奥山津見命(おくやまつみのみこと)
原山津見命(はらやまつみのみこと)
羽山津見命(はやまつみのみこと) 
 伊弉册尊(いざなみのみこと)は火之迦具土神を生み坐す時に、その火気に焼かれて崩じたが、憤った伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が御子迦具土神を斬り給いし時、これらの山の神々が生まれた。(八柱または五柱の神が生まれたという)

 迦具土神の死屍の腹に奥山津見命が成り坐し、死屍の左手に原山津見命が成り坐せりと古事記は伝えるが、書紀に此の神々の伝がない。
 死屍の右手には羽山津見命が成り坐せりと古事記は伝え、書紀一書は死屍の手より成れ坐すと伝え、羽山に代えて麓山の字をあてている。

 奥山は字の示す如く山の奥にて、端山(はやま)に対したる語で、奥山津見命は山の奥を守る神、羽山津見命は山の麓を守る神である。原山は嶺が平になっている山であるから、原山津見命は山の平になっているところを守る神である。

 (『伊那の御祭神(小笠原 賢太郎 著)』より抜粋)

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