2001年フォーミュラ・ニッポンRd.3 トークライブ   2001.5.20

 

司会 : さぁお待たせいたしました。
      今からですね、フォーミュラ・ニッポントークライブのほうをスタートしたいと思います。
      えー、みなさん選手が登場いたしましたら大きな拍手でお迎えください。
      まずはMCのほうを担当していただきます、このかた、ご紹介いたしましょう。
      モータースポーツジャーナリスト、永田康和さんです。よろしくお願いします。

永田康和さん(以下、永田) : よろしくお願いします。

司会 : えーと、イスのほうが3つから2つになりました。

永田 : ちょっと言い訳させてください。
      お兄ちゃんのほうがですね、今1コーナーでちょっと飛んじゃいまして、ピットで泣いてます。

司会 : 号泣で?

永田 : えぇ、号泣してますんでちょっとこっちに上がって来れなかったんで。
      かなりちょっとひどいんですよ。

司会 : どこが?

影山正美選手(以下、正美) : (ステージ裏から)泣いてないよ。

永田 : 後ろのほうが。大変なんですよ。

正美 : (再びステージ裏から)泣いてないよ。

司会 : (笑)後ろから既に声が聞こえてますが。

永田 : 泣いてないよと言ったのは弟です。

司会 : はい、大きな拍手でみなさんお迎えしていただきたいと
      思います。
      COSMO OIL CERUMOより影山正美選手どうぞー。

正美 : こんにちはー。

司会 : よろしくお願いします。
      泣いてないよってどこから声が聞こえてくるのかと
      思いますよ。

永田 : いやぁー、でも兄弟とはいえあれですねぇ、
      こうなっちゃうとじゃあ、どういう言葉を投げかけるわけ?
      兄貴に。

正美 : 何も言わないですよ。

永田 : 何も言わない?

正美 : 体は大丈夫かな?と。

永田 : それは心配になるよね。あれだけ走ってるわりに、
      あっ、兄貴がいっちゃったんだって分かるわけでしょ?1コーナーで。

正美 : わかりますね。

永田 : ねー。ちょっとひやっとしましたもんね。いやぁー、びっくりした。
      ほんとはね、2人で来て、ここで兄弟でバトル、トークのバトルをしてもらおうと思ったんですけどね。
      ちょっと残念ね。

正美 : なんでいっちゃったの?あれ。

永田 : いや、聞いてないですよ、まだ。
      えー、あの寂しく車だけ帰ってきて後ろ姿だけ見て帰りましたけども。
      結構ハデにいっちゃったんで。

正美 : そうですね。

永田 : えー、びっくりしましたけども…
      それはそうと兄貴の話しはそれくらいにして、正美選手はどうですか?
      こう、久しぶりに帰ってきて。フォーミュラ・ニッポンに。
      1戦目はとりあえず4位に入って。
      うん、まぁ、さすがになっていう、こう、感じはしてるんですけどね。

正美 : へへ。

永田 : 戻ってないですか?フォーミュラ・ニッポンのモードに。

正美 : いやぁー、どうなんでしょうね?

永田 : 自分の中では。

正美 : もう、だいぶ戻ってるつもりなんですけど。

永田 : うん。

正美 : 3レース続けて10番手ぐらいの壁ですね。

永田 : どうしたんだろうって思うよね?でも決勝ではちゃんと答え出てるんですけどね。

正美 : ま、決勝はね、なんとかこう、つじつま合わす事ができるという…
      予選の一発が出ないですね。

永田 : 昨日なんて例えば1回目の、本山選手がね、ちょっとこうダントツのタイムが出るじゃないですか?
      ライバルたちをコンマ8秒から1秒近く引き離して。
      ああいうの1回パンチ食らうとどうなるの?

正美 : まぁ、それ以前ですね。
      例えばあれが2番手、3番手にいたらかなりショックでしょうけど…

永田 : ほぉー。

正美 : 6、7番手にいたから(苦笑)

永田 : 違う理由もいっぱいあるし…

正美 : そうですね。まぁ、これ以前ですからね。

永田 : はぁー。今日はどうですか?朝、走った感じでは。

正美 : うーん、まぁ、午前中のウォームアップとね決勝…での温度差?
      路面温度がかなり上がるんで、それをある程度ふまえた車を作ろうと思ってるんですけど。
      まだまだコンマ5ぐらい遅いのかな?トップと…

永田 : コンマ5?

正美 : うん。

永田 : コンマ5、取りかえせそうなの?コンマ5は。
      午後のそのあったかい中でのセットを見つける的には?

正美 : うーん、どうですかね?ガソリンもねどれだけ積めるか分からないんですけどね、たいがいみんな、
      そこそこ多めに積んでると思うんで、そんなにあのー、比較にならないタイムじゃないと思うんで。

永田 : 今日の朝もまったくのフルタンクのとこもあるし、少し抜いて走ってるとこもあるしさ。

正美 : そうですね。それはあのー…

永田 : 見極めもしないといけないしさ。

正美 : そのへんでやっぱり、重い時の20とか30ってそうとう変わってくるんで、
      それをどう考えたりとかなんですけど。
      実際いつもウォームアップはそうですね、6番手〜10番手くらいの間にいれば、決勝ではまぁ、
      あんまりトップと変わんないようなタイムで走れるんですけど…
      まぁ、予選から考えるとちょっと…まだタイム的には追いついてないなぁと思いますけども…

永田 : ここちょっと嫌でしょ?中段から後ろのほうにいてヨーイドンするのってのは。

正美 : ねー。必ずなんかありますからね(苦笑)

永田 : コースレイアウトを考えるとなるべくうまくても6…予選は終わってるからしょうがないですけども、
      あとはレースの中で戦略をたてていくんだけども、ある程度はこう、シミュレーションって…

正美 : ま、ある程度、こう…レースがスタートしてばらけちゃうというかね、一列になっちゃうと、
      ある程度読めるんですけど…1周目、2周目がちょっとね、ここちょっと速いと…

永田 : とにかく前に行こう、前に行こうという思いが強いわけじゃないですか?

正美 : そうですね、だからスタート直後のまぁ、1コーナー…普通ね、このスタート直後の1コーナーを
      まぁ、当たったりするから気をつけなきゃなーなんて思うんだけど、それ以前にエンストするでしょ?
      ココみんな、なんか知んないけど(笑)

永田 : あるんだよね。何か事件というかね。

正美 : でね、そのなんでみんなエンストすんの?って、
      ヘタクソだなって思うかも知れないですけど、あのー、
      そこの一番ちょうどコースの真ん中へんにあるヘアピンと、
      あと、最終コーナーの1つ目と2つ目、
      あそこ1速でまわってるんですよ。

永田 : そこの手前んとこね?はい。

正美 : だから1速でその…1速でまわるようなギアが入ってるから、
      そのギアでしょうがなくスタートしなきゃいけないんでね。

永田 : あ、少し普通のスタートギアより高いんだね?

正美 : そうですね、だから普通の乗用車で考えると2速発進みたいな
      感じになるんで、だからタイヤがグリップしてきて最初の転がり初めで
      エンストしやすい。

永田 : ぐるっといって、ポンっといっちゃうんだね。

正美 : そうですね。それが多いんでみんなこう…ここのサーキットってエンストするんですよ。

永田 : で、アクシデントになっちゃうんだよね。

正美 : 特になんでみんなエンストするかっていうと、ここってスタートしてから1コーナーまでが短いでしょ?

永田 : はいはい。

正美 : そうすると、いかにスタートで上手くいって、1コーナーまでに前に出るかだから…
      逆に富士みたいにストレートが長くて、ま、スタートで1台、2台抜かれても車さえ決まってて、
      ストレート伸びてれば、まぁ、いくらでも抜けるよっていう気持ちの余裕と…

永田 : 取り返しができないからね。

正美 : ここ、ほんっとに抜けないから(笑)

永田 : (笑)あぁ〜。

正美 : どんだけ最終コーナー上手く曲がっても、前の車がちょっとミスってても抜けないんですよ。

永田 : じゃその、抜けないんであればヨーイドンのギア使っちゃって…っていうのはやっぱり作戦的に無理?
      前に出れば押さえられるだろうっていうのがあるんだけど。

正美 : それも考えるんですけど、そうするとここの一番大事な
      最終コーナーの2つ目?ストレートに出てくるところの、
      あのー、立ち上がりで1速がショートだと掻いちゃうんですよ。

永田 : 掻いちゃう…

正美 : ホイールスピンをしてくるんですよね。タイヤがどんどん後半
      たれてくるんで、今のタイヤってのはタイヤ交換が出来るから
      だいたいそのー、スタートから100キロ100キロで考えるか
      もしくは80キロの120キロくらいで考えると思うんですけど、
      やっぱりキツくなってくるんですね。

永田 : と、どうしてもまぁ、ローはここにハイドラッドの3つのコーナー
      に合わせるギアしか選べない…

正美 : そうですね、ドライバーの心理からするとやっぱりはやく踏みたいから。

永田 : そうするとでもタイヤもこう、新しい、まぁフレッシュに近いほうが良いわけだから、
      昨日の予選ではわざわざ残すっていう作戦をとらなかったの?

正美 : ま、それ以前でしょ?だって(苦笑)

永田 : そうかぁー。あれを考えてたら…

正美 : いやねー、例えばほんと、本山みたいにね、タイムが出てれば1セット温存してっていうもう…

永田 : 完全に考えますよね?

正美 : うん、出来るんだけども…それ以前ですからね。

永田 : まぁ、しょうがないからアタックだけ入れちゃおうってのもあるよね。

正美 : そうですね。

永田 : でもスタートが昨日の予選の1回目の終わったあたりから、ちょっと暑い時期のね、
      スタートですよね?

正美 : はい。

永田 : 昨日もかなり上がりましたが、朝の状況と全く違う状況が午後なんかだいぶ…

(ここでCOSMO OIL レーシングギャルが登場する)

永田 : あっ、びっくりっていうか嬉しいですね。やっと来てくれたみたいなね。

正美 : おはようございます。

永田 : はーい、おはようございます。えー、お待たせいたしました。
      急に目が光った人達もいますけども。

 正美 : カメラの向いてる位置が違うよ。

 会場 : 爆笑

 永田 : そこじゃないよ、ここだよ。ここ。

 正美 : そうそうそう。

 永田 : まぁいいか。

 正美 : ひいて撮ってるんでしょ?

 会場 : 爆笑

 永田 : でも一番高いところでカメラのレンズを受けたいからね、
       今日は。

正美 : いやいやいや…あ、こっちね?

永田 : そうそう。でもあの、この前の服部選手がそうなんですよ。

正美 : はぁ〜(苦笑)

永田 : 昨日も言ってたんだけど、あのー、ベテランになればなるほどレースの展開、
      今言う、正美選手が言ったように読めるわけでしょ?スタートでどうなろうと…

正美 : そうですね、はい。

永田 : こういうふうにしようと…ライバルたちがこういうふうに動いたらこういうレース組み立てようと。
      たぶん、この前のはっちゃん(服部選手)もエンジンが悪かったんで、ヨーイドンする前にまぁ、
      せいぜいポイント獲れりゃいいやなんていうのがひとつありますよね?
      まぁ、監督はそうじゃないから、何を言ってる、表彰台のひとつくらい獲ってらっしゃいよと
      いう話をするわけじゃないですか?

正美 : はい。

永田 : やってるうちにライバルが勝手に消えていってくれたわけですよね。この前の時はね。

正美 : そうですね。

永田 : ここもそんな可能性…

 正美 : 俺に手振ってんの?

 会場 : 笑

 永田 : 気になるなぁ。まぁいいか(笑)
       分からない部分ってあるじゃないですか。
       と、モチベーション常に切らないようにしとくのって
       大変でしょ?忙しいコーナーだし。

 正美 : いやー、でもー、それにはそれでしょ?
       年に10回だもん。

 永田 : んー。でも勝つときって不思議なもんですね。

正美 : そうですね。

永田 : ポンポンっとどんな状況でも勝てちゃうわけでしょ?

正美 : そうですね。まぁ、それもレースですね。

永田 : 勝ち方は教えることができないと。やっぱりこう、ステップアップして
      上へ上がってくるだけで満足できないでしょ。勝ち方知ってるじゃないですか?

正美 : う〜ん、まぁ、勝ち方知ってるって勝ってみると、あっ、こんなもんかなって感じなんだけど…

永田 : 意外とね。

正美 : 勝ってないと焦るんですよね。

永田 : あぁ〜、なるほどね。ちょっと前半の本山選手がそんな感じですよね。
      タイムは良いし、予選も良いし、テストもOKだし、で、こなしてるもんちゃんとやってて…

正美 : そうですね。

永田 : ヨーイドンっていうとどっかずれていっちゃうというねぇ、不思議なもんですけどね。

正美 : そうですね。

永田 : 流れっていうか…

正美 : まぁ、それがレース面白くしてますよね。

永田 : うん、だってチームメート今年いきがいいじゃないですか、荒選手だし…
      刺激あるでしょ?

正美 : 刺激なんてもんじゃないですよ。もう、大変な思いをしてますよ(苦笑)

永田 : 前いっちゃってる時はしまったと思う?

正美 : しまったというよりも、まぁ、一番ね、前から言ってることですけど、
      チームメートには絶対に負けちゃいけないですから。
      フェラーリみたいにあからさまにはあの、ナンバー1、ナンバー2って書いてれば別ですけど、
      フォーミュラ・ニッポンでそういうのはないですよ。

永田 : とにかくまず、チームメートに勝たなきゃいけないってのがありますよね?

正美 : そう。とにかく1戦ずつシート争いしてるようなもんですから、常にそのー、ね、
      チームメートに負けてればシートを失う確率は高くなるわけですから。

永田 : うん。まず、まぁ、その問題をクリアしつつレースの中で答えを出すってのは
      非常に大変に難しい作業なんだけれども…

正美 : はい。

永田 : 今日はどうですかね?この暑くなってのレースって、頭の中のシミュレーション
      まず最初にどういうことを考えてるの?

正美 : えー…

永田 : 頭の中での。

正美 : えー…14番手だからスタート上手く決まっても、エンスト
      してる車におかまほんないようにしようかなとか…(笑)

永田 : なんかね、悲観的なことをねぇ…

正美 : (永田さんの言葉を遮って)ここはね、他のサーキットよりも
      ほんっとここはね、そのー、1周目が読めないんですよ。

永田 : 怖いってのあります?読めないんじゃなくて。

正美 : メチャメチャ怖いですよ。

永田 : 怖い?

正美 : 怖いですよ。

永田 : ほぉ。

正美 : 痛いのやだもん、だって(笑)

永田 : まぁそりゃそうですよね。当たると痛いですからね。なるほどね…
      まずそれが第一。上手くスタート切れればってのがある?

正美 : そうですね、あとはもう淡々と…あのー、いろいろと。

永田 : 何もなければどれくらいで入ろうと思ってるの?流れでこう…流動的なの?

正美 : いやぁー…

永田 : 予め決めてあるの?

正美 : あんまり決めてないですね。ま、だいたい半分前ぐらいかな?

永田 : それはご自身がサイン出すの?それともチームの方からサイン出すの?行きたいっていうのは…

正美 : (小さめの声で)これから決める(笑)

永田 : (笑)それもこれから決める?

正美 : ドライ、だって今年初めてじゃないですか?お天気、あのー、もてぎが初めてで2回目ですから。
      前回はね、序盤に10周目ぐらいにスピンしちゃったから、ピット入るよって入っただけなんで。
      ちゃんとまともに1セット目のタイヤを使い切って、2セット目のタイヤでプッシュするっていう方法を
      今回ちゃんと取れればなって思ってます。

永田 : なるほど、そういうパターンになれば上を目指せるし、脈があるぞということですね。

正美 : そうですね。

永田 : うん、まぁ、みなさんしっかり応援してくださいよ。きっといい走りしてくれると思います。
      この後の決勝レースでね、いろんなとこで楽しんでください。
      どうもありがとうございました。

正美 : ありがとうございました。

司会 : えー、影山選手にもう一度大きな拍手をお贈りください。どうもありがとうございました。
      そして、MCは永田さんでした。大きな拍手をお贈りください。どうもありがとうございました。

 

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