園原へ来た近松門左衛門の曽孫
 園原に残る江戸後期の来遊者の寄書帳(熊谷秀二氏蔵)に、近松門左衛門の曽孫と名乗る人物の筆跡があります。俳句が左右ページに一句ずつ書かれていて

   「園原や今もむかしの月の影」
   「夜ならば嘸(さぞ)園原の月よかな」

とあり、後の句は「嘸その原や」と書いたのを、「や・かな」は俳句の嫌われものと気づいて「その原の」と訂正してあります。 前の句は即興としてまあ良いとして、後の「夜ならば…月よかな」は首をかしげさせられます。

 署名は前の方が「○○山、門左衛門曽孫、近松○子」、後の方は「○○山、近松○子狂○妻の○」とでも読むのでしょうか。門左衛門は「巣林子」と名乗ったといいますが、その曽孫さんの署名は長らく眺めていますがまだ解読できません。 (H8・9)
 
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