さとう動物病院
  長野県 千曲市
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ウサギの毛球症(手術例)
 患者さんは4歳の雄ウサギです。3日ほど前から、ほとんど何も食べず元気がないとのことで受診されました。腹部の触診とレントゲン検査により、毛球症と診断しました。パイナップルジュースを給与するとともに、消化管の運動促進剤と食欲増進剤の経口投与を指示しました。この処置を10日間継続したところ、元気になったとのことでした。
 しかしその後、症状が再び現れ、初診時には1.86kgあった体重が、3週間後の受診時には1.38kgまで減少していました。触診で胃内に毛球と思われる多量の塊が触知され、内科的処置では改善が期待されないため、胃を切開して毛球を取り除く外科的処置を説明しました。食欲不振が続いたため衰弱が激しく、手術前のレントゲン検査では腸内にガスの貯留も認められたため、手術には危険が伴うことを飼い主さんに説明したうえで、手術を行いました。
 手術は安全な吸入麻酔下で実施しました。胃は膨満し凝固物で満たされており(写真)、切開し内部から多量の凝固物を除去すると共に(写真)、胃の洗浄も実施しました。
 手術後、すぐには麻酔から覚めずハラハラさせられましたが、保温と救命処置により、目を覚ましました。その日の内に退院し、抗生物資の投与を指示しました。手術後3週間ほど不安定な時期があり、点滴とビタミン剤の投与を3回行い、体重は1.12kgまで減少しましたが、危険な時期をどうにか乗り切りました。
 現在は、当院で販売している繊維成分の多いウサギのフードをしっかりと食べているとのことです。このウサギは毛が長く柔らかいタイプで毛球症になりやすいため、必要に応じてブラッシングをするように指示しました。毛球症の予防には、繊維成分の多いフードを与えると共に、抜け毛を食べさせないような配慮も必要です。
胃は凝固物で著しく膨満しています。 胃の中から取り除いた毛球の塊です。
たくさん入っていました。
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