14 駅にはどんな建物があったか?
駅にはどんな建物があったのか知りたいところですが、これに関する資料は全く残っていません。
これは参考にする程度のものですが、畿内の河内国丹比郡にあった駅家を「院倉八宇、屋二宇を以って当郡日根野に遷し建て正倉とす」というのがあります。
「宇」というのは、ここでは建物の数のことですから、丹比郡の駅の建物の「倉庫八棟と家屋二棟を当郡の日根野に遷し建て、郡の倉庫にした」というのです。
この丹比郡の駅の規模がよくわかりませんが、かりに東山道の普通駅と同じ位としますと阿知駅はその3倍の規模ということになりますから、駅田から収穫した稲(もみ)を収納する倉庫も20数棟ということになります。
今回の木戸脇遺跡の試掘調査でも建物の柱の跡が出てきましたが、それが駅舎の柱穴か、倉庫の柱穴か、または馬舎とか馬柵の柱穴か、私たちの想像をかきたててくれます。