酷酔夢譚 KOKUSUIMUTAN

千倉発

酷酔夢譚

1996.6.29-


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酒を飲みつつ見た聞いた考えた

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97/08/26 SUPER DRY

伝説というものはきっといつでも生まれていくものだろう。

シラマヅ地区にヨーコさんというオンナアマがいる。ヨーコさんは遠くの人だが見初められてシラマヅに嫁に来た。最初のころはぜんぜん潜れなかったが練習していつしか一人前の海女になった。

ある時ヨーコさんがTVに出ることになった。水泳のコーチと潜水時間を競う、という企画だった。本番が始まってプールに潜ったとたんに鼻がツーんとしてヨーコさんはあっけなく浮上してしまった。

悔しくて悔しくてヨーコさんはTV局に掛けあい、シラマヅの海で再戦することとなった。身体が浮きそうになると海底の岩にしがみつき、圧倒的な強さを発揮してヨーコさんは雪辱を果たした。

僕はヨーコさんという人とは面識がないのだが、この話をしてくれた人のいうことには、最初に負けたときに彼女は「本領を発揮することができなかった自分が情けない、海女の仲間に申し訳がない」と毎日毎日言っていたそうだ。