瀬越先生の著作より(終わり) 


   

         善く敗るものは乱れず

   昔中国の孫子の書いた言葉に

   善く敵に勝つものは争わず

   善く陣するものは戦わず

   善く戦うものは破れず

   善く敗るものは乱れず

   という言葉が記述されているが、味わうほど意味のある字句だと思う。布石で

争いをせずに堂々と勝つことが一番良いし、布石を有利に打ってあれば戦いをす

る必要が無く、中盤の戦いで<善戦して負けないのがその次ぎ、負けてもメチャ

メチャにならずに、終局に導くのは技量が無くてはできない。と私なりに解釈し

たが、私は終わりの句がいちばん良い字句だと思う。これは大家といえども、

かなかできないことである。

以下   塚本   記)

瀬越先生のエッセーはまだ3つ程残っておりますが、私の判断により、これで打

ち切らせていただきたいと思います。

   今度は関西棋院の牛窪義高九段のエッセー(月刊○○の読者の質問に答えたも

のと書いてあります)が出てまいりましたので、ピックアップしてそれを順次掲

示板に掲載していきたいと思います。こちらの方が面白いようです。

  ところで、こういうのは、作者とか、出版社とかに断って掲載しないと、著作権

法とやらに触れるのでしょうかね。法律に暗くて全然分からないのですが。

分かる人教えてください。まずければ、掲載はやめますが。