訴状より
 昭和40年ごろまでは、本件し尿処理施設より、黄色い汚水をすぐそばにある川に放流していた。このため悪臭が周辺一帯に常時充満しており、バスで本件し尿処理施設の前を通る時には、みんな鼻をつまんでいたというありさまであった。

 そのうち本件し尿処理施設の処理能力以上の量のし尿が発生するようになり、一部だけを福岡市に委託して海洋投棄してもらうようになったが、その分のし尿も本件し尿処理施設に一時保管された上で搬出されるため、悪臭は何ら変わることはなかった。

 昭和57年には、し尿の全量を福岡市に委託して海洋投棄を行うようになったが、本件し尿処理施設は、搬出されるまでのし尿の積み替え用、中継層として使用され続けた。このため、やはり本件し尿処理施設周辺に悪臭がすることには何ら変わりはなかった。

 このため、周辺住民は被告に対し、本件し尿処理施設に対する臭気対策及び早期移転を求めてきたが、被告は有効な対策は取らずに放置し続けた。

 また、町内会では、被告に対し、前述した本件焼却施設の問題とともに改善を申し入れ交渉を継続してきたが、被告はやはり有効な対策は取らずに放置し続けた。
し尿処理施設の   操業と被害の発生