高原の風に吹かれて体の内側からリフレッシュ 蓼科


今回の旅のレポーターは、私、マダム・サンマが務めさせていただきます。というのも、今回の旅の目的は、私たちの「ファスティング体験!」だったからです(今、「ファスティングって何?」と思ったあなた、ちょっと遅れていますよ)。

ファスティングとは、つまり断食のことです(今、「えっ、あの食い意地の張ったマダム・サンマが断食?」と笑い転げたあなた、あとできっちり話をつけようじゃないの)。

断食というと、道場とかお寺で座禅なんかしながらの「つらい」イメージですが、、最近流行りのカタカナで書くファスティングは、リゾート気分で、リラックスしながら断食できるというのがセールス・ポイントです。

ダイエット目的で話題になることの多いファスティングですが、本来の目的は「体内リセット」。つまり、固形物をとらないことで、胃腸などの内臓を休ませて、その正常な働きを取り戻し、同時に、通常消化に使われるエネルギーを他の機能の向上に役立てようというものです。また、エネルギー摂取量を最小に押さえることで、ホルモンや自律神経などの体の調整機能を活性化させ、脂肪の燃焼を促し、毒素や老廃物を排出させる効果もあると言われています。

成人病や肩こり、便秘などにも効果があるということで、以前から興味を抱いていたのですが、偶然、ペット連れプランのあるファスティング施設を雑誌で見つけ、夏休みを利用して挑戦してみることにしました。(でも、途中で挫折したらどうしよう)。

行ったところは、「ファスティング・アリーナ蓼科」。ただし、ペット連れは、本館ではなく、近くにある同じ経営のペンションに泊まります。(そのペンションについては予約の段階でしつこいくらい念を押され、了解の上で行ったのですが、やはり多々問題があり、その点については、お宿紹介のページで触れますので、ここでは、ファスティング体験を中心にレポートしますね)。

ファスティングは、普通、断食した期間と同じ日数をかけて食事を元に戻していきます。2泊3日の週末お試しコースから、長期では21日間滞在した人もいるそうですが、スタンダード・コースは5泊6日、私たちは、ちょっとゆったりめの7泊8日のコースを選びました。

さあ、まずは蓼科に向けて出発。新宿から「あずさ」に乗って、茅野駅下車。ここから送迎の車に乗って、施設のある女神湖に向かいます。

電車の中で食べたお昼ご飯。
これが断食に入る前の最期の食事・・・(涙)。
ファステリング・アリーナ蓼科。
古いリゾートホテルを改装した建物で、
見た目はちょっとボロいけど、
中はきれいにリフォームされています。


ファスティング・アリーナ蓼科に到着すると、まず、事前に送られてきた質問表をもとに看護士さんによる問診が行われ、心電図を取られます。その後、近くの診療所で、医師による診察を受けて、最終的に断食を行っても良いかの判断が下されます。(この期に及んで、ひょっとしたらダメって言われるかも・・・なんて淡い期待を抱いたのですが、先生の太鼓判を押されて、結局、ファスティング開始が決定・・・涙)。

断食する前から既にバテている
ムッシュ・サンマ。


そうしているうちに、もう晩ご飯の時間。いよいよ、ファスティングの始まりです。夕食のメニューは、なんとジュースだけ・・・。

グレープフルーツ、リンゴ
メロン、無調整豆乳
オリゴ糖
えーん、もう飲んじゃいました。


ファスティング中は、朝晩2回のフレッシュ・ジュースと、昼と就寝前の特製栄養ドリンクだけで過ごします。このフレッシュ・ジュースがとっても美味しい♪。辺りを見回すと、すでに回復食に入った人がおいしそうな食事を食べているのを横目で見ながら、ファスティング中の人々が、むっつり黙って一杯のジュースを何分もかけてゆっくり飲んでいます。1人で参加している人が多いせいか、あまりおしゃべりする人もおらず、男性の参加者は、まるで苦行僧のような表情なのが可笑しい・・・って、人のことは笑えない。

あーあ、今夜は眠れるかしら。お腹がすいて目が覚めちゃったらどうしよう。


2日目

ひさしぶりにクーラーをかけずに寝付いたせいか、思いのほかぐっすり眠れた翌朝、朝食の時間ですが、やっぱりメニューは、ジュースだけ・・・。

ニンジン、リンゴ
オレンジ
えーん、やっぱり
あっという間に飲んじゃいました。


ファスティング中は、脱水症状に陥りやすいので、1日に2リットルの水分を取ることが推奨されます。といっても、飲んで良いのは食堂に用意されたミネラルウォーターやハーブティー、健康茶だけ。ガムや飴も禁止です。

10種類以上のハーブティーが並び
自分で好きにブレンドできます。
スギナ茶やハブ茶など健康茶も種類が豊富。
サンマのお奨めはコーン茶。


で、肝心な空腹感なんですが、自分でも意外なほどに空腹感は感じませんでした(今、「普段あれだけ食ってるから・・・」と思ったあなた、アタシもそう思う・・・笑)。口寂しいとか、「トンカツ食べたい」と思うことはあっても、お腹がぐるぐる鳴ってひもじくて仕方がないといったことは、ファスティング期間中一度もありませんでした。看護士さんに聞いたら、ジュースによってブトウ糖が脳に供給されるため、結構、空腹感を感じない人は多いそうです。普通一番つらいのが初日で、それを過ぎると、体がいわゆる冬眠モードに近くなるので、それほど空腹感を感じないものだそうです。ちょっと安心。

考えて見れば、普段、本当にお腹がすいて食事をしていることってあるでしょうか?お腹がすいたというより、お昼の時間だから何か食べなくちゃとか、頭で「あれが食べたい」と思って食べていることのほうが多いような気もします。

それよりサンマが悩まされたのは、頭痛。恐らくコーヒー中毒によるカフェインの禁断症状だったらしい。このほか、体質改善につきものの、だるさや湿疹などのいわゆる好転反応が出ることもあり、そうした場合、ここでは薬は処方せず、サプリメントで対応するそうです。サンマはミント・オイルのマッサージ・オイルを作ってもらい、それでずいぶん楽になりました。

滞在中は、毎朝、検尿と看護士さんによる問診があります。検尿というのは、尿に含まれる脂肪の燃えカスであるケトン体の量を調べるもので、数値が高くなれば、それだけ脂肪が燃えたことを意味し、体重や体脂肪率測定とともに、これが毎日の密かな楽しみでした。(ダイエットが目的ではないものの、数字で結果が出るのってわかりやすくて快感!)。

それ以外は、特に決められたプログラムはなく、一日中自由に過ごしていいんですよ。館内には、寝転がれる畳の休憩室や、暖炉や大型テレビのあるロビーがあり、DVDを借りたり、小さいけれど図書室もあります。希望者には、近くにある陶芸教室への送迎もしてくれます。

湖に面して眺めの良いレストラン レストンの前に広がる
女神湖を望む中庭


そして夕食は、またジュース。

パイナップル、オレンジ、
ニンジン、白菜、無調整豆乳
僕は断食なんかやらないよ!

続く