さとう動物病院
  長野県 千曲市
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猫の子宮蓄膿症
種類
性別
年齢と体重 6歳、3.8kg
症状と診断
激しい下痢をしたとのことで受診されました。体温は39.7℃、糞便検査で寄生虫およびキャンピロバクターは陰性でした。細菌性の下痢を疑い抗生物質(オルビフロキサシン)を皮下注射、飲み薬を投与できないとのことで数日間の通院を指示しました。
翌日の受診で、体重が4.1kgに増加し、腹囲も膨満していました。過去に膀胱炎を患ったことがあるとのことで、血液生化学検査を実施。排尿していることを確認し、抗生剤の投与を継続しました。
3日目の受診で、レントゲン検査を実施したところ、子宮の著しい膨大を認め、子宮蓄膿症と診断しました。この時にいたって、当初の激しい下痢と思っていたことが、じつは子宮からの膿汁漏出であったことが判明しました。
細菌検査成績 子宮からの膿汁について塗抹染色標本を作製し鏡検したところ、多数の白血球とともに、桿菌の集塊が認められました。
細菌分離成績では、溶血性を示す大腸菌が純粋かつ多量に分離されました。
分離大腸菌の薬剤感受性試験は以下のとおりです。
セフメタゾール(++)、リンコマイシン(−)、ドキシサイクリン(++)、クロラムフェニコール(++)、オルビフロキサシン(++)
血液生化学
検査成績
TP(7.4g) ALB(3.2g) ALP(63U) BUN(21.5mg) CRE(1.7mg) GLU(109mg) GOT(41U)
処置と経過 外科的療法と内科的療法を説明し、飼い主さんの強い希望で、内科的療法により処置しました。
開放性の子宮蓄膿症に効果が認められている、プロスタグランディンを5日間投与しました。また大腸菌が多量に分離されたことから、有効薬剤のオルビフロキサシンとクロラムフェニコールを8日間投与しました。経過を観察するため、プロスタグランディンの投与を終了した3日後と16日後にレントゲン検査を実施し、子宮が腫大していないことを確認しました。
腹部のレントゲン写真。
紡錘形に腫大した子宮(矢印)が、下腹部の半分近くを占めています。
子宮から漏出した膿汁の塗抹染色標本(ヘマカラー)。
多量の白血球と桿菌の集塊が認められます。
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