お姫様のお霊屋

 浄久寺の一言観音堂の西方数十mのところに、「お姫様のお霊屋」と呼ばれる小さなお堂があります。
 中には古びた位牌がおかれていて、「法杲院殿名誉貞珠大禅定尼」「寛永十八年十二月十六日」と書かれ、家康の側室となった林丹波の娘お松の霊をまつるためのものです。

 お松の生いたちについては諸説があって、本当のことはよくわかりませんが、同じ家康の側室であった宮崎泰景の娘「お仙」と共に、天正16年頃家康の身辺に仕えたことはほぼ間違いありません。お仙とは母子の関係とする中関宮崎系図は出来過ぎとも思われますが、今宮八幡宮を造立したり、八軒屋敷の発端にかかわることは確実な史料があります。宮崎氏とは深い血縁関係があると思われますが、その接点がよくわかりません。

 このお霊屋は大正4年に八軒屋敷関係の10人が再建したものでしたが最近改築されました。 (H1・7)

はじめに 総合目次 足あと 3章 愛郷 4章 さんまのメモ 更新記録
かつての「お霊屋」
現在の「お霊屋」