さとう動物病院
  長野県 千曲市
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猫の子宮蓄膿症
種類 ウサギ
性別
年齢と体重 2歳、2.65kg
症状と診断 尿に血が混じっている(血尿)とのことで受診されました。元気、食欲もないとのことです。体温は39.8℃で、ほぼ平熱でした(ウサギの平熱は39.5℃)。
尿石症を疑い、レントゲン検査を実施しましたが、膀胱内に尿の貯留は認められず、明らかな結石も観察されませんでした。
レントゲン検査で子宮の腫大を認めたことから(写真参照)、血尿ではなく子宮からの漏出液と判断し、卵巣子宮疾患と診断しました。
卵巣子宮疾患は性ホルモンの不均衡によって発症すると考えられ、子宮内膜炎、子宮蓄膿症、子宮水腫などの疾患がウサギでは多く認められます。
処置 卵巣子宮疾患の根本的治療法は、卵巣子宮摘出術であることを飼い主さんに説明し、手術を実施しました。
手術の結果、子宮の腫大と子宮内膜の著しい出血が認められ(写真参照)、子宮内膜炎と診断されました。
子宮内膜炎には細菌感染も大きく関与することから、エンロフロキサシンを10日間、処方しました。
細菌培養成績 子宮内膜の細菌検査を実施したところ、ブドウ球菌が分離されました。
分離されたブドウ球菌の薬剤感受性試験は以下のとおりです。処方したエンロフロキサシンには、中程度の感受性が認められました。ウサギは使用できる抗生物質が限られているため、その選択には大変苦労します。
  ミノサイクリン(++)、オキシテトラサイクリン(++)、 クロラムフェニコール(++)、
  エンロフロキサシン(++)、オルビフロキサシン(++)、
  スルファモノメトキシン・オリメトプリム(−)
本症の背景 子宮周囲を含む腹腔内に、多量の脂肪組織が付着していました。これは給与していたフードが果物やカロリーの高い市販のフードが主体で、本来、ウサギに給与しなければならない繊維成分の多いフードが足りなかったためと考えられました。不適切なフードの給与がホルモンバランスを崩し、本症の発生を誘発した可能性が背景として考えられました。
繊維成分の少ないフードの給与は、毛球症や歯の不正咬合など、様々な病気を招きやすく、飼料の改善と減量を指示しました。
腹部のレントゲン写真。腹腔内に腫大した子宮が認められます(矢印)。 摘出した子宮と卵巣。子宮角は中程度に腫大し、著しく赤色を帯びています(矢印)。
子宮の周囲に多量の脂肪組織が付着しています。
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