園原農協支所前の双体碑

 園原の農協支所の前に写真のようなちょっと変わった石碑があります。
道祖神かと思えば上部に「記念」と刻まれていて、道祖神ではないようです。碑の裏面には、「祖先」「熊谷」と横書きに彫ってあって、その下に「吉治郎・七十一歳時、たま六十二歳時、昭和二十六年八月八日」と刻字されています。園原の熊谷清さんにお聞きした「熊谷吉治郎自作双体像碑」の由来は、次のようです。

 この碑を建てた熊谷吉次郎さんは園原の生まれで、若いころは村外に出て働いていたが、帰村して横川の方へ少し入った所にある長平というやや平坦地を開墾した。勤勉な人で夜昼働いて五反歩ほども開田したが、思うことがあって中津川の駒場へ移住し、そこでも相当の耕地を開拓したが再度帰郷して、現在の農協の所に住み、今度は河原を開墾して二反歩余の水田と畑を作った。晩年に発心してあの碑を自作したが、彫ってある年号の昭和二十六年に亡くなった。右横にある像は早逝した孫真直十二歳の姿である、と。  (S62・8)

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