バーネットヒル 清里



バーネットヒルは、ファッション雑誌で見るようなイギリスのカントリー・インの雰囲気そのままの、マダム・サンマとしては、本当は人に教えたくないほどお勧めの大人の宿です。犬OKのお部屋は1つだけ。でも、決して犬連れ客にフレンドリーでないわけではなく、オーナーさんは犬飼い歴の長いベテランの飼い主さん。ヨーロッパのように、犬連れの旅が特別なことではなく、自然な生活の一部となった上級者向けの宿といえるかもしれません。

緑豊かなモロアの森の中にあり、とても静かで、ダイニングのテラスには、野鳥やリスが遊びに来ます。それでいて、ドッグランやワンコOKのカフェもあるコートドゥヴェールまで歩いて5分という便利な環境。開業して20年という老舗のペンションながら、実に手入れが行き届いていて、古さをまったく感じさせないのには、感銘を受けました。まさに上質な時間の流れるペンションです。・・・なので、ハイシーズンは早めに予約しないと、競争率はかなり高いです。


犬OKの部屋は1階で、部屋から直接外に出られるます。
しかも、部屋の扉は2重で、さらに、外側に頑丈な木の柵もあるので、犬が外に飛び出す心配はありません。
柵の内側には、犬の足洗い場があり、リードを繋げるフックもありますし、ベンチもあるので、小型犬が散歩のあとのブラシをかけるのも便利です。
足洗い場のシャワーは、非常に細かい水流で、稀典のような小型犬でも、水が飛び散って体中水だらけになることがなかったのには、感心しました。

庭には、呼びのきく子なら自由に走り回らせることのできる広場があります。稀典はダメだけど・・・。


1階でも、角部屋なので、窓が2つあって明るく、床暖房がヌクヌクと暖かい。
大型犬でも十分大丈夫の広さで、しかも天井が高いので、ゆったりした雰囲気です。
室内はシンプル・イズ・ベストの極みで、ベッドとソファーとサイドテーブルにランプのほかは、何もありませんし、備品もタオルのみ。
でもソファーにもカバーがかけてあり、万が一ワンコが上に乗っても大丈夫。
トイレとお風呂場は共用ですが、とても清潔で、気持ち良かったです。
もちろん備え付けの冷蔵庫もないのですが、稀典用の食事を預かってもらえるよう頼んだら、こころよく引き受けてくれました。


食事は、味、量ともに、オーソドックスなペンションの洋食で、魚料理、スープ、肉料理、デザートのコースです。奇をてらっていないだけに、年齢を問わず誰もが安心して食べられそう。写真は2日目の洋酒の香りが食欲をそそるステーキ。

朝食は果物たっぷりで、自家製のヨーグルトも美味しい。

食事中は、犬はダイニングホールへ入室禁止ですが、食事が終われば、ダイニングや、それに続くバーに、お宿の看板犬も姿を現し、ワンコ歴の長いオーナーさんとワンコ談義を楽しめます。


このペンションには、お部屋にもサロンにもテレビというものがありません。その代わり、暖炉のある本格的なバーや、蔵書の豊富な図書室(難しい本だけでなく、いわゆるベストセラー物やサスペンスもたくさん、マンガもちょこっと)があり、秋の夜長も退屈することなく過ごせます。飲兵衛のムッシュは、お酒のグラス片手に、ジャズの流れるバーのロッキング・チェアーとすっかり同化していました。


お宿の看板犬奈々ちゃん。
虐待からレスキューされた奈々ちゃん、オーナーさんの愛情のおかげで、今ではすっかり落ち着きました。とてもおっとりした美人さんです。
このほか、捨て子だったところを先代犬の淳一郎君に見つけてもらって救われたミックス犬の卯月ちゃんも、ウルウルの目が可愛い女の子でした。


先代犬の淳一郎君は、今年の初めに虹の橋へ旅立っていきました。
最期は癌だったそうですが、11年にわたる淳一郎君との生活をオーナーさんの写真と文章でつづった本が出来ました。
犬飼い歴の長いオーナーさんにとっても特別印象に残る犬だった淳一郎君。これから犬を飼う人々に犬との生活、特に老犬との生活の本当の楽しさ、大変さを知ってもらいたいと、オーナーさん自ら出版社を作って出版した本です。東京では、紀伊国屋新宿店で買えるそうです。
詳しくは、お宿のサイトに紹介されています。

連絡先
バーネットヒル
山梨県北巨摩郡高根町清里高原
Tel:0551−48−3243
http://www.burnethill.com/index.html

2004年10月


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