ほうきを持って道を歩いているとゴエムのじーさんが、昔の正月行事を教えてくれました。
元旦の朝、若水を汲みます。一家のご主人の仕事です。若水という特別の水があるわけではなく、1年の最初に汲む水を若水というのです。若水を汲むためのヒシャクやバケツはミテカザリという注連縄をはってあります。
元旦は若水以外の仕事はしません。神社の初詣やお寺に年始も元旦に上がります。
2日は鍬はじめや乗りはじめが行われます。
鍬はじめは、農作業の開始です。
乗りはじめというのは、船の正月行事です。大漁旗で飾った漁船から、もちやミカン、お金などを撒きます。みんな船のまわりに出てそれを拾います。私の子供のころ、千倉の港にミカンやお金を拾いに行った記憶はあります。千倉の港には、もはやそんな大きな船もなくなってしまいました。
先日、富浦の食堂で飯を食っていたら乗りはじめに行ってきた、という人に会いました。館山市船形地区では今でも乗りはじめが行われているそうです。ただしみかん投げは、船の上からではなく、陸に止めた軽トラックの上からやってたと言っていました。
3日は何もしません。
4日は山はじめです。山仕事や竹や枝の伐採ができるようになります。
5日は何もしません。
6日は肥はじめです。畑の施肥ができるようになります。
7日は七草です。七草粥を食べます。正月はこの日で終わります。 今は、初詣やお寺の年始を除き、ほとんどの行事が行われません。おそらく知る人も少ないことでしょう。
»2008.1.3