近所の巻

今日も良いお天気なので、ママと一緒にお散歩です。どこへ行こうかな。あれ、さっそくワンコがやってきた。
ジャッキー君だ。黒いロンゲに赤いシャツがとってもお洒落。

だけど、僕、男の子に興味ないんだ。
だからあんまり寄って来ないでね。

それなのに、ジャッキー君たら、ブンブン近づいてくる。

ウーガウガウ!!

「まあ、稀典ちゃんたら、ガウガウだなんって、下品でしょ」

ほら、怒られちゃったでしょう。だから寄って来ないでって言ったのにぃー。

ここは、この辺に住むワンコにとってのランドマークとも言える地元の某信用金庫の建物です。。。

僕も、この前を通ると必ずマーキングするよ。

だって、ここにやっとかないと、「あれ、稀典、最近どうしてんの?」とか言われちゃうもんね。

だから、地面に近い部分の色がすっかり変っちゃってます。

でも、ママ曰く…
「これだけ多くのワンコがマーキングしても大丈夫なんて、ひょっとしたらこの信金って、すっごい健全経営なのかも。今度預けてみましょう。」
そこへ、恐るべきダックス軍団登場。

さすがの僕も、数で迫られるとタジタジ。

さっきも言ったけど、僕、男の子に興味ないんだってば。

ガウガウ!
「おう、若いの。何をガウガウ言っとるんじゃい」

最年長の銀次君です。

さすが親分、帽子の被り方にも風格がありますね。

若輩ものではありますが、どうぞお見知りおきを。

「殊勝な態度だ。頑張れよ」
ああ、今日は男の子にしか出会わないのかな。
つまんないな。もう帰ろうかな。

ママったら、何見てんの?帰ろうよ。

「あら、稀典ちゃん、ちょっと素敵なフレンチ・レストランよ。
シェフはフランスで修行したんですって。今度来て見ましょう。」

はいはい、どうせ僕はお留守番でしょ。

おフランスで修行したからって何さ。
おフランスのレストランはミシュランの3つ☆でもワンコOKなのに、日本じゃ、ワンコの入れるフランス料理のレストランなんてないじゃん。

そろそろ帰ろうよ。

と、そこへ現れたのは、一匹の女の子チャン

あれっ、君は、いつも角のお家の2階の窓から外を見ているお嬢様ダックスちゃん?

僕はずっとあなたに会いたいと思っていました。
恥ずかしそうにうつむく姿が何て可憐なんだろう。

君こそ、僕の運命の女性だ。ダックス姫、僕をお婿さんにしてくださーい。
ポカッ! 痛ぇー。

「稀典ちゃん、しつこくしないの!ダックスちゃん嫌がってるでしょ!」

あーあ、また怒られちゃった。でもいいんだ。だって、ついに君に出会えたんだもん。
今度会う時は、きっとラブラブしようね。

今日も良いお散歩だったね。


おしまい

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