焼却施設廃止発言  とその不履行
 本件焼却施設に対する周辺住民からの苦情が耐えないことから、昭和62年、当時の町長は、志免町議会において、本件焼却施設が老朽化し、被告の、人口増加により本件焼却施設では処理能力が不足している事を理由として、本件焼却施設を廃止し、他の自治体と共同してボタ山跡地に新焼却施設を建設することを検討すると発言した。

 さらに、昭和63年2月、被告が本件焼却施設の大規模な補修工事しようとしたところ、周辺住民が大規模な補修は本件焼却施設の長期延命化をもたらすと危惧してこれに反対した。これに対し、町長は、6年後には必ずボタ山跡地に近隣自治体と共同の新焼却施設を完成させると言明して、周辺住民から、大規模補修の合意を取り付けた。

 しかし、ボタ山跡地での新焼却施設建設計画は実現しないまま、平成6年には、本件焼却施設の補修工事前には必ず周辺住民と事前協議をするするとの約束になっていたにもかかわらず、被告が本件焼却施設の煙突補修工事を周辺住民に知らせず秘密裏に行おうしていたことが発覚し、周辺住民の反対するところとなった。

 その後、周辺住民と被告との交渉の結果、被告は、平成8年度末を目途に新焼却施設についての建設計画を進め、遅くとも平成16年9月末実までには本件焼却施設を必ず廃止する事を約束し、また廃止までの間は本件焼却施設から排出される有毒ガスの除去に最善の努力を重ね、地元住民の健康面での安全性を第一に考慮した施設の補修を行うことを約束した。

 このため周辺住民はやむなく煙突補修工事を了承した。
訴状より