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うちのじいさんというのは酒で身上をつぶすような人だったらしい。ただし、ものすごくきれいな飲み方だったと言われている。

生前、ちょうど僕が酒を覚えたころによく言われた。曰く、酒を飲みに行く前には八分目の飯を食っておくべし。又曰く、宴席などで酒をすすめられて「もう結構」と言うなら、後は決して酒を口にしてはいけない、結構と言うときには必ず盃を伏せるべし。

あれから二十余年。僕はまだ酒の飲み方が汚い。