6 阿知駅にはなぜ30頭の駅馬がおかれたか?

 阿知駅が他の駅にくらべて3倍の駅馬がいたのは、西側に神坂峠という険しい峠をひかえていて、その行路は標高が高く(1576メートル)けわしいばかりではなく、峠のむこうの坂本駅(岐阜県中津川)までの距離が当時の距離単位で74里(約40キロメートル)もあったためです。

 駅と駅の間の距離は通常30里(16キロ)とされていましたから、距離だけでも2倍半あり、それに岩石の多い悪路で天候も変わりやすく、人馬ともに大へん難儀をして越えたのでした。