蚊にさされると、蚊のつばがはいってきます。
皮膚にはマスト細胞という、蕁麻疹をおこす細胞がすんでいます。
「おっ、これは異物じゃないか。ヒスタミンを放出するぞ」
放出されたヒスタミンの作用で、血管は膨張し水があふれだし、
「つば」を希釈してうすくうすくして、リンパ管などをとおして、
運びさります。
水がもれるので、局所はふくらみ(腫れ)、血管が拡張するので赤くなり、
ヒスタミンは神経末端も刺激してかゆみがでます。
このわがままなマスト細胞をどうしますか?
蕁麻疹は、蚊がささず蚊のつば(異物)が皮膚にはいってこないのに、
同じような反応がおきる状態です。
膨疹はかゆみがありますが、
皮膚はまったく壊れていませんから時間がくれば、水も吸収され、はれもひき、跡が残ることはありません。
「とくに何もないが、気分が悪い。機嫌が悪い。むしがすかない。
ヒスタミンの放出じゃ」
という、わがままマスト細胞のなせる技です。
治療につかわれるのは、「抗ヒスタミン剤」。
抗ヒスタミン剤によって、ヒスタミンの作用をブロックすれば、
症状はでません。
抗ヒスタミン剤の作用で、蕁麻疹の症状は軽くすみます。
でもわがままマスト細胞が素直になったわけではないのです。
マスト細胞は蚊のつば以外にも、いろいろなことで影響をうけます。
皮膚を通して直接入ってきた
異物には勿論のこと、口から
入ってきた食事や薬にも反応
しますし、かぜのような感染症で体調不良な時にもヒスタミンを放出しやすくなります。
異物は皮膚から、口から、気道から入ってきます。
体に好ましからないものが入ってきたとき、マスト細胞はヒスタミンを放出し、
異物に対応していくのです。
「赤ちゃんが卵を食べて、全身に蕁麻疹がでました」という経験のあるお母さん、それは、マスト細胞が未熟な消化管を通ってきた「十分に消化されていないたんぱく質」に過剰に反応したのです。
蕁麻疹のでる時は
入浴をして体があたたまり皮膚の血管が拡張すると、じんましんはよく起きます。
カラシ、タカのツメ(とうがらし)など、スパイシーなものは症状を強くします。
子どもは(大人も勿論)ぐっすり睡眠をとることで、いろいろなホルモンバランスがとれます。
多種類のホルモンがでて、
成長もしますし、良好な体調がうまれます。
早起きをして、朝日をしっかり
あびることで、朝のホルモンが
十分に放出されます。
その朝のホルモンに:ステロイド・セロトニン・アドレナリンがあります。
朝のホルモン「アドレナリン」は元気な一日をおくる、戦いにいどむ、
エンジン始動のホルモンです。そして、このアドレナリンはマスト細胞を
制御する力を持っています。
朝、十分なアドレナリンの放出があるとき、マスト細胞は制御され、「ちょっとした間違い」ではヒスタミンを放出しません。
原因が解っている時は、原因を取り除いて下さい。
早ね早起きと健康的な生活をおくることで、十分な朝のホルモン「アドレナリン」が放出されれば蕁麻疹が制御されます。
でも、もし、子どもが(大人でも)夜遅くまでおきていて、朝も寝坊で朝食もとらず、毎日をすごせば、どうなるでしょう?
いろいろな不具合がおきてきます。はっきりとした理由もなく、蕁麻疹が続くとき、蕁麻疹はその不具合のひとつの表れ、休養と活動のバランスがくずれている合図です。
さぁ、蕁麻疹がでたとき、あなたはどうされますか?
薬?それとも、睡眠?