平成7年6月16日に、開催された志免町環境審議委員会において、被告の担当者によって1日あたりの焼却ごみが20トンを超過するようになったため、昭和54年から、毎日夜間において、公害防止のために不可欠な煤煙などの処理装置を停止させたまま、監視もおかずに、平均して1日約5トンものごみを焼却し続けていた事実が明らかにされた。
 
 このため、志免五町内会では、夜間窓を閉め切っておくなどして本件焼却施設から排出される煤煙に注意するよう全戸にチラシを配布して呼びかけるとともに、被告に対して夜間操業の停止を求めた。しかし、被告は、夜間操業が発覚してから約1ヶ月も夜間操業を継続していた。
 
 なお周辺住民の要求により被告が夜間操業により排出される排ガス中のダイオキシン濃度を測定したところ、230ng/N・TEQもの高濃度のダイオキシンが検出された。旧厚生省は緊急対策が必要なダイオキシン類の濃度を80ng/N/TEQとしている(恒久対策としては新設炉としては基本的に0.1ng/N・TEQ以下に排出規制している。)したがって、本件焼却施設の夜間操業によって排出されていたダイオキシン類は、緊急対策が必要な濃度の3倍近くもの高濃度であり,本件焼却施設はこのような猛毒を17年間にわたって毎日排出し続け、住民はこれを吸わされていた事になる。
 
 このため、平成7年12月には、周辺住民代表が、町長を廃棄物処理違反により福岡検察庁に告訴までしている。

 
 また、平成7年9月には、大気汚染防止法の規定に基づき被告が行っていた、本件焼却施設から排出される煤煙の濃度測定結果が、平成2年から毎年、同法の排出基準を超えていたことが明らかになり、福岡県の公害課より被告に対して改善勧告がなされた。


 さらに、同じころ、被告が、約8年前から、収集した可燃性粗大ごみを焼却灰の埋立地において野焼きしていた事が発覚し、さらには、被告が、本件焼却施設から出た焼却灰を野積み状態で放置している事実も明らかになった。

 
 以上のような、被告の廃棄物処理対策の杜撰さは、マスコミでも連日報道された。このため被告の廃棄物処理対策の杜撰さは全国的にも注目され有名となってしまった。
訴状より
被告の  違法操業の発覚