東嶺和尚の書状

先回ハ始遂登謁 三十年来素願十成自満仕御厚情之至忝奉存候
其後御家内盛夏之御障も無之候や承度奉入候
当会無事ニ相勤候 御心安思召可被下候
吾道大神之由来 漸相認進申候
是ハ誠略縁起ニて委曲之事ハ本書御覧可有之候
先ハ様子為御窺以使僧申入候
専使之信菓子一箱
以上、神前并名茶
一箱、献神後御賞味所希ニ候
御家内ヘ宣敷御一〔?〕可被下候

 六月廿四日
            東嶺(花押)
原清太夫様
   人々御中

【訓読】
先回は始めて登謁を遂げ、三十年来の素願十成、自満仕り、御厚情の至り忝く存じ奉り候。其の後御家内、盛夏の御障りもこれなく候や、承わりたく入れ奉り候。
当会(僧?)無事に相勤め候。御心安思し召し下さるべく候。
吾道大神の由来、漸く相認め進ぜ申し候。是は誠に略縁起にて、委曲の事は本書御覧これあるべく候。先ずは様子お窺いとして使僧をもって申し入れ候。
専使の信菓子一箱。
以上神前並びに名茶。
一箱、献神後に御賞味希う所に候。
御家内へ宜しく御一〔?〕下さるべく候。

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