さとう動物病院
  長野県 千曲市
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佐藤動物病院

 当院では、顕微鏡を用いて寄生虫の検査を実施しています。検査は糞便、皮膚、血液について行います。通常のルーティン検査では迅速に行うため直接鏡検(無染色)で判定しますが、精密検査では必要に応じ染色を施してから判定します。染色はヘマカラー液、ギムザ染色液、ヨード液を用いています。このページでは、当院で検出された寄生虫の虫体や虫卵などの画像を、逐次紹介する予定です。
▲犬のジアルジア
激しい下痢を示していた2カ月齢の子犬(チワワ)から検出されたジアルジア(ランブル鞭毛虫)。下痢便から検出される栄養型虫体で、ヨード染色を施したものです。洋梨状の形と2つの核が特徴的です。

子犬から検出された、ジアルジアの栄養型虫体(直接鏡検)。木の葉が舞うような、特徴的な動きをしていました。
▲犬のジアルジア
ヘマカラー染色を施したジアルジアの栄養型虫体。洋梨状の虫体が集団で認められます。
ヘマカラー染色を施したジアルジアの栄養型虫体で、8本あるとされている鞭毛も、左側になびくように染色されています。虫体の周囲にこぶのように見えるのは細菌です。
▲犬のコクシジウム
下痢を示していた3カ月齢の子犬(紀州犬)から検出されたコクシジウムのオーシスト(直接鏡検)。

左と同じくコクシジウムのオーシスト。核が2つに分裂し、イソスポラと呼ばれている種類の特徴を示しています。
▲猫のマンソン裂頭条虫
5歳の雄猫の糞便から検出された、マンソン裂頭条虫の虫卵(直接鏡検)。最近、痩せてきたとのことで受診されました。カエルを食べることで感染し、猫に多く見られます。「カエルを食べる癖がある」という犬からも検出されたことがあります。

駆虫により、2歳の雌猫から排泄されたマンソン裂頭条虫の虫体。最も長い虫体は1メートル以上もあり、下の30cm定規が小さく見えます。
▲猫回虫
2歳の雌猫の糞便から検出された猫回虫の虫卵(直接鏡検)。糞便中に排泄された虫卵は、10〜20日後に感染力を持つ成熟卵となり、他の猫への感染源となります。またこの猫回虫は人にも感染し、幼虫が内臓や目に移行し障害を与えます(幼虫移行症)。
3カ月齢の雄猫の糞便から検出された猫回虫の虫卵(直接鏡検)。幾分、赤紫色を帯びていますが、大きさと形態から回虫卵と判定しました。
猫回虫は、母猫から子猫に乳汁を介しても感染します(母子感染)。
▲犬回虫
左:ワクチン接種のため来院した、3カ月齢の子犬の糞便から検出された犬回虫の虫卵(直接鏡検)。
右:外耳炎のため来院した、4カ月齢の子犬の糞便から検出された犬回虫の虫卵(直接鏡検)。
犬回虫はほとんどの場合、母犬から子犬に胎盤もしくは乳汁を介して感染します(母子感染)。母犬から感染した場合、生後21日以降に子犬の腸管内で成虫となり、糞便中に虫卵を排泄します。排泄された虫卵は、10〜20日後に感染力を持つ成熟卵となります。この成熟卵を4カ月齢以上の犬が摂取しても成虫にまで発育せず、肝臓や肺、腎臓などの臓器内に幼虫として潜んでいます。またこの犬回虫は人にも感染し、幼虫が内臓や目に移行し障害を与えます(幼虫移行症)。
右:犬回虫の成虫です。
▲犬のトリコモナス
左:ワクチン接種のため来院した、2カ月齢の子犬の糞便から検出されたトリコモナス原虫(ヨード染色)。前鞭毛と呼ばれる5本の鞭毛で、もそもそと回転するように動いていました。
右:ギムザ染色を施したトリコモナス原虫。トリコモナスに特徴的な波動膜と呼ばれる膜が、右側に染色されています。
トリコモナス原虫は正常な犬の糞便からも検出され、必ずしも強い病原性を示すわけではありません。しかしキャンピロバクター(らせん菌)やコクシジウム(原虫)など、他の病原体との混合感染により、血便や下痢などの症状を示し、とくに幼犬で問題となります。
◆犬の糞線虫
ワクチン接種のため来院した子犬の糞便から検出された、糞線虫の第1期幼虫(直接鏡検)。
糞線虫は、糞便中に孵化直前の含仔虫卵、もしくは孵化直後の第1期幼虫の形で排泄されるのが特徴です。
感染は仔虫(第3期幼虫)を経口もしくは経皮的に摂取・接触することにより成立し、血液循環、肺を経て小腸で成虫になります。
犬の糞線虫症は子犬で問題となり、しばしば致死的な急性出血症を起こすといわれています。
▲猫の壷形吸虫
激しい下痢と削痩で来院した3歳の雄猫の糞便から検出された壷形吸虫の虫卵(直接鏡検)。
マンソン裂頭条虫と同様に、カエルやヘビを補食することにより感染します。この猫からはマンソン裂頭条虫卵も検出されたので、両者ともカエルを食べて感染したのでしょう。
▲猫鈎虫
前述した壷形吸虫卵が検出された猫からは、猫鈎虫卵もたくさん検出されました(直接鏡検)。
テキストに示されていた写真よりいくぶん細長い感じがしましたが、虫卵の大きさと卵細胞の分裂像から鈎虫卵と判定しました。感染経路は母猫から胎盤もしくはミルクを介しての感染、あるいは糞便に排泄された卵が感染仔虫となり経口・経皮的にも感染します。
まれに感染仔虫が人の皮膚から浸入し、一過性の炎症を引き起こすことがあります。
▲犬鞭虫
3歳のビーグル犬から検出された犬鞭虫の虫卵(直接鏡検)。草を食べたり嘔吐したりすることがあるとのことで受診されました。まれに人も感染することがあるので注意が必要です。
3歳の犬の皮膚から検出された、イヌニキビダニの虫体(直接鏡検)。ニキビダニは毛包虫症を引き起こす、皮膚の寄生虫です。毛包虫症は、3〜6カ月の子犬に発生した場合、自然に治ることが多いといわれていますが、成犬や老齢の犬に発生した場合、その治療はとても大変です。
ウサギの皮膚から検出されたウサギズツキダニと思われる寄生虫。毛をかき分けると、毛の中程に黒い点のようになってたくさん付着していました。写真は雌と思われますが、特徴的な形をした雄を検出すれば、種の特定がより確実になります。
4カ月齢のミニチュアダックスの耳から検出されたミミヒゼンダニ。ミミヒゼンダニが寄生すると、耳の中に黒色の耳垢が付着し、その中にモソモソと動いているダニが顕微鏡検査で観察されます(右写真)。
疥癬症に罹患した犬の皮膚から検出されたイヌセンコウヒゼンダニ。先のミミヒゼンダニよりも足がいくぶん短く太いのが特徴(左写真)。右の写真には虫体とともに、卵円形を呈した虫卵が多数認められます。駆虫薬のイベルメクチンは卵には効果がないので、卵が孵化し成長した頃をみはらかって、2回目もしくは3回目の投薬が必要です。
 イヌハジラミ
 まだ2カ月齢の小さな子犬の皮膚に、驚くほどたくさん寄生していました。ブリーダーさんの衛生管理があまりよくなかったのでしょう。 
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