Lynyrd Skynyrd Live!

2002年10月19日(土)

13:30を過ぎた頃、私は会場を後にした。名残惜しかったが、ぐずぐずしているとスキナードのライブに間に合わなくなる。車に乗り込み一路ポークシティに向かった。ポークシティへは、ジャクソンビルから高速95号線に乗って南下し、自動車レースとビーチで有名なデイトナで高速4号線に乗り換え西に向かい、ディズニー・ワールドで有名なオーランドを通過して、次の中規模都市のタンパへ行く途中にある。

ポークシティはフロリダ州のほぼ中心に当る。途中、自動車事故に2回(一度は玉突きの大事故)遭遇し、オーランドでは自然渋滞にはまった。休憩を2回取り、ポークシティにたどり着いたのは18:00を回っていた。ポークシティのインターチェンジを降り、コンサート会場に近づいたところで、道端にダフ屋がいて手に看板を掲げていた。どこの国でもダフ屋はいるようだ。チケットを予約していなければダフ屋と交渉したのだが、あとで聞いた話では私が購入した金額より、ダフ屋からの購入金額が安かったようだ。

車をだだっ広い草原の空き地の駐車場に停め、インターネットで予約したチケットをボックス・オフィスで受け取った。会場の入口では、おざなりな手荷物検査があったが、カメラなどはフリーパスだった。そして会場に入場。ジャクソンビルを出発してから実に5時間が経過していた。この会場は"Fantasy Of Flight"と言い、飛行機の展示などがしてあるようだが、飛行機の機体のようなものは見当たらない。

とにかく広い草原にステージが左右にツーセット組まれており、私が会場に到着したとき、右側のステージではミートローフが演奏していた。客席は、ステージ前方から飲み食べ放題のVIP席、その後方に椅子が設置してある少し良い席、そしてまたその後方に、椅子も何もないただの草原の一般席となっていて、席のグレード別に柵が設けられていた。私はチケットを予約したのが遅く一番後ろの一般席だった。ただVIP席は$250もしていたため、いずれにせよ最前列には座れなかった。

ステージを眺めると左側のステージ上が空いていた。双眼鏡でドラムのバスドラを見たところ、確かに「LYNYRD SKYNYRD」の文字がある。左側のステージの中心に当る位置に持参したビニールシートで場所を確保した。ミートローフのファンには申し訳ないが、私はスキナード以外のバンドに興味がなく、ただ演奏しているなという認識しかなかった。とりあえず、スキナードの演奏が始まる前に、売店でピザとビールを買い腹ごしらえを終えた。


19:20ごろミートローフの演奏がようやく終了した。さあ、いよいよSkynyrdの登場である。会場に到着したときにはまだ空が明るかったが、ようやく日が沈みこの時間には暗くなりかけていた。19:40、ライブ演奏の合間にかかっていた音楽が単調なメロディーに変わる。しばらくそのメロディーが流れていたが、気配を察し観客がざわつき始める。すると突然メロディーが止み、その瞬間…。Workin' For MCAが始まった。

やはり、生ライブはいい。ステージにはロニー、スティーヴ、アレン、レオン、当時のホンケッツはいないけど、それでもいい。メドロック、ヒューイの音はオリジナル・スキナードとは違うけど、やはり生で聞くスキナード・ナンバーは堪えられない。それから怒涛の90分。VIP席も含め、会場は総立ち。椅子が設置してあった準VIP席は、後ろの一般席にいた観客にあっという間に柵を破られた。老若男女が次々と繰り出されるスキナードナンバーに最初から最後まで大合唱。演奏は1時間半であっという間に終了した。そして、お約束のアンコール。「Freebird!!!」の声があちらこちらで沸き起こる。

観客の歓声が最高潮に達し、スキナードのメンバーがステージに現れた。ついにラストの曲「Freebird」。当然のように大合唱。スキナード・ファンには堪えられない。久しぶりに最高に満足したライブだった。

あえて、不満をいうなら、ドラムの音色である。私はその方面に詳しくないが、リバーブのかかったような音でスキナードの曲には合わないと感じた。

ライブが終り駐車場へ歩き出したとき、ふと思ったのは、演奏された曲が全てオリジナル・スキナードの曲で、1991年以降の再結成後の曲は一曲も演奏されなかったということである。オリジナル・スキナードの曲を多く聞けたのは良かったが、一抹の寂しさを感じた。

駐車場にたどり着いた21:30ごろに、最後のバンド、デビッド・リー・ロスの演奏が始まった。私は「パナマ」を聴きながら会場を去った。(バン・ヘイレン、デイヴのファンの方、ごめんなさい)

帰路の途中で給油、モーテルの近くのBuffalo Cafeで食事をした。このBuffalo Cafeに日本に住んでいたことのあるアメリカ人の店員がいて、なかなか面白かった。私たちの席に来ては、日本語で冗談を言っていた。でてきた食事の味もなかなか良かった。

食事を終えモーテルにたどり着いてベッドにもぐりこんだのはすでに夜中の2:30。ようやく長い長い一日が終わった。

スキナード・ライブのセットリスト

1.Workin' For MCA
2.I Ain't The One
3.Saturday Night Special
4.What's You Name
5.That Smell
6.I Know A Little
7.Simple Man
8.Mississippi Kid

9.Medley
Gimme Back My Bullets
Searching
Things Goin' On
Swamp Music

10.Gimme Three Steps
11.Call Me The Breeze
12.Sweet Home Alabama
13.Free Bird

余談です。

アメリカのガソリンスタンドは、セルフが一般的だが、日本の方式とやや違い、後払いがあったり、前払いがあったり、また給油機の手順も違って、かなり戸惑った。私はガソリンスタンドに入るたび、給油方法を他のお客さんに尋ねなければならなかった。

アメリカの高速道路は、結構、飛ばす人が多い。だいたい普通に走っている車で130Kmぐらいをだしていた。しかも車間距離を開けないので怖い。アメリカ人は日本人よりせっかちなのかもしれない。また、夜はハイビームで走る車が多く、つねにあおられている感じがする。