていた。
その後もキャバレーの呼び込み等様々な職業を経験し、懸賞小説を書き始める。
この頃、司馬遼太郎氏とは同人誌仲間であった。
社会派推理小説に端を発し、後年は古代史小説の第一人者となり、歴史的素材の乏しい分野に新風を巻き起こした。
小説の舞台として、スケールが大きいのに人物の表現や服装、小道具までもがまるで見てきたかのようにしっかりと描かれている。歴史学としての古代史研究や考古学研究にも非常に熱心で、小説以外にも著書多数。

2003年(平成15年)3月7日肝臓ガンで逝去。
永井路子 (ながい みちこ)
1925年(大正14年)3月31日東京都生まれ。東京女子大学国文科卒業。
『炎環』で第52回直木賞受賞。『氷輪』で第21回女流文学賞受賞。
『雲と風と』他数々の歴史小説執筆に対し第22回吉川英治文学賞受賞。
中世社会の歴史小説に新風をもたらした功績に対して第32回菊池寛賞受賞など。

大学卒業後は出版社に入社し、雑誌編集者としてキャリアウーマン時代を築く。また、そういった元祖OL時代の経験が『茜さす』などの題材に生きている。
歴史上の人物をわかり易く紹介する『歴史をさわがせた〜』シリーズでは日本史・世界史をより身近なものにしてくれた。
『山霧』はNHK大河ドラマ「毛利元就」の原作本となった。
折口信夫 (おりくち しのぶ)
1887年(明治20年)2月11日大阪府生まれ。國學院大學文学部卒業。
折口信夫は小説家ではなく、学者である。
カテゴリーは民俗学者、国文学者、宗教学者いずれも属する。釈迢空の名では歌人であり詩人。
折口学が奏でる独特の世界は、国語力がないと読解が難しい。
至高の小説 『死者の書』 は刑死した大津皇子が棺の中で目覚めるシーンから始まる神秘的なもの。
歌集『海山のあひだ』 『倭をぐな』など美しい旋律は折口の繊細かつ独創的な日本語研究の賜物か。

1953年(昭和28年)9月3日逝去。
折口信夫が同性愛者ということばかりが口承されるのは悲しい。
田辺聖子 (たなべ せいこ)
1928年(昭和3年)大阪府生まれ。樟蔭女子専門学校国文科卒業。
『感傷旅行(センチメンタル・ジャーニィ)』で第50回芥川賞受賞。
『ひねくれ一茶』で第28回吉川英治文学賞、第42回菊池寛賞受賞。(同著等の評伝作品に対しての受賞)
1995年紫綬褒章受賞など。

少女期に空襲で家を失い、父も亡くして生活は苦しいはずだったが、天性の明るさで当時の様子もユーモアたっぷりにエッセイで綴られている。(『欲しがりません勝つまでは』)
源氏物語など古典文学の現代語訳も数多く、古典を紹介した著書も非常にわかり易い。
ほんわかした大阪弁丸出しの、主婦作家である。

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