天表春命(あめのうわはるのみこと)
 天上春命とも記し奉り、八意思兼命の御子である。
 旧事記によると、饒速日命(にぎはやひのみこと)が天磐船に乗って天降り遊ばされた時に率いた三十二神の一神で、御弟の天下春命と共に防衛の神として供奉せられた。
 阿智の川上を長への鎮まり処とせられ、信濃阿智祝部の祖先である。
 延喜式神名帳によると、信濃国伊那郡に阿智神社あり。思うに表春命の苗裔のこの地に在りし者、その居住の地に祖神を祀れるものが即ちこの社なるべしと。
 国幣小社戸隠神社宝光社の御祭神も天表春命である。

 (『伊那の御祭神(小笠原 賢太郎 著)』より抜粋)

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