今年(2007年)6月末、首の前側が赤くガサガサに荒れ、A医院を受診。膠原病の検査は陰性で、診断はつかないまま、ステロイドが処方されようとしたので断りました。
その後、何もしないまま過ごしたものの、症状は悪くなる一方で、顔と首前面は汗が出ず、ホットフラッシュのような症状が続いていました(写真1)。
写真1:症状は顔と前首に出たが、写真は前首部分。赤黒いピンクのボツボツで首全体が覆われている。
7月に婦人科健診のためB病院を受診した折に、産婦人科医に顔と前首の症状を診てもらい更年期障害だろうかと相談しましたが、違うとのこと。同病院の皮膚科も受診し、光線過敏症の可能性について尋ねたところ「光線過敏症は症状が後ろ首筋に出る。あなたの場合は前首なので、違う。何か原因を自分で考えて」と言われました。
化粧品が首に飛んで日光に反応したのではと、化粧品のパッチテストを勧められましたがテストはせず、「これほど広範囲でひどいと、ステロイド内服しかない」と皮膚科医に言われましたが断り、ワセリン外用のみ処方してもらいました。
症状は、顔と首(前面)だけが乾燥し、赤く、ほてりがあります。その部分は真夏日が続いているにもかかわらず汗をかかず、皮膚症状は一見、アトピーのようです。今は、ワセリンを塗っています。
肌荒れそのものは昨年11月頃からあったのですが、このときは何も塗らないままに軽くなっていました。そのときから、洗顔料や化粧水、乳液、クリームは「アトピー・超乾燥肌用」に変えました。化粧は出勤日だけ(週5日)しています。(奈良市:兼業主婦)
よくあるパターンであれば、「保湿のしすぎ」です。保湿のしすぎで皮膚が弱り、接触性皮膚炎のようなことが起こっているのでしょう。
肌荒れが起きると、「しっかり洗って、清潔にして、キチンと保湿(化粧水・乳液)をしなくっちゃ」と女性は考える。これで悪化してしまいます。「保湿しなくっちゃ、」を捨てること。
乾燥肌は肌の表面を覆う角質細胞の配列がみだれたスカスカ肌。肌内部の潤いを封じ込め、外部の刺激を跳ね返すバリア機能が弱い。
保湿をすれば乾燥は和らぐけれど肌本来の機能(バリア)は取り戻せません。昨年11月の乾燥のあと、購入したアトピーグッズを熱心に使ったとこから、トラブルの臭いがします。
そこで次のようにしてください。
2週間ほどは、乾燥が悪化しますが我慢してください。肌が乾いた環境におかれると乾燥に対応できるよう自前のバリア機能が回復します。
真夏日が続く毎日なのに、顔を洗うこともできないと言われてとてもびっくりし、困りました。仕事で荒れた素肌のまま出勤するわけですし。それでも、意を決して実行したところ、1?2日でまず顔の赤みとほてりが、目に見えて軽くなりました。職場の人たちにも「きれいになったね」と言われました。
しかし、皮膚がバリバリに乾燥して粉ふき芋のようにポロポロと粉が出ているみたいな感じです。そして、顔や首を動かすと肌が裂けるような感じです。
傷んだ角層は2週間で一度入れ替わり、4週間で新しい皮膚となり、自前のバリア機能が回復すれば保湿なしでも乾燥しません。(40?50歳代ではもう少し長くかかるかも)乾燥が悪化して粉をふくのは、今まで化粧水などで保湿していたため、肌自らが保湿する働きを失ってしまっているからです。
皮膚は外界に適応するので、乾燥した環境においておけば自前のバリア機能が回復して、保湿なしで自然としっとりした肌になります。
朝の洗顔なしで2週間、乾燥は続くものの額の生え際から汗が少しにじむようになりました。さらに1週間後、首の赤みがほぼ消えました。洗顔を止めてから5週間、夜に水で洗顔した後は少しつっぱるものの、目と口の周り以外は粉ふき状態がほぼなくなり、ツルツルしてきました(写真2)。
写真2:洗顔も化粧も止めて5週間経った状態。写真1と同じ箇所。
そして9月20日、やっと8週間が経ちました。始めのひどい皮膚状態を知っている職場の人たちに「もういっそ、何も化粧しなくてもいいんじゃない?」と言われています。ただ、少し、鼻の周囲がべたつくときがあるのですが、石鹸で洗顔してはだめですか? それと今後の化粧法はどうすればいいですか?
よかったですね。化粧は、化粧水もミルクも不要、ファンデーションと白粉だけでいいのです。
そして、化粧した日の洗顔は石鹸を使ってもいいですが、オイルクレンジングのほうがお勧めです。化粧品はオイルに粉を溶かしてあります。顔に塗布してオイルが蒸発し、粉が残ります。もう一度オイルをたっぷり与えると顔の染料がとけて落ちます。ダブル洗顔(注)は必要ありません。
アイラインやマスカラ、頬紅などをしている場合でも洗顔方法は同じです。そして、夜の保湿(化粧水・乳液)もなしで大丈夫ですよ。
このページは「薬のチェックは命のチェック」No.28に掲載されました。