京都市長を選ぶ市民の会 準備会 <No.1>
日 時:平成15年5月24日(土)午後6時〜9時(世話人会は10時まで)
場 所:京大会館
参加者:約80名
「京都市民が信託できる市長を選ぼう」。これを実現するための会の設置に向けた準備会を開催しました。
会の代表からは、以下の趣旨で呼びかけました。
■過去の市長選を振り返ると、1979年の市長選からオール与党となり、この頃から京都市政は崩れていったのではないか。共産か与党かという二局の対立でできており、このようなことから投票に行かない人が増加し、投票率は50%を越えたことがない。
■投票に行かない人は、いろんな要素がある。政治に無関心の人だけでなく、二つの対立の中で、望ましい候補者がいないから、投票しないという人も多い。市長の選び方を考える余地がある。
■現在の市長は、政党が信託している。しかし本来は、市民が信託すべきもの。そのための手続きが無い。今回の取組はこの新しい手続きに向けた取組。他の自治体でも、このような取組が始まりつつある。
■今日の準備会は、その体制を作ることが目的。「会の作業をやってみよう」と思われる方を「世話人」としてお願いしたい。
■この会は、あくまでも候補者を選ぶことを目的としている会なので、候補者が確定した段階で、一応の使命を終える。しかし、選んだ人に「では、後はお好きに」という訳にはいかないので、その場合は別途応援部隊を考えていきたい。
次に、他都市で「市民が信託できる首長を選ぼう」という活動をされたお二人に話題提供をいただき、今回の京都の取組にエールをいただいた。
話題提供
◆箕面市市会議員 増田京子氏
・私は、団体組織などには一切入らずに議員になった。そのときから「市民派」を名乗っている。
・市民派とは何か。無党派と市民派は違うと思う。最近は多くの人が市民派を名乗っているが、私は同じ市民派でもその違いを出していく必要を感じている。例えば、会派は作らずに自分で作った会報を出したり、報酬の使途や、政務調査費を明らかにすることにしている。
・前市長は6月議会で辞表を出した。「誰かいい候補はいないか」と探したが、準備の時間がなくて、先輩議員を出した。2ヶ月しかない厳しい選挙だったが、13,000票を得た。ちなみに、現市長は14,000票で、いい戦いをした。反省点もあるので、次の選挙に向けて準備をしている。
・現在、箕面市でも高層マンションなどの計画がある。都市計画で制限をかけて、高さを規制するとの動きもある。箕面市は市民の声を聞く必要があることを徐々にわかってきている。
◆徳島県知事勝手連元代表世話人、現徳島県県会議員 豊岡和美氏
・先日、勝手連で担いだ知事候補は、わずか8,000票差で敗北した。投票率も上がり、得票を30,000票もあげたが、残念ながら負けた。その反省をふまえたお話をしたい。
・1999年に吉野川可動堰計画の是非を問い、反対運動を行ったが、議会は聞かなかった。そこで「まずは市会議員から変えよう」と、後援する人を4人つくった。一方、住民投票では「50%以上の得票を得よう」とがんばり、55%の投票を得た。その内90%以上が「反対」とした。その時市長は、推進から反対の立場になった。一人一人が声を上げれば変えることができる。
・このような取組の中で、市民に意識が芽生えた。任期満了の知事選を迎えた時、私たちは「市民の声で知事をつくろう」として、勝手連県民ネットワークを作り、知事選を戦った。この時は負けたが、投票率は49.7%、約1万票差、いい戦いをした。これで私たちは自信をつけた。
・翌年の4月に、知事が汚職で捕まり、再選挙。私たちはいろいろ反省事項もふまえて、勝手連を再結成した。相手候補は無所属の女性。この時太田は16万票を得て、勝つことができた。
・太田が議会により不信任になった際、再選挙に向けて、私たちはまた勝手連を作ったが、3千票の差で負けてしまった。
・選挙ではいろいろ知恵を絞った。プラカードを作って道に立ったり、ステッカーを作って、車に張ってもらって町中を走ったりした。地味だったが、必ず伝えられる。これを信じていれば、一番大きな情報伝達となる。
意見交換(概要)
■市民の手で市長を選ぶというのに興味を持った。私は学生なので何をしたらいいのかよくわからない。
■何でもできると思う。一人だけでも非常に助かる。宛名書き、電話掛けなど、何でも助かる。京都市民は徳島県民よりも数が多い。思いを持った人がつながるのが大事だ。
■取組そのものを盛り上げていく必要がある。韓国の大統領選では若い人たちがインターネット
を通じ活躍した。京都でも若い人の参加で、このような取組を展開するのも一つの考えだろう。
■入会は、個人だけなのか。団体での入会も可能なのか。
■これまでの議論では、個人での入会を考えている。しかしその背景に団体のネットワークがあるのは構わないと思う。
■入会の資格について、団体の加入があるのは問題だと思う。憲法で定められている投票の資格は個人。今までの選挙は、団体が構成員を出し、政策は間接的に候補者に伝えられていた。私は個人を相手に話ができる人が好ましいと思う。
■個人の取組は大事。市長選は個人のつながりで動くべきだろう。むしろ団体が動かざるを得ないような運動にしたらいい。
■徳島では、可動堰反対という論点があったが、京都市では何を論点とするのか。
■具体的な論点のもとに賛成/反対というのはわかりやすいが、京都では仕組みを作っていくと言うことに意味があると考えている。